アーカイブ: 新花と蛇

新花と蛇

272.檻の中(4)

「この屋敷に連れて来られてから色々な人とそのような関係を結ばされました。京子さん、桂子さん、小夜子さん、珠江様――みな、私とは様々な形で縁があり、ごく当たり前の人間関係を築いてきた方ばかりですわ。もちろんそのような方々に対して、情欲めいたものを感じることなど決してありませんでした。そ、それなのに……」  静子夫人はそこまで言うと感情の高ぶりに嗚咽が込み上げてきたのか、言葉を詰まらせる。 「それなの…
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新花と蛇

271.檻の中(3)

「罰として美沙江はショーの終了後、浣腸のお仕置きを受けることになったのよ。母親の絹代と一緒にね」 「そうしたら傑作なのよ。珠江夫人がぜひ自分も浣腸して欲しいと志願してきたのよ」 「珠江様が……どうして……」  静子夫人は驚いて尋ねる。 「さあ、本人は二人が辛い目にあうのが耐えられないから自分もその辛さを一緒に味わいたい問いのだけど、本当のところはどうかしら」  銀子がそう言うと、朱美が「あの奥様、…
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新花と蛇

270.檻の中(2)

「あら、気軽に答えてくれていいのよ。賭けもお遊びなんだから」 「お客様はちゃんと賭けに乗ってくれたのよ。それともお上品な遠山財閥の若奥様は、そんな馬鹿馬鹿しいことには付き合っていられないということかしら」 「そ、そんなつもりじゃありませんわ」  そう言う銀子の目がキラリと光ったので、夫人は慌てて首を振る。 「それじゃ答えなさいよ。誰が勝ったと思うのか」 「は、はい……」  夫人は哀しげに眉をひそめ…
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新花と蛇

269.檻の中(1)

 静子夫人は夢を見ていた。  高い空の上でふわふわと漂いながら、薄桃色の雲といつまでも戯れる。  柔らかで弾力に満ちた雲は夫人の肉体にしっとりと絡みつく。吸い込まれるように雲と一体になっていく夫人の身体の中に、陶酔めいた感覚が込み上がる。甘い官能の世界に浸っていた静子夫人の前に、突如巨大な黒い雲が湧き上がる。  黒雲は静子夫人にまとわりついていた薄桃色の雲をたちまち吹き飛ばし、夫人をすっぽりと覆い…
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268.晒しもの(5)

「ところでさっきの奴隷の数だけど、悦子は数に入れないで良いの」 「ああ」  銀子は「忘れていたわ」と笑う。 「確かにヤキを入れるために奴隷に落としたけど、悦子じゃちょっと売り物にならないわね。他の女たちと比べると月とスッポンだわ」 「悦子って誰なの」  町子が尋ねると銀子と朱美はしばらく顔を見合わせていたが、やがて銀子が「お恥ずかしい話なんだけど」と口を開く。 「あたしたち葉桜団の仲間だったんだけ…
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