74.地獄巡り(12)

「ね、ねえ、お願い……そのお道具を使って珠江に……」
珠江はそこまで言いかけてあまりの羞かしさに口ごもるが、勇気を振り絞ったように続ける。
「珠江に気を、気をやらせて頂戴」
ついにそんな科白を口にした珠江に、熊沢、大沼、そして平田といった男たちはどっと笑いこけ、次に手を叩いて珠江を囃し立てる。
「それと、ふ、冬子さんとおっしゃったかしら、お願いです。珠江のおっぱいを優しく揉んでくださらない?」
珠江が切羽詰まった表情を絹代に向けると、絹代はふらふらと立ち上がり、珠江の背後に回る。
「ごめんなさい、許して」
絹代はそっと珠江の乳房に手をかける。
「私こそ、こ、こんな淫らなお願いをしてごめんなさい」
そんな風に答える珠江の豊かな乳房を、絹代はゆっくりと揉み始める。手のひらに吸い付くような珠江の乳房の感触を生々しく感じながら、絹代はあまりの羞かしさに頬を染め、必死で顔を逸らせている。
千原流家元夫人と、その後援会長がついに変質的な同性愛行為を開始するに至った――新入りの奴隷たちが次々と自分たちの思う壷に嵌まっていくことに、銀子と義子は胸のすくような痛快さを感じるのだ。
「大塚先生が知ったらきっと大喜びやわ」
義子がそう言って口元を歪める。
確かに絹代と美紀は年齢を感じさせないその美しさから女奴隷としての価値も高いが、その千原流家元夫人と、村瀬宝石店社長夫人という社会的な地位は遠山静子のそれとほぼ匹敵するものである。それらがあいまって生み出す付加価値は森田組と葉桜団に大変な利益をもたらすに違いないと銀子は考え、義子同様口元に思わず笑みを浮かべるのだ。
「二人とも何を愚図愚図しているの。冬子はもう始めているわよ」
銀子にせきたてられた久美子と美紀は、もはや逃れられないと知って互いに頷き合うと、義子から渡された張り型を震える手で握ると、珠江の下半身に向かう。
「久美子さん、夏子さん……え、遠慮なさらないで。淫らな珠江を思う存分責めて頂戴」
絹代にぎこちなく乳房を愛撫されている珠江はわざと口元に笑みを浮かべ、久美子と美紀を誘うように腰部をうねうねと悶えさせる。
「許して、奥様」
久美子はそう言うと、手にした細い筒具を珠江の菊蕾に押し当てる。
「ああっ!」
その瞬間珠江は悲痛な叫び声を上げるが、菊花はたちまち花弁を膨らませ、久美子の押し当てる筒具を難無く呑み込んでいく。
「あっ、あっ!」
二人のシスターボーイ――春太郎と夏次郎によって十分その部分を開発されていた珠江夫人は、久美子に菊蕾をえぐられるだけで妖しい快感を得ることができるのか、舌足らずの悲鳴を上げながらもどかしげに裸身を悶えさせるのだ。
絹代もまた何かを耐えるように歯を食いしばり、珠江の豊乳を柔らかく揉みしだく。久美子と絹代によって責め上げられている珠江は、自分自身を官能の極に追い立てるように二人の責めに同調し始めるのだ。
「あの二人、なかなかやるじゃないか」
銀子と義子は顔を見合わせ、ニヤリと笑い合う。
「ほら、夏子はん、何をぼおっとしてるんや。珠江夫人が前のお口を物欲しそうに開けとるやないか。早くその張り型を御馳走してやらんかい」
気丈な美紀もあまりのことに呆然としていたが、義子にせかされ、手にした張り型を珠江のその部分に押し当てるが、それ以上押し進めることができない。
「何をしてるんや。思い切って突っ込んでやらんかい」
義子が焦れたようにそう言うと、美紀の手に自らの手を沿えるようにして、珠江をぐいと貫く。
「おおっ!」
深々と秘奥を抉られ、珠江は傷ついた獣のような声を上げる。義子は調子づいたように、美紀に握らせた張り型を激しく抽送させる。
「い、嫌っ!」
「何が嫌や、甘えたらあかんでっ」
義子はべそをかいたような表情になる美紀を叱咤し、握っていた美紀の手を離すと肉付きのよいヒップをパシッと叩く。
「さあ、ここからは自分でやるんやっ」
耳元でそう義子に怒鳴りつけられた美紀は、手に持った責め具で珠江のその部分を自棄になったように責め立てる。そんな美紀の責めの勢いに引き込まれるように久美子は細い筒具を激しく抽送させる。
「ああっ、ああっ!」
珠江は狂乱したように髪を振り乱し、堅く縛られた裸身をもどかしげに悶えさせる。美紀と久美子はまるで珠江の苦痛を早く取り除こうとするかのように必死で責め具を動かしている。
珠江のもっとも女らしい部分は驚くほどの柔軟さと、貝類を思わせる強い緊縮力を同時に発揮し。美紀が突き立てる張り型を優しく包み込み、強く締め上げる。
「あっ、い、いいっ……」
珠江の果肉の収縮の間隔は徐々に短くなり、切なげな喘ぎ声はますます高まっていく。珠江の絶頂が間近に迫ったと感じた銀子は背後に歩み寄り、膝をつくと耳元で囁く。
「そ、そんな……」
辛そうに顔をしかめる珠江に銀子は「やるのよ、そうしないと……」と脅すように言う。
「わ、わかりましたわ……」
珠江は覚悟を決めたように目を閉じ、唇を震わせる。
「お、お願い……冬子さん……珠江の口を吸って」
「えっ」
死んだ気になって珠江に乳房を愛撫していた絹代は、思いがけない珠江の言葉に驚く。
「た、珠江、もう、い、いきそうなの……お願い、冬子さんと接吻しながら珠江に気をやらせて……」
「そんな……」
あまりのことに戸惑う絹代の背を、銀子がパシンと叩く。
「ほら、冬子ったら珠江に恥をかかせるつもりなの? 早くキスをして上げるのよ」
「で、でも……」
「珠江は気をやる姿を晒したくないと言っているのよ。わからないの?」
銀子の言葉に胸を衝かれるような思いになった絹代は珠江の切羽詰まった顔を見る。
「お願いです……」
珠江の懇願するような表情に絹代は頷くと、自らの唇を、ゆっくりと珠江の唇に近づける。
絹代と珠江の唇がぴったりと合わさった途端、珠江の裸身は電流に触れたように激しく震える。
「うっ、ううっ……」
珠江の秘肉は美紀が押し出す張り型をしっかりと咥え込み、また菊花は久美子によって装填された細い責め具を力いっぱい締め上げる。三人がかりの責めによってすさまじいまでの崩壊を遂げた珠江の凄艶な姿に、熊沢たちは言葉も忘れて見入っているのだった。

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