「それなら弟が陰間修業をさせられるくらいでうろたえるんじゃねえ。いや、むしろ弟に、素直に調教を受けるように説得するのが姉としての勤めってもんじゃねえのかい」
「そんな……」
 あまりに残酷な鬼源の要求に、お小夜は愕然とした表情になる。
 お小夜が逡巡している間も、文之助はお春とお夏に前後から迫られ、女のように滑らかな餅肌を吸われたり、蛇のような舌でチロチロと嘗められたりしている。
「あ、姉上っ。文之助はいったいどうすればいいのですっ」
 陰間二人から淫虐ないたぶりを受けている弟の姿を眼にしたお小夜は、思わず眼を逸らす。
「何を顔を逸らしてやがる。ちゃんと弟の方を向かねえか」
 鬼源がお小夜の頭を両手で掴んで、ねじるようにして文之助の方へ向ける。
「さ、弟に言ってやれ。自分も一生懸命女郎のお稽古をするから、素直に陰間修業に励めってな」
「あ、姉が弟に対してそのようなこと……言えるはずがありませぬ」
「そんなことでどうするんだ。仇を討てなくてもいいのかい
 鬼源はそう言ってお小夜の身体を催促するように揺さぶる。
「ああ……そ、それは……」
 切羽詰まった表情になったお小夜は、文之助に眼を向けると震える唇を開く。
「ふ、文之助……抵抗してはなりませぬ。お春さんとお夏さんに身を任せるのです」
「あ、姉上っ。な、なんと言うことを。ふ、文之助は武士の子ですっ。侍ですっ」
「わかっていますっ。文之助は立派な侍です」
 そう言ったお小夜の目尻から一筋、二筋、涙が流れ落ちる。
「侍だからこそ、大願成就のために今の屈辱に耐えるのですっ。すべては憎き父の仇、
津村清十郎を討つためですっ」
「あ、姉上……」
 敵討ちのためだと姉にたしなめられた文之助は、急に身体から力が抜けたような気持ちになる。
「あ、姉も素直にじょ、女郎の修業に励みます。で、ですから文之助もこの姉と一緒に地獄に墜ちて――そしてその地獄の底から這い上がって、清十郎を討つのですっ」
 お小夜はそこまで口にすると、感情が高ぶったのかわっと泣き出す。
「お姉さんの言うとおり、何ごとも敵討ちのためだよ」
「そうそう、何も痛いことをしようって訳じゃないんだ。気の持ちようによっちゃ、こんな良いことがあるのかって気になってくるかも知れないよ」
 お春とお夏はクスクス笑いながら文之助の身体を揉んだり、抓ったりしていたが、文之助の抵抗の意思が弱まってきたのを見ると、懐から羽根箒を取り出し、文之助の肌のあちこちをさすり出す。
「うっ……」
 おぞましい陰間に二人がかりで責め立てられる痛烈な汚辱に文之助はぐっと歯を食いしばり、白いうなじを見せて歯がみする。お春とお夏はそんな文之助の様子をさも楽しげに眺めながら、羽根箒を徐々に文之助の内腿のあたりに近づけていく。
「あ、ああっ……」
 お春とお夏の操る羽根箒が、文之助の股間に垂れ下がった睾丸や、双臀の狭間に秘められた菊蕾にまるで偶然のようにくすぐる。その瞬間、文之助はまるで電流に触れたように下半身をぶるっと震わせ、小さな悲鳴を上げる。
「おや、このお稚児さん、なかなか敏感じゃないの」
 お春とお夏は顔を見合わせて笑い合う。
「意外と陰間の素質があるかも知れないね」
 お春は片手で文之助の睾丸を持ち上げるようにすると、陰茎の付け根から中程あたりをくすぐり始める。一方、お夏は露わになった文之助の、いわゆる蟻の戸渡りを微妙な手つきでくすぐり出す。すると文之助の身悶えはますます激しくなり、それは責め手に対する抵抗を示すと言うよりは、身裡から込み上げる妖しい快感を訴えるようなものになっていく。
