「何もかも見せたいっていうのは、今、美紀がそうしているようにマンコから尻の穴まで見せたいっていうことかい」
 津村はそう言うと美紀夫人の秘奥と菊花を順に突く。夫人はそれだけで軽いエクスタシーに達したのか、「あっ」と小さな悲鳴を上げると腰部をブルブル震わせる。
「は、はい、そうですわ」
 美紀夫人はうわずった声で答える。
「お、おマンコも、お尻の穴も、美紀の恥ずかしいところを何もかも晒したいと思っていました。そしてお客様の笑いものになることが出来ればどんなに素敵だろうって」
「美紀はなんて淫らな女なんだ。そんな淫らな女から生まれたから小夜子も、文夫君もどうしようもない変態に育ったんだね」
 津村は再び美紀夫人の花蕾を摘み、再び軽くねじり上げる。夫人は「ヒイッ」と甲高い声を上げて、下半身をガク、ガクと痙攣させる。
「マゾ女の本性を暴かれたからには何もかも素直に認めるのよ。奥様はもう今までのお上品な社長夫人じゃないのよ」
 春太郎に乳房を揉み上げられながらそう吹き込まれ、津村に花蕾をねじられ、美紀夫人は切羽詰まったように「は、はい、その通りですわっ」と叫ぶような声を上げる。
「こ、こんな淫らな女から生まれたせいで、娘の小夜子も、息子の文夫もどうしようもないマゾの変態に育ってしまいました。み、みんな母親の私の責任ですわっ」
 これまで娘や息子について侮辱的な言葉を吐かれると激しく反撥していた美紀夫人が人が変わったような迎合的な態度を示し出す。春太郎と津村は顔を見合わせ、勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「まったく、しょうがない女だな、美紀は。まるで性の奴隷になるために生まれてきた様な女だ」
 津村は嵩にかかったように美紀夫人の花蕾を責め立てる。津村の責めに翻弄されている美紀夫人は「あっ、あっ」と切れ切れな悲鳴を上げるばかりであった。
「自分がどんなにどうしようもない女なのか、よく分かっただろう。ええ、美紀」
「は、はいっ」
「いいかい、美紀はここで今までの無意味な四二年の人生に別れを告げて、性の奴隷として生まれ変わるんだ」
「性の奴隷……」
 美紀夫人の視線が頼りなく宙を彷徨う。
「こんなにたくさんの人たちの前で、おマンコやお尻の穴を晒したり、気をやったりするような淫らな女は、もう元の旦那様のところへは戻れないのはわかっているでしょう」
 春太郎が因果を含めるように夫人の耳元で囁く。
「おまけに奥様の可愛いお子様が出演した秘密写真やポルノ映画も数え切れないほど出回って、二人とも二度と日の当たるところには出られなくらせなくなっているのよ。家族三人が一緒に暮らしていくためには、三人仲良くポルノスターの道を歩むしかないでしょう」
 津村の責めに調子を合わせるように、春太郎が美紀夫人の乳房を激しく揉み上げる。夫人はヒイ、ヒイと壊れた笛のような声を上げながら、絶頂へと駆け上がっていく。
「わ、わかりましたっ。み、美紀は性の奴隷として生まれ変わりますっ」
「家族三人仲良く、ポルノスターの道を歩んでいくのね」
「は、はいっ」
「小夜子と文夫に詫びながら気をやるんだ。淫らなお母さんでごめんなさいってな」
「は、はいっ。ああっ、も、もう駄目っ」
 美紀夫人は一声、甲高い叫び声を上げると津村に命じられた言葉を口にする。
「さ、小夜子さんっ、文夫さんっ、こ、こんな淫らなお母さんでごめんなさいっ。あ、ああっ」
 いくっ、と絶息するような声を上げて美紀夫人は電流に触れたように全身を痙攣させる。同時に美紀夫人の秘奥から透明なしぶきが噴き上がり、最前列に座った熊沢組の大沼と南原組の木村の顔を濡らす。
「おっ、この女っ。潮を吹きやがった」
 美紀夫人のしぶきをまともに顔に受けた大沼が慌ててハンカチで眼を拭う。
「確かに、とんでもない好きものだぜ」
 木村がそう言うとやくざたちは声を揃えて笑い出す。
 その時、隣で大塚順子と夏次郎に責め立てられていた絹代夫人も「あなたっ、美沙江っ、許してっ」と悲鳴のような声を上げながら絶頂に達する。
 二人の美夫人の落花微塵ともいうべき凄まじい崩壊の様を見ながら、観客たちは手を叩いて笑い合っているのだった。

 美紀夫人と絹代夫人に対する責めが盛り上がったため、大幅に進行が遅れた昼の部のショーだったが、その後は桂子、美津子、美沙江の若手三名による卵割り競争、文夫と京子による熱のこもった疑似姉弟相姦実演、そして午前の部のトリとなる珠江夫人と捨太郎の迫力のある白黒ショーと順調に進み、どうにか予定された演目をこなすことが出来た。
 進行責任者を務める川田が鬼源とともに楽屋代わりの吉沢の部屋でほっと一息ついてくいたとき、扉をノックする音がした。
「誰だ」
「あたい、義子だよ」
 川田が扉を開けると義子が困惑したような顔つきで立っている。
「どうした」
「ちょっと困ったことが起こったんだけど」
「困ったこと?」
 川田は首を捻りながらも「まあ中に入れ」と義子を促す。
「ショーの内容に不満を言う客でもいるのか。みんな満足したみたいだけどな」
「そのことなんやけど、今、女連中が大塚先生の部屋に集まって騒いでいるんや」
「女連中って?」
「大塚先生に千代夫人、和枝さんに葉子さん、岡田さんの連れの町子っていう客、それに直江と友子」
「いったい何て言っているんだ」
「ショーの内容が男向けばっかりで女を軽視しているのはけしからんって」
「何だって?」
 川田は呆れたような顔つきになる。
「森田組の秘密写真やポルノ映画の客は男ばかりだ。男向けにショーをつくるのは当たり前じゃねえか」
 部屋の奥でコップ酒を飲んでいた鬼源もまた顔をしかめる。
「誰がそんなことを言っているんだ」
「誰って……みんなだよ。町子って客は初顔だから遠慮しているけど」
「てことは、直江と友子までそんなことを言ってるのか」
「あいつら、大塚先生の尻馬に乗っているや。ショーが終わったら思い切り締め上げてやらんと」
 義子もまたうんざりしたような顔つきになっている。
「まあ、一番うるさいのは和枝さんと葉子さんだけど」
「うーん」
 川田は思案げに首を傾げる。
「大塚先生と千代夫人だけなら放っておいてもいいんだが、岩崎親分のお妾二人の要望となると邪険にも出来ないな」
 どうする、鬼源さんと川田が尋ねる。鬼源はしばらくの間思案していたが、やがて立ち上がると室内電話を取り上げ、春太郎と夏次郎を呼び出すのだった。