132.無条件降伏(4)

 マリが久美子の乳首をくいくいと捩りながらそう言うと、久美子は「は、はいっ! 異存ございませんわっ。思う存分恨みを晴らしてくださいっ」と答える。
「お兄さんはなかなかハンサムだから、責め甲斐があるわ。素っ裸にして身体の毛を全部剃り上げて、チンチンを蝋燭でこんがり焼いてあげようと思うんだけど、いいかしら」
「そ、そんな……」
久美子がさすがに口ごもると義子がニヤリと残酷そうな笑みを浮かべ、テグス糸をぐいと引く。
「あっ! ああっ!」
「承知しないのなら代わりに村瀬宝石店の美紀夫人を土手焼きの仕置きにかけるわよ。それでもいいのっ!」
「い、いえっ。そ、それは困りますっ!」
久美子は絶叫しながら首を振る。自分たちのせいで地獄に落ちることになった美紀夫人をこれ以上つらい目にあわせる訳にはいかない。
「しょ、承知しますっ。ご、ごめんなさいっ! 糸を、糸をそんなに引かないでっ」
完全に思考力を奪われた久美子は、尊敬する兄を辱める行為を承知させられる。
「あ、兄を素っ裸にして……ま、丸坊主にして、お、おチンチンを蝋燭で焼いてくださいっ!」
「黒焦げになるまで焼くけど、本当にいいの?」
「は、はいっ! くっ、黒焦げになるまで焼いてくださいっ」
久美子のそんな言葉を録音したマリと義子は勝ち誇ったように笑いこける。
「それだけじゃ満足できへんわ。お兄さんを人の字型に縛り上げて、金蹴りの刑にかけてあげる。お兄さんのキンタマを葉桜団のメンバーが順に、思い切り蹴り上げるんや」
「そ、それは……」
久美子がおろおろして目を泳がせる。
「その時は久美子も参加するんやで。得意の空手の蹴りをお兄さんのキンタマにお見舞いして上げるんや。お兄さんのそれがゴルフボールくらいに腫れ上がるまで蹴り続けるんやで」
「そんな……そんな……」
義子の残酷な言葉に久美子の美しい目から新たな涙がこぼれ落ちる。
「嫌なら千原流華道の絹代夫人が代役よ。家元夫人のクリトリスを引き伸ばして、子供のペニスほどの大きさにしてあげるけど、それでもいいの?」
マリがそう言うと義子が再びテグス糸に手をかける。すると今度は、久美子はまだ糸が引かれないうちに「い、言うとおりにしますっ!」と絶叫する。
「お、お願いしますっ。森田組と葉桜団に敵対した兄を金蹴りの刑にかけてくださいっ! そ、その時は久美子も参加して、あ、兄のキンタマが真っ赤に腫れ上がるまで蹴り続けますっ!」
そんな屈辱的な言葉を口にした途端、久美子は全身が痺れるような背徳的な快感を知覚するのだった。

