アーカイブ: 新花と蛇 - ページ 3

新花と蛇

216.奴隷のお披露目(16)

 二人の美夫人の絶頂が近いと見たマリと義子は、顔を見合わせてニヤリと笑い、舞台脇に控える井上に向かって合図する。音楽がいったん止み、観客席からため息のような声が漏れる。 「こらこら、勝手に踊りをやめたらあかんやないか」  義子が美紀夫人の顎に手をかけてそう言うと、夫人はさも恥ずかしげに顔を逸らし「だ、だって……これ以上続けると……」と苦しげに言う。 「気をやってしまうっていうんかいな」  義子の問…
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215.奴隷のお披露目(15)

 汚辱の自己紹介を終えた新入り奴隷たち四名は、改めて舞台上に横一列に並ぶ。美紀夫人の熟れ切った肢体、絹代夫人の淑やかさを湛えた裸身、久美子の若鮎のような肉体、そしてダミヤの神々しいまでの白磁の裸体――それぞれ個性に満ちた四つの裸像を目にした観客の興奮はいやがうえにも高まっていく。  直江と友子、竹田と堀川は次の幕の準備のために舞台を下り、舞台上には四人の女奴隷以外は進行役のマリと義子が残るのみであ…
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214.奴隷のお披露目(14)

(近親相姦ですって?)  町子は久美子の言葉に衝撃を受ける。  血を分けた兄と妹を無理やり繋がらせるなど、およそ正常な人間が考える所業とは言えない。  しかも山崎探偵とその妹にとって、森田組や岩崎組のやくざたちはいわば仇敵ではないか。その敵たちの目の前で畜生道を強制されるなど、兄妹にとって死にも勝る屈辱と言える。そんなおぞましい行為を承知したと言うことは、やむを得ない理由があるに違いない。 (たと…
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213.奴隷のお披露目(13)

 義子はそう言うと、岩崎たちの視線を浴びながら汚辱に震えている久美子の尻をパシッと叩く。 「さ、ぼんやりしていないで岩崎親分の機嫌をとるんや」 「き、機嫌をとるって……どうしたら良いんですか」 「そんなこともわからなんのかいな。久美子の兄さんが岩崎親分に大変な迷惑をかけたんや。そのことについて詫びを入れなあかんやないか」 「そ、そんな……」  義子の理不尽な要求に久美子は絶句する。 「どうして私が…
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212.奴隷のお披露目(12)

 絹代はそう言うと深々と頭を下げる。観客たちの歓声がと拍手が、全裸の家元夫人に浴びせられる。  町子も他の観客たち同様、盛んに手を叩いているが、どうして湖月流に対する罪を償うことが、森田組の性の奴隷になることにつながるのかさっぱり分からない。 (要するに大塚順子の湖月流華道と森田組はつながりがあるということか)  町子がそんなことを想像していると、絹代は頭を上げ、涙に濡れた瞳を岩崎の隣りの時造に向…
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