アーカイブ: 3月, 2019

新花と蛇

188.肉の狂宴(1)

 また、三組の男女の中央では赤銅色の肌に不動明王の入れ墨を彫った褌一丁の男が、片手に竹刀を持ってうろうろと歩き回り、時折罵声混じりの指示を飛ばしながら京子や小夜子、そして文夫や美津子の尻をひっぱたいているのだ。  山崎が初めて目にするその男――それはもちろんこの地獄屋敷の悪鬼たちの中でも静子や京子たち女奴隷が最も恐れる調教師、浅草の鬼源だった。 「あ、ああっ、ボ、ボブっ! 小夜子、もう駄目っ」  …
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新花と蛇

187.静子夫人の絶望(11)

「なかなか息が合っているじゃない」  銀子が感心したようにそう言うと、朱美が「案外静子夫人がおフランスへ留学している間、この二人、レズの関係だったのかもね」と答える。 「まさか。あんたとあたしじゃあるまいし」  銀子と朱美のそんな会話も耳にはいらないかのように、静子夫人は夢中になってダミヤの胸元から乳房、臍から下腹部へとチュッ、チュッと音を立てて接吻を注ぎ込んでいく。  ダミヤもまた、拒否の気持ち…
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新花と蛇

186.静子夫人の絶望(10)

「だ……だって……ああ、そこは……」  朱美は切なげに身悶えするダミヤを痛快そうに見上げ、調子に乗って責め立てる。 「この白人女、意外とこっちの方でも感じるみたいだよ」 「へえ、そりゃ頼もしいじゃないか」  ダミヤの柔らかい乳房を淫靡に揉み上げていた銀子は、朱美の言葉に口元を歪めて笑う。 「ほらほら、そんなにケツを振っちゃあ駄目だよ」  肉付きの良いダミヤのヒップをパシンと平手打ちする朱美。銀子は…
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新花と蛇

185.静子夫人の絶望(9)

 女たちの甲高い笑い声、それに混じったすすり泣きの声、尻を平手打ちしているのか、ピシャピシャという滑稽味を帯びた音――。 「さあ、到着よ」  それらの音は静子夫人の牢の前に来ると移動をやめる。おずおずと顔を上げた夫人の前、鉄格子を挟んで立っていたのはやはりフランソワーズ・ダミヤだった。 「シ、シズコっ」 「ダミヤっ」  ダミヤが顔を上げ、牢の中にいるのが静子夫人であることを認めると、わっと泣き声を…
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新花と蛇

184.静子夫人の絶望(8)

「お、お願いです。ダミヤさんは、ダミヤさんだけは許してください……彼女は、結婚したばかりなのです」 「そんなこと知っちゃないわよ」  銀子が嘲笑うように決めつける。 「彼女のご主人のドクター・ジャン・バルーは私にとってもかけがえのない方。学問だけでなく人生さえも教えてくれた恩師なのです。そんな方を苦しみに落とすことなど、私には出来ません」 「奥さん、あんた、随分勝手なことを言うじゃないか」  銀子…
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