新 花と蛇(挿絵更新分)

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230.奴隷のお披露目(30)

「いいかい、あたしが言ったように言ってみな」お春が念を押すようにそう告げると、お小夜は「ああ……そんな……」と苦しげに眉をひそめる。「大して難しい台詞じゃないわよ。お武家のお嬢さんがそれくらいのこと、どうして言えないのよ」「で、でも……血を...
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229.奴隷のお披露目(29)

長年トルコ嬢(今のソープ嬢)を勤めてきた町子は、これまで様々な客を相手にしてきた。客の中にはそれこそやくざも、犯罪歴のある男もいたかも知れない。どんな客に対しても裸で向かい合わなければならない職業柄、一種の開き直りのような態度と度胸が自然と...
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228.奴隷のお披露目(28)

「ほう、森田はんのところの役者は、どれもこれも美女、美男揃いですが、それに質では負けんとはかなりの自信でんな」岩崎はギョロリとした眼をまっすぐ岡田に向ける。「伊豆のどのあたりでっか」「下田からだいぶ山の方に入る辺鄙な場所です」「下田から山の...
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227.奴隷のお披露目(27)

「で、でも……」ためらうお小夜に、お夏が「お春、しょうがないわよ。お嬢さんはどうしても嫌みたいだから」と、諦めたように言う。「そうね。やはり予定通り女郎と陰間になってもらうしかないのかしら」お春もまたため息をつくようにそう言うと、鬼源に「鬼...
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226.奴隷のお披露目(26)

「そ、そんな……それは困りますっ」姉弟で女郎と陰間にまで身を落としながら、仇を討てないとなったらいったいどうしたらよいのか。お小夜の顔は焦りですっかり蒼白になっている。「困るのなら一生懸命励むしかねえな」「励むといっても、いったいどうしたら...
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225.奴隷のお披露目(25)

「さ、白状しなさいよ。いったい誰に可愛がられたの」お夏はそんなことを言いながら、文之助の菊蕾をいたぶり続ける。お夏の指がその隠微な穴を出たり入ったりする度に、文之助の女のように形の良い尻はブルッ、ブルッと震え続ける。「言わないとこうするわよ...
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