アーカイブ: 10月, 2019

新花と蛇

248.奴隷のお披露目(48)

「言っておくけど、やるのは奥様だけじゃないのよ」 千代はそう言うとおろおろしながら成り行きを見守っている絹代夫人に目を向ける。 「そこの家元夫人も付き合って、舞台に上がるのよ」 「な、なんですって」 美紀夫人は愕然と目を見開く。 「ど、どうして千原の奥様まで」 「当然でしょう。ピチピチした若い娘と、思わず食べたくなっちゃうような美少年の代わりを務めようというのよ。一人だけのショーじゃ、お客様はとて…
続きを読む

247.奴隷のお披露目(47)

「台本にないことがどんどん起こることがこの手のショーの面白味じゃないか。第一、言えないじゃこの場は収まらないよ」 「そうだよ、お客様が怒って、あんたたち二人をこの場で繋がらせろと言ったらどうするつもりなんだい」 春太郎と夏次郎に口々に急き立てられた小夜子は、根負けしたように口を開く。 「お、お客様……、どうか、お小夜と文之助の近くにお寄り下さいませ」 小夜子はせめて芝居の登場人物に成り切ることによ…
続きを読む
新花と蛇

246.奴隷のお披露目(46)

「若い男の子のお尻の穴って初めて見るけど、なかなか可愛いものね」 「お尻も丸くて形が良いし、こうやって見ていると女の子と変わらないわね」  和枝と葉子はそんなことを言ってキャッ、キャッと笑い合っている。 「でも、股の間から銚子をぶら下げたおチンチンが覗いてるのが見えるじゃない。やっぱり紛れもなく男だわ」  和枝がそう言うと葉子がさらに甲高い声を上げて笑うのだった。 (ああ……文夫……)  文夫の悲…
続きを読む
新花と蛇

245.奴隷のお披露目(45)

「うーっ!」  男の急所を握りつぶされそうになった文之助は苦痛のあまり絶叫する。息子の悲鳴を耳にした美紀夫人は思わず顔を上げる。  森田組の幹部やくざ、井上が演じる伝助によって睾丸を握られ、脂汗を流しながら苦痛に耐えている息子の姿を目にした美紀夫人は「ふ、文夫っ」と声を上げる。  客席から突然聞こえた母の声に文夫はハッとした表情になる。美紀夫人と文夫の視線が交錯し、文夫もまた思わず「母さんっ」と声…
続きを読む
新花と蛇

244.奴隷のお披露目(44)

「奥さんの身になってみろ。手塩にかけて育てた娘と息子が、やくざが主宰するポルノショーに出演させられているんだ。情けなくて身の置き所もないって気持ちになるのも無理はないだろう」 「親分ったら、随分その奥様には甘いのね」  和枝がそう言うと葉子も「そうよ、その女だってさっき、他の女たちと一緒に鈴縄踊りの珍芸を披露した立派なポルノスターよ。何も遠慮することはないじゃない」と言い募る。 「なかなか手厳しい…
続きを読む
12