「た、ただ……文夫は男ですわ。前途のある文夫がそんな……やくざたちの前で見世物にされるなんて……」
「男も女も関係ないわよ。奥様の理屈だと京子や美津子には前途がないってこと?」
 朱美もまた夫人の髪を引っ張りながら詰問する。
「そんな意味ではございません」
「そんな風に聞こえるわよ」
 さらに詰め寄ろうとする朱美と義子と夫人の間に津村が「まあまあ、それくらいにしておけ」と割って入る。
「美紀もわが子可愛さのあまりつい口が滑ったんだろう。人の親としては当たり前の情だ」
「津村さんったら、自分の女になった途端に甘くなるのね。こういうのは最初にぴしっと言い聞かせておかなくちゃ、調子に乗るわよ」
 口を尖らせる朱美に津村は「わかっているさ」と苦笑する。
「文夫君はこの田代屋敷ではただ独りの男奴隷だ。一方、女奴隷は妊娠中の静子夫人や今回奴隷になった三人を加えて十人にもなるんだ」
 津村は美紀夫人に言い聞かせるように話し出す。
「その中で文夫君とコンビを組んだのはこれまで美津子と、遠山財閥令嬢の桂子の二人だけだ。これじゃあ男奴隷として働きが不足していると思われても仕方がない。だから森田組の幹部の中から文夫君をいっそホモのやくざたちの餌食にしてしまえ、なんて意見が出て来るんだ。そこでもっと文夫君の活躍の場を増やして存在感を高めてやろうと言う訳さ」
 そこまで津村が話すと、さらに追い打ちをかけるように朱美が口を開く。
「それとも、奥様は文夫に、京子よりもポルノショーのコンビを組む小夜子と肉のつながりを持たせたいというのかい? こっちはそれでも一向にかまわないんだよ」
 美紀はそんな朱美の恐ろしい言葉を振り払うように激しく首を振る。小夜子もまた「い、嫌っ。それだけは許してっ」と悲鳴をあげる。
「それなら京子と組むしかないだろう。文夫にとっちゃあ京子は恋人の姉でまんざら知らない仲でもない。京子も化け物みたいな捨太郎と組まされる珠江夫人に比べりゃあずっとましってもんだ」
 朱美はそこまで言うと、さらに声を高める。
「明後日は、妊娠してショーに出演出来ない静子夫人の穴を他の奴隷が協力して埋めてくれないと困るんだよ。あくまで意地を張るというのなら腹ボテの静子夫人を引っ張り出して、捨太郎や黒人と組ませることになるけど、それでもいいのかい」
 そこまで言った朱美は、京子の方を向く。
「京子はさすがに今さら駄々をこねることはないだろう。みんなの前で誓ったことだからね」
 そう決めつけられた京子は苦しげな表情で首を振る。
「美津ちゃん……許して。もう、どうにもならないわ」
「姉さん……」
 一度は覚悟したことだったが、恋人である文夫が自分の目の前で姉の京子と肉体の関係をもつ。あまりの残酷さに美津子は力なく項垂れるばかりだった。
「そうと決まれば善は急げだ。早速契りを結んでもらおうじゃないか」
 朱美はそう言うと義子とマリに目配せする。二人のズベ公は頷き、京子と文夫の縄尻を柱から外し、座敷中央の天井の梁に取り付けられている滑車から垂れ下がっている縄につなごうとする。
「む、村瀬の奥様や小夜子さんが見ている前でそうならなくてはならないのですか」
 うろたえる京子の逞しいばかりに張り出したヒップを義子は「何を寝言いうてるんや」と言いながらパシッと平手打ちする。
「ショーともなれば、何十人もの観客の前でそれを演じんとあかんのやで。京子も分かってるやろ」
 そう決めつけられた京子は諦めたように頭を垂れ、義子に縄尻を取られて座敷中央に引き立てられようとしたが急に「ま、待って……」と義子の手を払うように身をくねらせる。
「どうしたんや。京子。いまさら駄々をこねるなんて往生際が悪いで」
「そ、そうじゃありませんわ」
 京子は首を振る。
「朝から一度もさせてもらってない上に……さっき飲まされたビールが……」
 そこまで口にした京子はさも恥ずかしげに頬を染め、顔を俯ける。
「ふん、小便がしたいって言う訳か」
 義子がそう尋ねると、京子はこくりと頷く。
「お坊ちゃんの方はどうだい」
 マリが文夫の肉棒を引っ張りながら尋ねると文夫もまた顔を苦しげに歪め、無言で頷く。
「やってる最中に粗相をしたら大変や。どうする、朱美姐さん。トイレ休憩にするか?」
「スケジュールが立て込んでるんだ。面倒だからそのままさせてやんな」
 朱美はそう言うと意地悪い表情で小夜子、美津子、そして美紀夫人を見回す。
「ついでだから他の三人にもさせてやんな」
 その言葉を聞いた三人の女たちは悲痛な表情を朱美に向ける。
「そんな顔をしたって駄目だよ。小夜子も美津子も、それに美紀夫人もさっきからしたくってたまらないって顔をしているよ。美津子なんか腰をブルブル震わせているじゃないか」
 朱美の指摘に三人の美女は口惜しげに俯く。確かに朱美の言う通り、三人とも京子や文夫と同じくずっと用足しをさせてもらえなかった上に、先程散々飲まされたビールのせいで、尿意は限界に達していたのである。
 しかしそのことを言い出すと、それを材料に悪鬼たちからまた邪悪な責めを加えられるに違いないという恐怖から、誰もそれを口にすることが出来なかったのだ。
「しょうがないから全員一度にさせてやんな」
 朱美がわざとうんざりした声を出すと義子とマリも追従するように笑う。
「だけど全員一度にと言ってもどうやってさせるのさ。明後日にはここでショーをやるかもしれないからこの部屋は汚すとまずいよ。ビニールシートをひいてっせいに立ち小便させるのかい」
「そんな面倒なことはしていられないよ」
 朱美はそう言うと部屋を見回したり、天井の梁に目をやったりしていたが、やがて何かを思いついたように言う。
「そうだね……奴隷を二人ずつ向かい合わせにさせるんだ。組み合わせは京子と美津子、美紀夫人と小夜子がいいね」
「了解」
 義子とマリは頷くと、美紀夫人と小夜子、そして美津子の縄尻を座敷の柱から外し、部屋の中央に追い立てる。
「いったい何が始まるんだ」
 怪訝な顔で尋ねる義雄に朱美は「まあ、ゆっくり見ていてよ」と答える。
 京子と美津子、美紀と小夜子はズベ公たちに命じられるままに座敷の中央で向かい合う。
「そのままぴったりと、身体を合わせるのよ」
「な、何をさせるつもりなの」
 京子が思わず反発の声を上げるが、義子が「さっさと言われた通りにするんや」と怒声を上げて京子のヒップをパシッと叩く。
 四人の女奴隷が朱美の指示どおり身体をぴたりと合わせる。朱美は次に「大きく股を開きなさい」と命じる。