小説

新花と蛇

269.檻の中(1)

静子夫人は夢を見ていた。 高い空の上でふわふわと漂いながら、薄桃色の雲といつまでも戯れる。 柔らかで弾力に満ちた雲は夫人の肉体にしっとりと絡みつく。吸い込まれるように雲と一体になっていく夫人の身体の中に、陶酔めいた感覚が込み上がる。甘い官能...
新花と蛇

268.晒しもの(5)

「ところでさっきの奴隷の数だけど、悦子は数に入れないで良いの」「ああ」 銀子は「忘れていたわ」と笑う。「確かにヤキを入れるために奴隷に落としたけど、悦子じゃちょっと売り物にならないわね。他の女たちと比べると月とスッポンだわ」「悦子って誰なの...
新花と蛇

267.晒しもの(4)

銀子に強いられた絹代夫人もまたぎこちなく男を誘い始めると、良い気持ちに酔った関口や石田がふらふらと立ち上がり、夫人の方に引き寄せられる。 隣の席の岡田がそわそわと落ち着かない様子を見せ始めたので、町子は「あんたも行って来たら」 と声をかける...
新花と蛇

266.晒しもの(3)

「そ、そうおっしゃられても……」 美紀夫人は恨めしげに銀子を見る。「お客様がそうするもしないも、お客様の自由ですから」「何を言っているのよ」 銀子は美紀夫人の髪の毛を掴むと、ゴシゴシとしごき上げる。「お客様がその気にならないのなら、その気に...
新花と蛇

265.晒しもの(2)

「ところで、糸通しって何なの?」「何でも金属製の編み針のようなものを使って、凧糸を少しずつケツの穴に沈め込む遊びらしい」「まあ」 町子はさもおかしそうに笑い出す。「聞いているだけでお尻の辺りがむずむずしてきたわ」 町子の言葉に岡田や関口、そ...
小説

264.晒しもの(1)

第一部のショーが終了した後、岡田は関口や石田とともにホームバーに戻り、酒を飲んでいた。 バーの中央には美紀夫人と絹代夫人が、褌一丁のみを許された裸の姿で、まるでオブジェのように並んで立たされている。 二人の前には小さな立て札が置かれ、そこに...
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