小説 7.里美(2) 私はチケットを買い、ヘッドセットをつけて里美の部屋にログインします。ログインに気づいた里美が顔を上げ、ヘッドセットをつけました。目許がはっきりしたその顔立ちの意外な美しさに、私は少し驚きました。 「こんにちは」 「下田さんから聞いていた人ね... 2022.12.25 小説役員会
小説 6.里美(1) 「ライブチャットですよ」 「ライブチャットって、女の子がPCの前で話したり脱いだりするやつ?」 「東山さんも良く知っていますね。やったことあるんですか?」 下田がにやりと笑います。 「ないよ。見てるだけで手を出せないんじゃつまんないじゃない... 2022.12.25 小説役員会
小説 5.蜘蛛の巣(5) 私は一瞬キスマークのことを聞こうと思いましたが、なぜかためらいました。 「ところで……誰が送って来てくれたんですか」 「会長の犬山さんだ」 「まあ……」 妻の表情が心持ちこわばったような気がします。 「あとでお礼を言っておかないといけないわ... 2022.12.25 小説役員会
小説 4.蜘蛛の巣(4) もしこれが毎回同じ男が送ってくるなどということがあれば、私は妻の不倫を疑うところですが、毎回違う男が送ってくるからそういった想像は頭に浮かびませんでした。そんなことが2カ月ほど続き、5月も終わり近い日曜日にまた妻の帰宅が遅くなりました。 い... 2022.12.25 小説役員会
小説 3.蜘蛛の巣(3) 「……あなた」 「大丈夫か? 昨日は随分飲んでいたようだが」 「ご迷惑をかけて申し訳ありません……」 「それはいいが……まだ肌寒いから、風邪をひかないようにしろよ」 「はい……」 妻の声が随分沈んでいることが気になりましたが、私はとりあえず... 2022.12.25 小説役員会