アーカイブ: 3月, 2018 - ページ 3

新花と蛇

80.酒の肴(2)

 しかしながらやくざとしては二流以下だった森田は、それまで田代というスポンサーの屋敷に寄生する代わりにもっぱら彼の変質趣味を満たすための材料を提供することで細々と生きて来たのであり、警察や山崎の網にかからなかったのも無理もないといえる。  一方の田代社長と呼ばれる男、社長というからにはどこかの会社の経営者なのだろうが、探偵の妹とは言え普段はただの女子大生に過ぎない久美子は、中小企業に毛が生えた程度…
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79.酒の肴(1)

「どうしたい、多少味わえるようになったのかい」 「何のこと?」 「言っただろう、緊縛感だよ」 「ば、馬鹿なことを言わないで」  久美子はおぞましさに肩をぶるっと震わせる。銀子はそんな久美子の様子を楽しげに見ていたが、やがて縄止めを終えると、久美子の背中をぱしっと叩く。 「出来たよ。それじゃ、三人とも行くわよ」  銀子が久美子に歩きだすよう促す。 「そ、その前にお手洗いに」 「社長と親分に挨拶したら…
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新花と蛇

『新 花と蛇』について(2)

 結果的はこの試みはうまくいったのではないかと思います。新しいキャラクターを入れたことで『新 花と蛇』は物語としての膨らみを見せ、330話以上の連載となりました。  ただ、ファンフィクション作品はやはりオリジナルあってのものですので、徐々にフリーサイトに移していくこととしました。今週末に77、78話を掲載しますが、週二話ペースで会員サイトの331話分をフリーサイトに移すのはあと二年半近くかかります…
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『新 花と蛇』について(1)

 本サイトに掲載しております『新 花と蛇』ですが、これは言うまでもないことですが団鬼六先生の名作『花と蛇』のファンフィクションです。  今のSM小説の基本となる骨格を作ったと言ってもよい『花と蛇』ですが、二次創作の分野ではあまり見かけません。商業では神崎京介氏の『新・花と蛇』や、奇譚クラブに連載された山光純(杉村春也氏の変名という説あり)氏の『パロディ花と蛇』くらいでしょうか。  白川も以前から『…
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78.地下室の三人(3)

 また、それは美紀や絹代がこの地獄屋敷で、小夜子や美沙江たちと無残な邂逅を果たし、その結果互いに心の傷を負うのを避けたかったためでもある。  しかしながら葉桜団の銀子は、無慈悲にも昨日までの仲間であった悦子を酸鼻な私刑にかけることで、そんな久美子の意図を完全に挫いたのだ。 「全員、裸になりな」  朱美が三人の美女に命令する。 「お願い、その前に二人をお手洗いに――」  久美子も先程からかなり切迫し…
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