お小夜はゆらゆらと波に揺れる海草のように、そのしなやかな裸身をうねらせ続ける。お小夜の身体に視線を注いでいる文之助の吐息は熱っぽさを帯び、瞳は潤み、股間の剛直はますますその屹立の角度を増していくのだった。
 姉弟が自分たちの思う壺にはまってきたのを感じたお春とお夏は、互いに目配せをしあうと、お小夜と文之助の背後からその柔肌をゆっくりと愛撫し始める。
「ああ、文之助。もっと見て。お小夜の身体を……」
 まるで催眠術にかけられたようにそんな誘惑的な言葉を繰り返すお小夜に、再びお春が何ごとか囁きかける。するとお小夜はそれまで示していた躊躇いはもはやすっかり放擲したかのように、こくりと頷く。
「文之助、これからこの姉が、女の身体の複雑さについて教えてあげましょう。よ、よく見るのですよ」
 お小夜はそう言うとぐっと腰を落とし、しなやかな二肢を扇のように開いていく。
 文之助はそんな姉の大胆な行為に恐れをなしたかのように眼を背けるが、すぐにお夏に頭を押さえられ、無理矢理に前を向かされる。
「駄目です.文之助。よく見るように言ったではないですか」
 お小夜は口元に微妙な笑みさえ浮かべながら、まるで挑発するかのように文之助をじっと見つめる。人が変わったようなお小夜の姿に、文之助は恐れに似た思いさえ抱き始めているのだ。
 お小夜はお春に向かってコクリと頷きかける。それを合図にしたかのようにお春はぐっとかがみ込み、お小夜の股間に両手を当て、淡い繊毛に縁取られた花唇をぐっと開いていく。
「うっ……」
 お小夜の秘められた鮭紅色の肉襞が露わになる。臓物まで弟の眼に晒す羞恥にお小夜はさすがにうっと呻くが、気力を振り絞って文之助に声をかける。
「ふ、文之助。み、見えますか。これが女の身体です。ど、どうです。ふ、複雑だとは思いませぬか」
 淫鬼が取り憑いたような姉の姿に、文之助は小刻みに身体を震わせながらも、その妖艶なまでの姿態から眼を離すことが出来なくなっているのだ。
「こ、子は、ここから生まれるのですよ。よく、良く見ておきなさい。文之助」
 お小夜と文之助の姉弟が思うつぼにはまってきたのを見て取った鬼源は、お春とお夏に新たな命令を下す。
「その小僧にお小夜の女陰《ほと》をしゃぶらせろ。眼で見るだけじゃなく、舌でも姉の身体を味合わせるんだ」

 田代屋敷の二階の奥座敷を埋めた観客たちは、その奇妙な舞台にすっかり魅せられている。観客たちは村瀬宝石店の令嬢と令息の美しくも淫らな絡み合いに声もなく見入っているのだ。
 いまだ本格的な男女の交合が演じられているわけでもなく、やたら前置きが長い見るものによってはまだるっこしいショーだと言えないこともない。
 しかしながら観客たちは、小夜子や文夫、そして京子や美津子の来歴や個性をそのまま演じるような舞台を見ることによって、それぞれの奴隷たちに対する思い入れがより深くなっていくのを感じるのだ。
 観客のうち男たちは舞台が終了してから小夜子や京子と一夜をともにするにはどうしたら良いかを考えることで頭が一杯になっている。女は女で、文夫のような美少年と一度でよいからベッドをともにしたいと渇望するようになってきているのだった。
 そんな中で町子は、周囲の観客たちの熱気に煽られながらも、幾分覚めた眼で舞台に見入っている。
「雪路や雅子にもあんな風に、芝居仕立てのショーを演じさせたら受けるんじゃないかしら」
 町子は隣の岡田にそう話しかける。
「そうだな。確かに受けるだろうが、雪路の方は眼が見えないからやれる役が限られてくるのがネックだな」
 岡田はそう言うと「それに、芝居仕立てということになると男役が必要だ」と付け加える。
「男役ねえ。女と違って、それほど難しくないような気がするけど」
「それがそうでもないんだ。あれはあれで難しい仕事だ。好きなときに出しゃ良いってもんじゃないんだからな」
 岡田はそう言って首を振る。
「それでうちの会社が作っているブルーフィルムも、男はどうしても同じような役者ばかり使わざるを得ない。そうするとなぜだか分からないが、映画が全体に薄汚いものになっちまうんだ」
「それはなんとなく分かるわ。男に品がないからでしょう」
 町子はそう言うと再び舞台に視線を移す。
「ああ、ふ、文之助。遠慮はいりませぬ。もっと、もっと強く嘗めるのです」
 文夫扮する文之助が、姉の小夜子が演じるお小夜の秘奥に顔を埋め、懸命に舌先を使っている。小夜子演じるお小夜もまた衆人環視の中で近親相姦的行為を強いられる汚辱と倒錯の快楽の狭間で、まるで自分がすっかり芝居の中のお小夜になったような錯覚に陥り、妖しく激しい身悶えを繰り返しているのだ。
「ああ、姉上、姉上」
 一途なまでに姉を呼びながらその女の源泉をしゃぶり抜いている文之助を、町子は指さす。
「あそこにいる村瀬宝石店のご令息のような、美少年の役者がいれば文句ないんだけれど」
「そうはうまくいくもんか。それこそ雪路と雅子に弟でもいりゃあ別だか、そんなものは聞いたこともないし」
 岡田はそう言って苦笑する。
「誰かいないかしら。雪路と雅子が絡むと面白そうな相手が」
 町子はそう言って考え込む。
「ふ、文之助、そ、そこは駄目ですっ」
 お小夜の屹立した陰核を、文之助はまるで母親の乳首を吸うように強く吸い上げる。その激烈な快感にお小夜は全身を瘧にかかったかのように激しく震わせながら耐えていたが、文之助がその部分を甘噛みするに至って、ついに快楽の絶頂に達する。
「ふっ、文之助っ」
 一声叫んだお小夜は縛られた裸身をガクン、ガクンと痙攣させながら「い、いきまするっ」と絶叫する。お小夜の秘奥からどっと噴出された女の潮が文之助の顔をしとどに濡らしていく。淫靡な相姦劇のクライマックスに、観客たちは声もなく見入っているのだ。

 舞台上ではお小夜と文之助に対する裏門への調教が開始されようとしている。美しい姉弟はともに形の良い尻を観客席に向け大きく両肢を開いた姿で緊縛され、足元にはそれぞれ妖しげな油の入った壺を抱えたお春とお夏が陣取っている。
「これが姉の方の穴」
 お春はそう言うとお小夜の尻たぶの肉をぐいと押し開き、隠微な蕾を露わにさせる。
 お小夜のふっくらと盛り上がったその部分は色素の沈着も少なく、まるで赤子のそれのようなたたずまいを示している。
 お春は「可愛いお尻の穴ね」とクスクス笑いながらその中央をそっと指で突く。その瞬間、お小夜の身体は電流に触れたようにブルッと震え、お春とお夏は顔を見合わせて笑い合う。
「こっちが弟の穴ね」
 お夏がお春に倣うかのように文之助の臀肉を引き裂き、秘められた穴を露出させる。