第51話 露出調教(1)

「面倒臭い、このまま縛ってしまおうや、沢木さん」
「よし来た」
沢木と黒田は手際よく裕子を後ろ手に縛り上げる。裕子はしなやかな裸身を必死で悶えさせ、2人の男から逃れようとするが、不思議なほど身体に力が入らないのだ。豊かな乳房の上下にひしひしと縄が巻き付けられ、裕子はあっと言う間に緊縛される。
「股を開くんや」
黒田が裕子の内腿をパシンと平手打ちする。さすがに裕子は嫌々と首を振り、抗いを見せるが黒田に「写真をバラまかれてもええんかっ!」と怒声を浴びせられると、シクシクすすり泣きながら両腿の力を抜く。
「奥さんのは大きいからつけやすい」
沢木が裕子の秘唇を指でこじ開けるようにする。42歳という年齢が信じられないほど美麗な裕子の花園からはっきりと顔を覗かせた花蕾に、黒田は慎重な手つきで金属製のリングを嵌めていく。
「うーん……」
「なんや、奥さん。早速感じてるんか」
指先で花芯を揉み上げられ、裕子が思わず鼻を鳴らすのを見て、黒田は嘲るように笑う。
「うまくいきそうや」
黒田はニヤリと笑い、リングに取り付けられた3本の細い鎖のうち2本を裕子の腰に回し、もう1本を股間に通して、まるで褌をはかせるように固定する。
「あああっ」
敏感な箇所を締め上げられた裕子は電流が走るような感覚にガクガクと全身を震わせる。
「さ、立つんや」
黒田に豊満なヒップをパシンと平手打ちされた裕子はよろよろと立ち上がるが、たちまちその部分を中心に腰部全体が妖しい痺れ、ふらふらと腰を砕けさせる。
「もう腰を抜かしているんですか。だらしないですよ」
沢木がニヤニヤ笑いながら裕子を抱え起こす。なんとか再び立ち上がった裕子は、3人の男女からフランス製の淫具をしっかりとかけられた肉体の点検を受ける。
「傑作な姿におなりになったわね、裕子先生」
裕子の姿をしげしげと眺めた香織が、耐えられなくなったようにプッと吹き出す。
裕子の花芯は剥き上げられた包皮がリングによって固定され、ルビー色の頭部をすっかり露わにしている。リングの左右に取り付けられた2本の鎖は腰紐のように裕子の腰部を一周し、下部から伸びた1本の鎖は陰裂を割って股間を褌のように締め上げて腰部の鎖につなぎ止められている。
「傷をつけることもなさそうね……」
「小さな金属の球がつながって、真珠のネックレスみたいになっとるやろ。そやから肌にすれても傷になりにくいんで、長い時間の着けてても大丈夫やそうや」
「結構伸び縮みするのね。これなら浣腸する時も問題ないわ」
香織は裕子の股間に通された鎖に指をかけて2、3回引っ張る。鎖は特殊な材質の金属で作られているようで、ゴムのような伸縮を見せる。
「なにせフランス製や。高かったからな」
「一つしかないの?」
「え?」
香織の不意の質問に黒田は戸惑いの表情を見せる。
「今は一つしかないが、頼んだらもっと手に入れることはできるで」
「あと、そうね……。4つばかし手に入れてもらえるかしら」
「4つ? しのぶ夫人にも使うんやったらもう1つあれば足りるんと違うか」
「いいから4つお願い。それと、これの男性用はないの?」
「男用か……」
黒田は首を傾げる。
「まあ、聞いてはみるけどな」
「あれば3つ、お願いするわ」
「わかった」
鎖に締め上げられた下半身が燃えるように熱くなっている裕子は、そんな香織と黒田の会話も耳にはいらない。
「いずれにしても、この奥さんもしのぶと同じように下の毛を剃り上げた方が良いわね。その方が金の鎖が映えるわ。今晩は『かおり』で裕子の剃毛式をやりましょう」
「――それもいいけど、早く浣腸を始めましょうよ。待ちくたびれましたよ」
「わかったわ、お待たせしてごめんね。沢木さん」
香織は苛々した表情を見せている沢木を見て苦笑する。
「でも、さすがに店の中で浣腸したら後で臭いが大変だわ。沢木さんのマンションに移動しましょう」
「今からですか? この奥さんはどうします? もう縛っちゃいましたよ」
「そのまま駐車場まで連れて行くといいわ」
「ひいっ」
裕子は驚愕に目を見開く。
「私を裸のまま連れ出そうというのですかっ。そ、そんなことをして見つかったら、あなたたちもただじゃ済まないわ」
「もう夜中の2時よ。誰にも見つかりゃしないわよ」
香織は平然と言い放つと、裕子の背中をどんと押す。
「あっ」
それだけの衝撃で裕子の敏感な箇所にリングが食い込み、花芯が捻り出される。股間に激痛が走り思わずよろめいた裕子の両腕を黒田と沢木が抱え、無理矢理に扉の外へ連れ出して行く。
「い、嫌っ」
裕子は全裸のまま部屋の外に押し出され恐怖のあまり声を上げる。いかに夜中とはいえ公共の場というべきマンションの廊下で、素っ裸に縄をかけられ、股間に恥ずかしいリングを取り付けられたとんでもない姿を晒しているのだ。裕子が震え上がるのも無理はなかった。
「やめてっ、お願いっ」
「声を上げるんじゃないわよ、宵っ張りの住民が何事かと顔を出すわよ」
香織に耳元で囁かれ、裕子はあわてて口を噤む。
しかし、いつ何も知らない人間に全裸を見られるかという恐怖は変わらない。香織や黒田達に背中を押され、ヒップを抓られ、裕子は下半身をガクガク震わせながらようやくエレベーターの前に到着する。
「折角だからもう少し夜中のお散歩を楽しみましょう」
ほっと息をついた裕子に、香織はいきなりとんでもないことを言い放つ。
「エレベーターに乗る前に、廊下を往復するのよ。そうね、お尻を色っぽく振りながら歩きなさい」
「そ、そんなっ。許してっ」
「愚図愚図言うと二往復でも三往復でもノルマを増やすわよっ」
香織にパシンとヒップを叩かれ、裕子は泣きべそをかきそうになりながら目の前にしたエレベーターから引き返し、夢遊病者のように廊下を歩きだす。
「ケツの振り方が足らんでっ」
黒田にも豊満な尻を叩かれ、真夜中の廊下に奇妙な音が響く。裕子は慌てて言われた通りなよなよと腰を振りながら歩く。
(こんな、こんなことが……現実に起こるはずがないわ)
マンションの廊下で裸身に縄を打たれ、最も敏感な箇所にリングを取り付けられた上、香織や黒田たちに叱咤されながらふらふらと腰を振って歩かされる。羞恥心の限界を超えた行為を強いられる裕子の視界は次第にぼやけ、リングを嵌められた箇所から生ずる痛みは、奇妙なまでに妖しい悦楽の感覚に変化していく。
裕子はまるで昨夜見た悪夢の続きの中のように、訳の分からない言葉を呟きながら廊下を歩んで行くのだ。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました