新 花と蛇(挿絵更新分)

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204.奴隷のお披露目(4)

「そいつはちょっと苦しい理屈だな」 「私たちのことはどうでも良いじゃない」 苦笑する関口を遮るように、町子はアルバムのページをめくり、ギリシャ彫刻を思わせる少年の裸像を指さす。 「こっちの男の子は誰なの?」 「それは誰だったかな……男にはあ...
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203.奴隷のお披露目(3)

「こりゃあ、遠山静子夫人じゃない」 岡田とともにアルバムを覗き込んでいた町子が驚きの声を上げる。 遠山財閥のオーナーである遠山隆義の妻、静子はその映画女優顔負けの美貌と、フランス留学で培った知性と教養で並の芸能人をはるかに凌ぐ有名人であり、...
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202.奴隷のお披露目(2)

「まあ、あんまり心配してもしょうがないわ。それこそ直江が目を光らしているだろうから」 「いっそ節子もポルノ映画のスターにしてしまうか」 「まさか」 苦笑した町子だったが、ふと真面目な顔になる。 「それも面白いかも知れないわね。といっても節子...
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201.奴隷のお披露目(1)

「随分大きなお屋敷ね」 車から降り立った町子は三階建ての巨大な屋敷を見上げ、驚きというよりもなかば呆れたような声を出す。 「いくら郊外とは言っても東京都内にこれだけの土地を持っていると、随分税金もかかるでしょうね」 「そりゃあ伊豆とはだいぶ...
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200.肉の狂宴(13)

山崎は驚いて美津子を見る。美津子は静かに目を閉じると「ねえ、キスして、お兄さん」と囁く。 「何をぼうっとしてるんや。女に恥をかかせる気かっ」 美津子の大胆な行為に戸惑う山崎の背中を義子が思い切り叩く。なおも山崎がためらっていると美津子は目を...
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199.肉の狂宴(12)

「明後日には岩崎親分だけじゃなくて、岩崎一家から十人以上の客人がやって来るし、熊沢組や関口一家といった以前から懇意にしているやくざたちを加えれば、軽く二十人を越える男たちがこの屋敷に集結するのよ」 「美紀夫人や絹代夫人が、京子や小夜子たちの...
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