新花と蛇

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331 奈落の兄妹(3)

「なるほどね、泣き油とはよく言ったものね」 葉子は感心したようにそう言うと「ねえ、ちょっと私に変わってくれない」と銀子に声をかける。「いいですけど、自分の手まで痒くなりますよ」「かまわないわよ」 葉子はそう言うと山崎の股間の前に座り込み、右...
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330 奈落の兄妹(2)

「へえ、そうなの」「手に職をつけないと生きていけませんからね」「あなたたち、ズベ公って言っても、ずいぶん真面目なのね」 和枝が感心したようにそう言うと、朱美は「恐れ入ります」と笑う。「次はこいつだよ」 銀子は箱から赤い蝋燭を二本取り出すとマ...
新花と蛇

329 奈落の兄妹(1)

「ふうん、これは本物ね」 葉子はそう言うとニヤリと笑う。「本物って、何が?」「和枝さんの文夫に対する気持ちよ。まるで恋する少女って所ね」「からかわないでよ」 和枝は頬を染める。「それに今夜じゃなくても、まだ機会はあるし」「それはそうね。それ...
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328 地下牢の母子(3)

「ひょっとして……お店はもう危なくなっているの?」 小夜子は、自分がモデルとなったとんでもない写真が、すでに青葉学院の同窓生や友人たちに大量にばらまかれていることを知っている。その中には宝石店の客も多いだろう。村瀬宝石店の娘が、いかがわしい...
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327 地下牢の母子(2)

「お母さん……気を確かにもって。こ、こんなことで心が弱くなっていてはいけないわ」「こんなことって小夜子……お母さんは……」 文夫と肉の関係を持ってしまったのよ、とはさすがに口にすることが出来ず、美紀夫人は言葉を詰まらせる。「それがこんなこと...
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326 地下牢の母子(1)

「ま、待って。も、もう少し我慢して」 夫人は身体を弓なりにして、尖った花蕾を文夫の腰にぐっと押しつけるようにする。そして小刻みに腰を左右に動かして快楽の波を調整しながら小夜子に目を向ける。 とろりと潤んだ小夜子の視線と夫人の視線が交錯する。...
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