小説

ニュータウンの奴隷家族 第一部

9.淫らな企み

「あ……黒田さん」黒田の脂ぎった顔がしのぶの顔に近づいてくる。「舌を吸わせてえな、しのぶちゃん」「だ、駄目よ……私には夫が……」まるで昔の昼メロみたいな台詞だ――しのぶは黒田が近づける唇をなよなよと避けながらそう思った。「そんなこといいなが...
ニュータウンの奴隷家族 第一部

8.予兆(4)

「え、なんやて。そんな小さな声では聞こえんがな」沢木は黒田の様子をニヤニヤ笑いながら黙って見つめている。「――うん、よく聞いていてくださいね」しのぶは黒目がちの瞳を潤ませながらこころもち声を大きくして繰り返す。「……バスト86、ウェスト62...
ニュータウンの奴隷家族 第一部

7.予兆(3)

「あ、もう」しのぶはお代わりを作ろうとするが、黒田がキープしていたウィスキーはちょうど空になっていた。「なんや、もうないんかいな」黒田は顔をしかめた。「どうする、今晩はこれくらいにしとこか」「いや、次は僕がいれますよ」沢木は自分のグラスを空...
ニュータウンの奴隷家族 第一部

6.予兆(2)

週に1、2回の「かおり」通いも禁止されて所在なげにしていた達彦としのぶの間に小さなトラブルが生じたのは、しのぶが「かおり」に勤め出してから1週間がたとうとしていた頃である。「駄目……」しのぶが寝室の電気を消し、おやすみの挨拶をしてからいきな...
ニュータウンの奴隷家族 第一部

5.予兆(1)

「はっ?」しのぶは驚いて香織を見る。「もちろんただ働きなんて理不尽なことはさせないわ。きちんとこういった仕事の相場通りのお給料はお支払いします」「……」しのぶは香織の意図をはかりかねて、戸惑いの表情を浮かべる。「お宅のご主人を出入り禁止にし...
ニュータウンの奴隷家族 第一部

4.陥穽(3)

「いちいちうるさいわね。娘さんのことを聞くんじゃないわよ。これはあくまであなたとご主人に関する質問よ」香織はピシャリと戸を閉ざすような言い方をする。「ご主人と香奈ちゃんはいつまで一緒にお風呂に入っていたの」しのぶは香織の意表をつく質問に困惑...
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