「あっ、あっ、そ、そんなっ」
 直江に隠微な箇所をくすぐられ、狼狽した声を上げる絹代夫人に順子が「お尻に無駄毛があったら、花器としての値打ちが下がるでしょう。この際前も後ろも綺麗にしてもらいなさい」と言って、ケラケラと声を立てて笑うのだ。
 直江と友子は次に剃刀を取り上げ、絹代と美沙江の繊毛を剃り上げていく。美貌の母娘は何もかも諦めたように、二人の元女中に身を任せているのだ。
「もう少し突き出すようにして、お嬢様。それじゃ剃りにくいわ」
 友子に声をかけられた美沙江は素直に「は、はい」と頷くと、羞恥の箇所をぐっと突き出すようにする。
 絹代もまたさも恥ずかしげに頬を染めながら、直江の手にその部分を預けているのだ。
「奥様にこんなことまでさせていただくことになるとは、思ってもいませんでしたわ」
 直江がそんなからかいの言葉を絹代にかけると、絹代は「ああ……直江さん、そ、そんなことおっしゃらないで」とシクシクとすすり泣くのだった。
 直江は一通り、絹代の羞恥の丘に生い茂った繊毛を剃り上げると、岡田たちの方に目を向け、「ちょっと、見物のお客様、手を貸してくださらないかしら」と声をかける。
「いったい何をすりゃいいんだい」
 関口がニヤニヤ笑いながら進み出る。
「この奥様の片足を持ち上げて欲しいの」
「おやすいご用だ」
 関口はその場にしゃがみ込むようにすると、絹代夫人の太腿に両手をかけ、ぐっと肩の上に持ち上げる。
「あっ、あっ、な、何をするのっ」
 夫人はさすがに狼狽して悲鳴を上げるが、直江はそんな絹代夫人の当惑も意に介さず、大きく開かれた夫人の股下に、自動車の修理工のように潜り込む。
「何をするのも何も、さっき言ったでしょう。お尻の無駄毛も剃るって。こうしなけりゃ剃れないでしょう」
「ああ……そ、そんな……」
 絹代夫人はまるで犬が用を足すような姿で、双臀の狭間に秘められた菊蕾の周りの、あるやなしやの産毛まで剃られているのだ。
「ああ、お母様、み、美沙江、死ぬほど恥ずかしいわっ」
 美沙江もまた伸びやかな片肢を石田に持ち上げられ、友子によってその部分に剃刀を当てられている。
「千原流華道も、ついに湖月流にケツの毛まで抜かれることになったのね。こりゃ傑作だわ」
 順子がさも痛快そうに笑い出すのだ。
「さ、終わったわよ。奥様」
 直江は剃刀を置くと、蒸しタオルで絹代の股間を丁寧に拭き上げる。美沙江もシクシクすすり泣きながら、童女のそれに還元されたその部分を、友子によって拭われているのだ。
 絹代と美沙江は、床柱に繋がれていた縄を解かれ、二人の女中に促されて部屋の中央に進み出ると、母娘並んで観客に向かって立つ。
「最後に改めて、ここにいる皆様にご挨拶するのよ、さあ」
 順子はそう言うと、絹代と美沙江の形の良い尻をひっぱたく。絹代は涙に濡れた瞳を観客に向け、口を開く。
「み、皆様、ご覧くださいませ。千原絹代と美沙江の母娘は、このとおり童女のような身体にしていただきました」
「これからは……文字通り生まれ変わったような気持ちで、森田組のために身を粉にして働く覚悟でございます。ど、どうぞ、お引き立てのほど、よろしくお願いいたします」
 絹代が唇を震わせながらそう言うと、美沙江もまた続けて
「皆様、私たち母娘の……お、おマンコをよく見比べてくださいませ」
「千原流の家元令嬢がおマンコだって。なんてはしたない」
 順子が怪鳥のような声を上げて笑うと、岡田や関口に向かって「ね、お望み通りよく見比べてあげましょうよ」と誘うのだ。
 男たちは時造を気にして様子をうかがうが、時造がニヤニヤ笑いながら頷いているのを見ると、「それじゃ、お言葉に甘えて」と言いながら母娘の近くに寄る。
 絹代と美沙江のその部分はともに慎ましげに口を閉じ、それ自身が生き物であるかのように微かに息づくような風情を示している。
「お二人そろって見事な上付きね。母娘って、こんなところまで似るものかしら」
 順子は絹代と美沙江の、陰りを失ったその部分を覗き込むようにする。そして、二人の美女が陰裂の上端から、僅かに包皮を弾かせて珊瑚色の亀頭を覗かせているのを見つけると、「まあ、可愛い」と言ってケラケラ笑うのだ。
「奥様もお嬢様も、なんてはしたないのかしら。私、こんなものまで見せろと言った覚えはないわよ」
 そんなものは早くしまいなさい、と言って、順子が絹代の花蕾を指先で軽く弾くと、絹代のそれはますます屹立の度合いを高める。
「まあ、嫌なの。どうしてもお客様にお見せしたいというのね」
 順子は口元に淫靡な笑みを浮かべると、男たちに「さ、皆さん、遠慮なくもっと近くに寄って、二人の奥の奥まで調べてあげて」と声をかけるのだ。
 男たちは母と娘のその部分にいっせいに手を伸ばすと、花びらを軽く引っ張ったり、敏感な花蕾を指先でつついたりする。哀れな母娘はそのたびに「あっ、あっ」と小さな悲鳴を上げ、優美な裸身を悶えさせるのだ。
「それくらいでいいわ」
 順子の声に、男たちは手を止める。
「時造さんがさっきからお待ちかねみたいだから、最後に記念写真を撮っておしまいにしましょう」
 順子はそう言うと時造の方を振り向き、「さ、時造さん。お二人の間に立ってくださらない」と声をかける。
「おいおい、俺までモデルにしようっていうのかい」
「モデルじゃなくて、結婚の記念写真よ。さ、早く、お願い」
「しょうがねえな」
 時造は苦笑しながらも満更でもなさそうな様子で立ち上がると、絹代と美沙江の間に立つ。
 褌一丁に不動明王の刺青を施した赤銅色の裸身の時造の左右に、雪のような白肌の絹代と美沙江が並んだ様は、ぞくぞくするほどの被虐的な倒錯美を示しており、岡田や関口は思わず見とれるのだ。
「千原流華道の家元夫人と令嬢を左右に侍らせて、これこそ両手に花ってところね」
 順子はそう言うと、自分の言ったことが可笑しかったのか、ケラケラと声を上げて笑う。
 羞恥と恐怖にひきつったような表情の絹代と美沙江、そして一人満足げな微笑を浮かべている時造に、友子が何度もシャッターを切る。
「奥様とお嬢様、せっかくの記念写真にそんな堅い表情は良くないわ。もっと笑ってくださらない」
 順子が冷酷な微笑を浮かべながらそう言うと、直江が絹代に近寄り「ほら、大塚先生の命令を聞くんだよ。逆らうと二人そろってこの場で浣腸責めにかけるよ」と告げる。
 絹代は慌ててひきつった笑みを浮かべる。
「そっちのお嬢さんも早くしな」
 直江に尻を叩かれた美沙江も、泣き笑いのような表情を浮かべる。
「そうそう、それでいいのよ」