(あ、ああっ、身体が、身体が変だわっ!)
 裏門を突き破られる苦痛に形の良い眉を顰めていた久美子だったが、そんな息の合った義子とマリの責めによって身体の芯が頼りなく崩れていくのを感じるのだった。
 美紀は依然として銀子と朱美によって、羽帚を使った淫靡な責めを受け続けている。銀子と朱美はレズビアンとしての経験で培った巧みな責めによって美紀の身体のありとあらゆる性感帯を刺激する。自分の思いもしなかったツボを刺激されることで、美紀はこれまで経験したことのない陶酔の極に追い上げられていく。嫌悪や抵抗といったの感情は春の淡雪のように溶けていき、美紀はやるせなくため息をつきながら見事な裸身をうねうねと悶えさせ始めるのだった。
「これは十分商売物になりますぜ、社長」
「そのようだな」
 小夜子の母親のそんな変貌振りを眺めていた田代と森田は顔を見合わせ、頷きあう。
 一方、久美子と美紀に比べるとやや出遅れ気味であった絹代も、大塚順子の指南を得た友子と直江の責めによって、そのかたくなな抵抗は薄皮を一枚ずつ剥ぐように突き崩され、ついにはその白く滑らかな肌にうっすらと汗を浮かべながら、海草のような身悶えを見せるにいたっている。
 絹代の玉を転がすようなソプラノのすすり泣き、久美子の意外なほど甘ったるいメゾソプラノの悶え泣き、そして美紀の艶やかなアルトのよがり泣きのハーモニーが田代屋敷のホームバーに響き渡る。そしてその見事な三重奏の伴奏をするかのように、女の三つの秘所がピチャ、ピチャと盛んに淫靡な音を立てているのだ。
 そんな三人の美女の痴態を、井上の率いる撮影班が最新式の映画撮影機に収めて行く。同時にスチール担当のやくざが、久美子たちの美麗な裸身に次々にフラッシュを浴びせているのだ。
「そろそろ追い込みをかけるで、ええな」
「わかったわ」
 義子とマリはそう声を掛け合うと、久美子を崩壊させるべく責めのピッチを上げる。義子は久美子の菊門に食い込ませた責め具を巧みに強弱をつけながら抽送し、包皮を弾かせて新鮮な花の実を露呈している陰核を手のひらでさっ、さっと撫でさする。
「あっ、やっ、やめてっ!」
 たちまち久美子の身体を熱い波が覆っていく。必死で気力を保とうと歯を食い縛る久美子の頬を両手で押さえたマリが、薔薇の花びらのような唇をいきなり求める。
「いやっ、何をするのっ」
 狼狽えて顔を背けようとした久美子だが、マリは執拗に久美子を求め、ついにその処女の唇を奪う。
「うっ、ううっ……」
 付き合っているボーイフレンドにさえ数えるほどしか許したことのない接吻を同性に施されるおぞましさ――久美子は思わず嫌悪に眉を顰めるが、義子の手で執拗な愛撫を受けている下腹部はすっかり痺れ、抵抗も出来なくなっている。
 それどころかマリの施す接吻は、久美子がこれまで経験したことがないほど巧妙であり、久美子はまるでマリと合わせた唇から、身体の力が抜き取られていくような感覚に陥っているのだ。
 マリは久美子に接吻しながら右手の人差し指を久美子の秘奥に沈め、繊細な肉襞を弄っている。すると怪しげなクリームをたっぷり塗り付けられて熱く火照っている久美子の秘奥はそんなマリの指先の刺激に見事なまでの開花を見せ、早熟の花蜜までたらたらと流し始めているのだった。
(ああっ、こ、こんなことがっ)
 同性二人に責め立てられて身体を燃え上がらせるなどなんと浅ましい――久美子は屈辱と自己嫌悪のあまり発作的に舌を噛み切りたくなる衝動に駆られる。
