アーカイブ: 12月, 2017
59.新たな生贄(2)
「わかったよ。あんた、美沙江の母親だね」 絹代だけでなく久美子と美紀も、ショックを受けたように銀子を見る。 「驚くところを見ると図星のようだね。義子とマリから写真を見せられた時からどこかで見たような顔だと思っていたんだよ。美沙江の母親だったらそう思って当たり前だね」 「ち、違います。美沙江なんて人、知りませんわ」 絹代は慌てて首を振る。 「下手な芝居をしたって無駄だよ。さっきとっさに出た悲鳴に…
60.新たな生贄(3)
「やめてっ! やめてっ!」 悦子が脂汗を流しながら裸身を激しく悶えさせるが、堅く縛り上げられた身では朱美の操るライターの火を避けようもない。陰毛が焦げる独特の臭いが地下室倉庫に立ち込め、悦子の悲鳴が途切れる事なく響く。 「だいぶマンコが赤くなって来たぜ」 「しばらく使い物にならねえんじゃねえか」 三人のチンピラたちはライターの火で炙られる悦子の陰部を、さも楽しげに代わる代わる覗き込んでいる。 …
58.新たな生贄(1)
「手掛かり――そうだ、慌てていたのですっかり忘れていたわ」 (何だ?) 「こちらの屋敷に向かう時、連中が用意した車に乗り切れなくて、タクシーに分乗したの。そのタクシーのナンバーを覚えているわ。品川××の53××よ。クリーム色で車の横にチェッカー模様の横線が入っていたわ」 (そうか、久美子。よくやったぞ。すぐにその車を調べる) 受話器の向こうで山崎の歓声が響いた時、電話ボックスの背後で車が止まる気…