新花と蛇

新 花と蛇(挿絵更新分)

109.母子惑乱(2)

春太郎はそう言って笑いながら、美紀夫人の両手の縄を解く。硬化させた顔を必死で懸命に背けている美紀夫人は、二人のシスターボーイによって改めて後ろ手に縛り上げられる。「足はどうすれば良い?」「そうだな……」津村はしばらく首を傾げていたが、やがて...
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108.母子惑乱(1)

美紀夫人は悪夢を見ていた。いきなり足元の地面が割れ、夫人は悲鳴を上げる暇もなく、まるで底無し沼に落ちるようにずるずると地中に引き込まれて行く。いつしか身体を覆っていた衣類もすべて失われ、素っ裸にぬるぬるした不気味な生き物が絡み付く。助けを求...
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107.悩乱する久美子(2)

「辛子責めの拷問を受けても、まだそんな口を利けるやなんて大したもんや」「こりゃあ京子以上のじゃじゃ馬かも知れないわね」義子とマリはそう言うと再び肩をすくめる。「ねえ、川田さん。この後、久美子にはなんの拷問を用意しているんだったかしら」「次は...
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106.悩乱する久美子(1)

突然、吉沢の部屋の扉がドン、ドンと叩かれる。「誰だい、こんな時に」吉沢が扉を開くと、葉桜団の義子とマリが顔を出す。「なんだ、お前たちか。何か用か?」「そんな言い方はないやろ、吉沢さん。差し入れをもって来て上げたんやないか」義子が手に持った一...
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105.悲しい再会(2)

「当たり前じゃないの。千原流華道の次期家元である美沙江を、湖月流華道の花器にするところに意義があるんじゃない」「美沙江は――美沙江はまだ19歳なんです。そんな恐ろしい目にあわされたら気が狂ってしまいます」「大袈裟ね。そんなことで人間、気が狂...
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104.悲しい再会(1)

久美子と美紀がそれぞれいつ果てるとも知れぬ地獄の中で喘いでいる頃、絹代は千原流華道の宿敵とも言うべき湖月流華道の家元、大塚順子とかつて千原家の女中であった友子と直江によって二階の菊の間に連れ込まれていた。菊の間は森田組の有力なスポンサーの一...
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