36.美少年散華(2)

「他の女奴隷たちはどうしているんだい」
「珠江夫人は川田さんと吉沢さんから二人掛かりで、娼婦の手管を叩き込まれているわ。今夜また徹夜で調教らしいわ。週末に岩崎親分がやってくるから、静子の代わりに相手をさせるんだって」
「美沙江は今夜、岩崎親分の弟の時造さんに水揚げされることが決まったから、桂子からその時の作法を教え込まれているみたいや。友子と直江がついてるけどあの二人はそっちの経験は少ないからあまり役にたたん」
 義子とマリが顔を見合わせて笑い合う。
「千原流華道家元の令嬢と、前科六犯のやくざとは傑作な組み合わせだな」
 岩崎とは親密な関係にある津村がさも楽しげに笑う。
「文夫君、聞いたかい? 君のお姉さんをはじめ、他の女奴隷たちはそれぞれ森田組のために汗水垂らして頑張っているんだ。君も負けてはいられないよ」
 津村はニヤリと笑みを浮かべると、文夫への攻勢を強める。すると文夫はそんな津村と呼吸を合わせるように、津村の剛直を受け入れた筋肉を微妙に収縮させるのだ。
「文夫君、口を吸ってやろう。こっちを向くんだ」
 文夫は津村に求められると、背後から菊の蕾に肉棒を突き立て押して出る津村の方に上気した顔面をねじって、唇と唇をぴったり重ね合わせ、甘えかかるように舌を吸わせる。すると見物している義子とマリはキャーと嬌声を張り上げるのだ。
「どうだ、文夫君、良い気分だろう」
 すっかり没我の境地に入っているのか、義子とマリのからかいの声も耳に入らなくなっている文夫は津村が囁きかける言葉に頷きながら、せっぱ詰まった声を張り上げるのだ。
「よ、義雄さん、文夫は義雄さんのものですっ」
「そうかい、可愛い奴だ。じゃあ、これからは僕のいうことは何でも聞くんだよ」
「は、はいっ」
 文夫はもう耐え切れなくなったのか、断末魔のうめきをもらしながらあせばんだ首筋を大きくのけぞらせる。
「義雄さんっ、ぼ、僕、もう――」
「いきそうなのか?」
 文夫は頬を赤く染めてこっくりとうなずく。
「もう少し我慢するんだ。僕と呼吸を合わせるんだ」
 そう囁かれた文夫は津村を追い上げようとするのか、限界まできた激烈な快美感に耐えながら激しく腰をうねり回せる。そんな文夫の様子を見ていたマリは、何かを思いついたのかコップの酒をぐいと飲み干し、津村に声をかける。
「ねえ、津村さん。このお坊ちゃま、もういきそうになっているでしょう? 精液をもらっていっていいかしら?」
「いいけど、何に使うんだい」
「それは後のお楽しみよ」
 マリはニヤニヤ笑いながら文夫の側に近寄る。
「マリ、あんた、何かえげつないことを考えているのと違うか?」
「へへ、わかった?」
 文夫の肛門は自然に収縮し、深く押し入って来る津村を激しく締め上げる。
「おおっ。お姉さんのあそこと同じく、文夫君の尻の穴もなかなかの名器だな」
 津村はうめくようにいうと、文夫の耳元にさ、いくぞと囁く。文夫はせっぱ詰まったような表情でうなずき、津村が再び唇を求めてきたのに応え、少女のように赤い唇を津村の分厚い唇にぴったりと合わせる。
 それを合図にしたかのように、文夫の肉棒の先端から白濁が噴き上がる。
「あっ、駄目よ。ちゃんとコップの中に入れなくちゃ」
 マリは慌ててコップをあてがうと、文夫の迸りをその中に注ぎ込む。
「うっ、ううっ……」
 文夫は津村に舌を抜き取らんばかりに吸い上げられ、激烈な快感に身を震わせながら熱い樹液をしたたらせる。粘っこい文夫の生き血がコップの中に溜まっていくのを、義子とマリはさも楽しげに眺めている。
 ようやく発作が収まり、文夫は津村と糸を引くように濃厚な接吻を終えると、とろんとした目を前に向ける。
「ほら、お坊ちゃん、あんた、津村さんに抱かれてこんなにたくさん噴き出したのよ。わかる?」
 マリがグラスの中に白く溜まった精液を文夫に見せつけるようにする。
「よっぽど気持ち良かったみたいやな、あんた、元々こんな風に男に抱かれるのが好きやったんと違うか?」
 義子のからかいに文夫は少女のように頬を染めて俯く。そんなことはあり得ないと否定したいのだが、たった今津村との変質的な行為に溺れ、義子とマリの見ている前で我を忘れて、快楽の極致を極めたのは事実なのだ。
「照れなくていいのよ、お坊ちゃんもこういったことを楽しめるようになった方が、ここの生活が辛くなくていいわよ」
 マリはそう言うと義子に目配せして立ち上がる。
「ねえ、津村さん。最後に二人で熱烈な接吻をしてみせてよ。記念写真を撮ってあげるわ」
 義子はそう言うとカバンの中からカメラを取り出す。
「いいけど、何に使うんだい」
「森田組の商品の中に、ホモの趣味がある人のためのものを入れた方がいいかどうか、試して見たいのよ」
「僕の顔が写らないようにしてくれよ」
「わかってるわ」
 義子がいまだ津村に貫かれたままの文夫にカメラを向ける。
「どうせならオチンチンを立ててみてよ」
「そう言われても、文夫君はさっき出したばかりだからな」
 それでも津村はいまだ硬さを保っている肉棒で、文夫の狭隘な菊の箇所をゆっくりと責め立てる。同時に片手を文夫の若茎に回し、緩やかにしごき立てる。
 すると文夫は、快感の残り火がふとした弾みで燃え上がったかのように「あっ、あっ」と切なげな声をあげながら、優美な裸身をゆるやかに悶えさせる。
 それと共に精を放ったばかりの文夫の肉棒が再び雄々しいまでに硬化してきたので、義子とマリは喚声をあげる。
「すごいわ。やっぱり若いって違うわね」
「もう大きくなったやないか」
 義子は文夫の裸身に向けて何度もシャッターを切る。最初のうちはレンズを避けるように身を捩らせていた文夫だったが、やがて諦めたように虚ろな表情を前に向け、言語に絶する卑猥な痴態をカメラの中に収められて行くのだ。
「そこで、熱烈なキス!」
 義子が声をかけると津村は文夫をぐいと抱き寄せ、顔を捩らせるように文夫に接吻する。津村に舌を吸われている文夫の若茎ははっきりと屹立を見せ、まるで行き場を求めるかのようにフルフルと震えているのだ。
「これなら大丈夫や、十分売り物になるわ」
 義子は文夫の言語に絶する破廉恥な姿をたっぷりとカメラに収めると、そう言って笑うのだった。

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