アーカイブ: 2月, 2019

新花と蛇

176.ダミヤの涙(3)

「そりゃそうさ。ずいき製の褌だからね」 「お、お願いですっ。は、外してくださいっ」 「ハハハ、あんたの花婿さんに優しく外してもらうんだね」 「は、花婿ですって?」  ダミヤの顔色がさっと青ざめる。 「な、なんのことですかっ」 「いけばわかるさ」  義子とマリは代わる代わるダミヤの体を小突きながら、一階の廊下の突き当たりにある座敷の前まで連れて行く。 「ここがあんたと花婿さんが新婚生活を送るためのス…
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新花と蛇

175.ダミヤの涙(2)

「確かに、遠山氏の依頼で静子夫人の調査を行っていました。何しろ僕の目の前でさらわれたのですからね。探偵としては大変な失態です。おまけに遠山氏の義理の娘の桂子が団長をしていた葉桜団という女愚連隊に潜入捜査をさせていた助手の京子、そしてその妹の美津子さんまで行方不明になってしまいました」 「なんですって?」  事の大きさにダミヤは驚きの声を上げる。 「その後、僕の遠縁にあたる四谷の村瀬宝石店の令嬢、小…
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新花と蛇

174.ダミヤの涙(1)

 一時は静子夫人と京子の救出を諦めかけた山崎だったが、娘の身を案じる美紀夫人と絹代夫人に懇願され、久美子に励まされてようやく再び戦う気力を取り戻したのだ。  しかしその戦いも森田組と葉桜団が仕掛けた偽装タクシーというトリックにまんまと引っ掛かり、山崎の無残な敗北に終わろうとしていたのである。 「それじゃあそれぞれ、仕事に取り掛かってくれ」  森田がそう言うと銀子が「ちょっと待ってよ」と口を挟む。 …
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新花と蛇

173.敗北の兄妹(13)

「さあ、景気よく立ち小便をして蝋燭の火を消すんだ」 「そ、そんな……」  あまりにも羞かしい銀子の命令に、久美子は気が遠くなるような思いになる。蝋燭を立てられた洗面器を前にして硬直した身体をブルブル震わせている久美子を、男たちはさも楽しそうに眺めている。 「何を愚図愚図しているんだい。さっさと発射しないか」  朱美はそう久美子を怒鳴りつけると、逞しいまでに張り出したヒップを思いきり蹴り上げる。 「…
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新花と蛇

172.敗北の兄妹(12)

「今だって黙って気をやったでしょう。いく時にはいくって言わないと、見ているお客様が分からないでしょう」 「そうよ、あんたはだいたい色気が足らないのよ。他の二人はちゃんといく、って言えたわよ」 「ご、ごめんなさい……」  銀子と朱美に交互に耳を引っ張られたり、頬を軽く叩かれたりして責め立てられている久美子はべそをかきそうな顔付きになる。 「まあ、久美子はまだ処女だから無理もないかも知れないな。他の二…
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