「おや、おチンチンが随分膨らんできたよ」
 文之助の若茎が徐々に首をもたげ始めたのを見たお春は、わざと驚いたような声を上げる。
「どれどれ、あら、本当だ」
 お夏も文之助のその部分を覗き込むようにして、ケラケラ笑い出す。
「ねえ、侍のお坊ちゃま、あんた、こんな風にされるのが意外と嫌いじゃないんじゃないの」
 お春が文之助の肉棒を片手で掴んで、からかうように揺らすと、文之助は真っ赤な顔で「ぶ、無礼者っ」と叫ぶ。
「さ、侍に対して何ということをするのだ。この下郎っ」
 文之助が突然そんな声を上げたので、お春とお夏は一瞬驚いたような顔になるが、次に同時に噴き出す。
「このお稚児さん、おチンチンが膨らんだら急に元気になったじゃないの」
 お春はそう言うと文之助の肉棒をぐっと掴んで、ぐいぐいとしごき出す。
「あ、ああっ。な、何をするっ。やめろっ」
「素っ裸でおチンチンまで丸出しにしている癖に、偉そうな口を叩くんじゃないわよ」
 お春は口元に残酷な笑みを浮かべながら、文之助を責め続ける。
「ここんところも一緒に虐めてあげるわ」
 そんなお春に呼応するかのようにお夏が文之助の双臀をぐっと断ち割る。文之助の微妙な菊花が露わになり、お夏は「まあ、可愛い」と頓狂な声を上げる。
 お夏が人差し指を唾で濡らし、文之助の菊蕾をいたぶり始めると、菊の助の身悶えはますます激しくなり、喉から迸り出る悲鳴もその高さを増していく。
 そんな風に陰間二人からいたぶられている弟の姿を見るに堪えかねて、お小夜は思わず顔を逸らすが、鬼源がそんなお小夜の背後に回り、柔らかな乳房をゆっくりと揉み上げも始める。
「あ、あっ、な、何を……」
「何をじゃねえだろう。おめえはおめえで覚えなきゃならないことがたっぷりあるんだ」
 鬼源はそう言うとお小夜の形の良い乳房をゆさゆさと揉み立てながら、白いうなじにチュッ、チュッと口吻を注ぎ込む。弟の前でそんな淫らな行為を強いられるお小夜は、嫌々と首を振りながら抵抗の意思を示していたが、鬼源の手際の良い愛撫に徐々にその身悶えは力のないものになっていく。
 一方、お春によって肉棒を扱き上げられ、お夏によって菊花を揉み立てられと、男の前後の急所を封じられた文之助は、もはやすっかり抵抗の意思を喪失し、ハア、ハアと熱っぽい吐息を吐きながら、切なげな身悶えを繰り返しているのだった。
「随分気持ち良さそうじゃないの。お坊ちゃん」
 お夏はそんなからかいの言葉を浴びせながら油の入った壺を取り出し、その中に人差し指を浸すと、文之助の微妙な穴にぐいと差し込む。
 その瞬間、文之助の腰部は電流に触れたようにブルブルッと痙攣し、お春に扱かれている肉棒はぐんと屹立の角度を増す。
「あんた、ここんところをこんな風に可愛がられるのは初めてじゃないわね」
 そうお夏に指摘された文之助の眼に脅えの色が走る。
「あら、わかるの。お夏」
「それくらいわかるわよ。何年男を相手にしていると思っているの」
 お夏はそう言うとクスクス笑いながら、文之助の菊蕾に挿入した指を、ゆっくりと抽送させ始める。
「お侍の間では衆道の関係ってのは、別に珍しいことじゃないそうよ。ましてこんな綺麗な男の子なんだもの。周りが放っておく筈がないわ」