「この女、娘をいたぶった張り型を咥えさせられて随分気持ち良さそうにしているじゃない」
「お上品な顔をしているけれど、元々淫乱の素質があったのかもね」
「小夜子だって時々すごく積極的になるじゃない。最近は弟のチンポを咥えながらあそこをじっとり濡らすほどになったし」
「やっぱり母親と娘って似るのかしら。するとあたいと銀子姐さんの母親はレズってこと?」
「馬鹿ね、レズの母親から子供は生まれないでしょう」
「そりゃそうか」
 銀子と朱美はそんな風に軽口を叩きながら美紀の身体をいたぶっている。
 その頃には絹代もまた、友子によって張り型を女陰に食い込ませられ、ゆっくりと抽送されながらシクシクとすすり泣いている。しかし、元女中の手で淫らに責められる屈辱を心では拒みながら、絹代の身体は妖しいまでの快感に翻弄されているのだ。
 絹代は人妻でありながらいまだエクスタシーを経験したことがない。夫である千原元康は若い頃から身体が弱く、またセックスに対しても極めて淡泊であり、夫婦の間では美沙江という娘を得たのがほとんど奇跡と言って良いほどの性交渉しかなかったのだ。
 そんな少女のように未開発の絹代の肉体を、大塚順子の指南を得た友子と直江が確実に追い上げていく。
 絹代はこんな風に全身のツボというツボを暴かれるように愛撫される経験は初めてのことだった。友子と直江の責めに対して絹代の体は自分でも思っても見ないような反応を示して行く。
 以前の女主人である絹代が自分たちの責めに確実に身体を開いていく様子を目の当たりにしている友子と直江に、一種感激めいた感情が込み上げてくる。友子と直江はあたかも絹代に挑発されたかのように、責めのピッチを上げて行くのだ。
「あっ、ああっ、と、友子さんっ、そ、そんなっ」
 絹代もまたそんな二人の責めを毅然と受けて立つかのように、清冽な裸身をうねらせながら友子が突き出す張り型をしっかりと咥え込んでいる。そして時折その部分を生き物のようにブルッ、ブルッと震わせながら甘い悲鳴を上げ続けているのだ。
 そんな絹代の姿にたまらない気持ちになった直江は、絹代の顔を両手で挟むようにして接吻を求める。忘我の境地に陥っている絹代はまるでそんな直江の行為を待ち受けていたかのようにとろんとした瞳を向け、そっと唇を開く。
 元の使用人である直江と唇を重ね合い、同じく友子に張り型で女陰をいたぶられながら快感に裸身を震わせている絹代の姿に、大塚順子はにやりと笑みを浮かべている。
 二人の人妻が共にその成熟した女陰を張り型でいたぶられ、まるで甘美な頂上への到着を競い合うように激しく裸身をうねり回せている間で、久美子はひたすら兄の山崎が救援に駆けつけてくれるのを待ちながら義子とマリの責めに懸命に耐えている。
(兄さん、く、久美子、もう駄目だわっ)
 久美子はもはや最後の堰を突き崩され、絶頂寸前で必死に気力を駆り立てて踏みとどまっているだけだ。しかしその気力ももはや限界に達した久美子は「も、もうっ、駄目っ」と意味のない言葉を口走る。
「いく時はちゃんと、いくっていうのよ」
 勝ちを確信したマリが久美子に言い放つ。久美子が敗北の宣言を口にしようとしたその瞬間、隣りのベッドの美紀が「いっ、いきますっ!」と悲鳴のような声を上げる。
 続いて反対側のベッドの絹代も「ああっ、い、いきますわっ!」と悲痛な声音で叫ぶ。二人の人妻の華麗なまでの崩壊の後を追うように、久美子は「い、いくっ、いくわっ!」とわめくような声を上げるのだった。

 田代屋敷のホームバーは詰め掛けた男女の熱気と、つい先程ほとんど同時に凄まじいまでの崩壊の姿を晒した三人の美女のむっとするような女臭でむせかえっている。賭けの結果に一喜一憂するやくざやズベ公たちの喚声が止むと、鬼源に指示されたチンピラたちがグリセリンの薬液が入った瓶と薬缶、そして洗面器とガラス製の浣腸器、そしてブリキ製の便器を三つずつ運び込んで来る。
 久美子、美紀、そして絹代は失心したかのようにぐったりとした身体をベッドの上に横たえ、柔らかな腹部が規則的に上下させながら瞑目している。
「賭けは銀子と朱美組の勝ちか。まあ、予想どおりってところだな」
 田代が財布から紙幣を数枚出し、封筒に入れると銀子に手渡す。
「へへ、やっぱりベテランの技には、なかなかかなわないでしょう」
 銀子はニヤニヤ笑いながら受け取った封筒を自慢するように高々と掲げてみせる。
「二位は友子と直江か。大塚先生の助太刀があったとはいえ、あのお淑やかな奥様をよく追い込んだじゃないか。これは特別にご褒美だ」
 田代は一枚の紙幣を封筒に入れて友子に手渡す。
「おありがとうござい」
 友子がおどけた声を上げて田代から封筒を受け取ると、やくざたちはどっと笑い声を上げる。
「さて」
 田代は義子とマリに目配せして呼び寄せ、声をひそめる。
「お前たちは残念ながら最下位だが、どうも面白いものを見つけたようだな」
「社長もわかりましたかい?」
「もちろんだ、親分も鬼源もすぐ気づいたみたいだ」
 田代はニヤリと笑って頷く。
「まだ、その素質があるとだけしか言えないが、あの久美子ってじゃじゃ馬娘をケツを叩かれただけで気をやるようなマゾ女に仕込むことが出来たら、たっぷりボーナスを弾むぜ」
「本当ですか?」
 義子とマリはたちまち目を輝かせる。
「それなら腕によりをかけて徹底的に仕込みますよ」
「その意気だ」
 田代は笑うと、義子とマリの肩を叩く。
「さて、そろそろ準備が整ったみたいだな」
 チンピラたちが洗面器に、グリセリンの薬液を薬缶に入ったぬるま湯で薄める作業をほぼ終えたのを確認した森田が口を開く。
「三人ともあれだけ派手に気をやったんだ。もう気持ちも落ち着いただろう。いよいよ浣腸責めといこうじゃないか」
 そう森田が告げた時、ホームバーの扉が開き、津村義雄が顔を覗かせる。
「あら、津村さんじゃないの。文夫の調教はもう終わったの」
「いや、これからが本番だ。まだちょっと穴が狭いようなんで春太郎と夏次郎に拡張させてるところなんだ。それよりも村瀬宝石店の社長夫人が手に入ったと聞いたんで様子を見に来たんだが」
 銀子の問いにそう答えながら部屋に入って来た津村は、それぞれベッドの上で淫らな開股縛りの姿勢にされている三人の姿を目にすると「ほう」と感心したような声を上げる。
「確かに村瀬社長夫人だ。これがあの美紀夫人のオマンコですか。初めて見るがなかなか立派なものじゃないですか」
 津村は左側のベッドに横たわる美紀に近づくと、むっちりと肉の実ったヒップを軽く叩きながら笑う。なかば意識を失っていた美紀はぼんやりと目を開け、近づけて来る津村の顔を見る。
「あ、あなたは……」
 美紀の顔がみるみるうちに強ばっていく。
「覚えていてくれましたか。これは光栄ですね。村瀬宝石店社長夫人、村瀬美紀さん」
「つ、津村さんっ、津村さんじゃないですか。あなたがどうしてここに」