 しかし、ここで自分が命を断ったら美紀と絹代、そしてこの地獄屋敷に捕らわれている小夜子や美沙江、静子夫人や珠江夫人たちはどうなるのかとぐっと思い止どまるのだ。
(兄さん、いったい何をしているのっ。は、早く助けに来てっ)
 いつになったら兄の救援はやってくるのか。久美子はじりじりするような思いで待っているのだが一向にその気配はない。このままでは自分だけでなく、美紀や絹代までもが極限の羞恥をさらすことになるのだ。
 そんな風に歯を食い縛りながら快感に耐えている久美子の姿に焦れた義子が、菊責めの筒具を操作しながら苛々した声で「もっと力を抜かんかいっ」と尻たぶを軽く平手打ちする。
 その瞬間久美子の身体が電流に触れたようにびくっと震え、マリは驚いたような表情になる。
「義子がケツを叩いた時、久美子のここんところがキュッと締まったよ」
「ほんまか?」
 義子は試しに久美子の尻をパシッ、パシッと軽くリズミカルに叩きながら、菊花責めを続ける。久美子はその度に「あっ、ああっ」と小さな悲鳴を上げながら身体を悶えさせる。
「間違いないよ。この女、ケツを叩かれる度にあそこがキュッ、キュッと締まるわ」
「そりゃあ面白い」
 義子は今度は両手を使って、調子に乗ったように久美子の双臀をパシッ、パシッと平手打ちする。マリは義子に変わって菊花責めと、指先での秘奥嬲りを続ける。
「ああっ、嫌っ、嫌っ」
(な、何なのっ、この感覚はっ)
 衆人環視の前で幼児のように尻を叩かれながら、女の二つの羞恥の箇所をいたぶられる極限の羞恥と屈辱、しかしそれにもかかわらず久美子の肉体は自分でも信じらないほど高まって行くのだ。
「や、やめてっ! 叩かないでっ」
「叩かないでって言いながら、マンコは気持ち良さそうにキュッ、キュッと締まっているじゃない。案外そんなふうにされるのが気に入ったんじゃないの?」
「う、嘘よっ! 出鱈目を言わないでっ」
 久美子はマリのおぞましい言葉が耳に入ってくるのを避けるように首を振るが、いったん火がついた身体はもはや久美子自身も制御できないほどに高まっている。
(ああっ、へ、変よ、変だわっ。私の身体、いったいどうなっているのっ)
 義子とマリの責めの手がさらに強まり、これまで経験したことのないような快感の波が久美子の身体の裡から全身を覆って行く。もはや耐えることも出来ず、久美子は全身をガクガクと断続的に痙攣させる。
「こっちもそろそろ仕上げにかかるわよ」
 義子とマリが、いまだ処女の久美子を絶頂近くまで追い込んでいるのを見た銀子は、桐の箱に入っている張り型を取り出すと、すっかり開花した美紀の秘奥のとばぐちにそっと押し当てる。
「これで止めをさしてやろうよ」
 銀子がそう言うと朱美は意味ありげな笑みを浮かべて頷く。
 張り型が収められていた桐の箱には「村瀬小夜子・調教用」と墨で黒々と記されている。言うまでもなくそれは美紀の娘である小夜子専用に作られ、美貌の宝石店令嬢の汗と体液を散々吸った凶器である。
 娘を泣かせた責め具で母親の身体を嬲ろうという淫靡な着想に酔ったように、二人のズベ公は美紀への責めの手を強めていく。
 銀子が押し出すにつれて、美紀のその部分は貝類のような収縮を見せ、本物そっくりに象られたそれをゆっくりと呑み込んでいく。
「あっ、ああっ、そ、そんなっ」
 さすがに拒絶を示して悶える美紀の上半身を、朱美が優しく愛撫する。胸元に口づけをし、乳首を甘噛みすると美紀は「ううっ」と小さくため息のような声を漏らすのだった。