新 花と蛇(挿絵更新分)

74.地獄巡り(12)

「ね、ねえ、お願い……そのお道具を使って珠江に……」珠江はそこまで言いかけてあまりの羞かしさに口ごもるが、勇気を振り絞ったように続ける。「珠江に気を、気をやらせて頂戴」ついにそんな科白を口にした珠江に、熊沢、大沼、そして平田といった男たちは...
新 花と蛇(挿絵更新分)

73.地獄巡り(11)

(この辛さと苦しさを悦びに変えるのよ――それが美沙江さんや絹代さんを救う道のはず)珠江はひたすらそう念じ、絹代たちが目の前にいることを必死で頭の中から払いのけようとする。その願いが叶ったのか、または珠江の懸命な努力の賜物なのか、珠江の心はい...
変身(妻物語版)

変身(21)

私と話をしたければ携帯に電話をすればすむことです。妻は私が家にいないことを知りながらあえて家の電話にかけて来たということは、私とすぐに話すのを避けたかったからでしょうか。 私は妻の希望をわざと無視して、実家の電話にかけます。病に倒れている義...
お知らせ

今週の更新

明日からの三連休、ちょっと遠くへ出かけますので今週の更新は前倒しで行いました。お楽しみください。
新 花と蛇(挿絵更新分)

72.地獄巡り(10)

実際は露見しているのだが、珠江がそう考えてくれてくれるのは久美子としては好都合である。久美子が今最も恐れていること、それは絹代が美沙江と、そして美紀が小夜子と引き合わされることである。さきほどの京子と美津子姉妹の変貌ぶりから想像すると、まだ...
新 花と蛇(挿絵更新分)

71.地獄巡り(9)

「おらっ、誰が泣けと言った。ちゃんと最後まで続けんかいっ」熊沢は怒声を上げると珠江の尻を思いきり平手打ちする。ぴしっという痛快な音が座敷に鳴り響き、珠江の白い尻の肌に熊沢の手形がくっきりと記される。先程「乱暴はあかん」と義子の尻打ちを止めた...
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