「とうとう捕まえたぜ」
川田が吐き捨てるようにそう言うと、部屋の隅に固まるように身を寄せ合うようにして震えている静子夫人や桂子、京子と美津子、小夜子、珠江、そして美沙江といった女たちに目を向ける。
静子他の女奴隷たちは、これまで森田組に敵対してきた兄の山崎に加えられる凄惨な処刑を見せつけるために、わざわざ引き出されているのだ。
久美子の兄の山崎が宿敵ともいうべき森田組に捕らえられ、素っ裸にされて堅く縛り上げられ、猿轡まで噛まされて暗い地下室の天井から吊るされている。久美子は他の女奴隷たちと同じく、檻から引き出されて兄に対する処刑の模様に立ち会わされている。
素っ裸で吊るされている兄の周囲を田代や森田、川田や鬼源、そして吉沢、井上といった森田組の幹部たちが一様に勝ち誇ったような笑みを浮かべながら取り囲んでいる。
(兄さんっ!)
絶体絶命の兄に久美子は呼びかけようとするが、声が出せない。久美子もまた兄と同様、堅く猿轡を噛まされているのだ。
兄は足を大きく開かされ、足首を青竹で固定されている。股間の逸物すら隠すことが出来ない惨めな姿にさせられた兄の肉棒に、葉桜団の銀子や朱美が残酷な笑みを口元に浮かべながら蝋燭の火を近づけていく。
「うーっ! うぐーっ!」
陰毛が焦げる独特の臭気が地下室に立ち込める。男の象徴をジリジリと焼かれる死に勝るほどの屈辱と苦痛に悶え抜く兄の姿を見せつけられながらも、久美子はどうすることも出来ずおろおろしている。
やがて蝋燭は美紀夫人と絹代に渡される。兄を信頼して捜査の囮となった結果が、愛する子供たちとともに地獄に叩き落とされることとなった二人の美夫人が怒りに柳眉を逆立てながら、兄の陰茎や陰嚢を焼いていく。
「ふぐっ、ぐーっ!」
兄のその部分が徐々に黒焦げになっていく。そんな酸鼻な拷問を見せつけられる久美子は失神寸前になっているが、なぜかその身体の深奥には甘い被虐の陶酔めいた感覚が湧き起っているのだ。
蝋燭責めで息も絶え絶えになっている兄は次に大の字型に固定される。大きく開かされた兄の股間を葉桜団のマリと義子、そして友子と直江が順番に喚声をあげながら蹴りあげる。
(や、やめてっ! 兄を許してっ!)
身を捩らせながら懇願する久美子をよそに、またも責め手は交代する。兄の前に進み出たのはなんと兄の恋人の京子だった。
「山崎さん……京子、きっと助けにきてくれると信じていたのに……」
京子は涙に咽びながらそう呟くと、いきなり山崎の股間を蹴り上げる。
「この裏切り者っ! 役立たずっ!」
京子は罵声を浴びせながら山崎の股間を蹴り続ける。空手の有段者である京子の強烈な蹴りにたちまち山崎は悶絶する。
ぐったりとなった兄にバケツの水が浴びせられる。朦朧としながらも息を吹き返した兄を京子は無表情に見つめていたが、やがて久美子の方を振り向く。
「──久美子さん、次はあなたの番よ」
京子の猿轡を解かれながら、久美子は恐怖に震えながら首を振る。
「お兄さんが探偵として無能だったから、助手である私や妹のあなたまでが女奴隷に落とされることになったのよ。その仕返しをたっぷりしてあげなさい」
「で、でも……」
「あなたはもう森田組の奴隷になることを誓ったのでしょう? 命令には逆らえないのよ」
京子はそう言うと久美子の背中を軽く叩く。素っ裸の兄の前に進み出た久美子はしばらくためらっていたが、葉桜団の女たちや京子の射るような視線を背中に感じ、やむなく兄の股間に軽くキックを見舞う。
「うっ!」
股間に走る激痛に兄は顔をしかめる。精悍な兄の表情が苦痛に歪むのを見た久美子は、なぜか身体が熱く火照り始めるのを感じる。
(兄さん……ごめんなさい)
久美子はそう胸の中で呟き、今度はもっと強く兄の股間を蹴る。つま先に柔らかい兄の陰嚢の感触が生々しい。兄は「おおっ!」と苦悶の声を上げる。
「やだ、この男。妹にキンタマを蹴られて興奮しているわ」
「本当、なんて嫌らしいマゾ男かしら」
葉桜団の女たちのそんな囁き声を耳にした久美子は兄の股間に目をやる。驚いたことに、兄の陰茎は確かにズベ公たちの言う通り猛々しく勃起していた。
(いやだわ、お兄さん……あいつらの言う通り、私に蹴られて興奮しているの?)
そんな兄の姿に震えるほどのおぞましさを感じた久美子は、今度は勢いをつけて思い切り蹴り上げる。
「ふぐうっ!」
久美子は足先に兄の睾丸が潰れる不気味な感触を知覚する。同時に兄は蛙が潰されたような声を発して、高々と射精する。
「この男、妹にキン蹴りされて射精したわ!」
「どうしようもない変態男ね」
葉桜団の女たちの哄笑が響く中、兄はドクドクと白い精を放ち続ける。その栗の花に似た匂いを嗅ぎながら、久美子は気が遠くなるほどの快感に浸っているのだ。

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