「足を大きく開け」
ピシャリ!
「上体を傾けろ」
ピシャリ!
「両手で尻の肉を思い切り開け」
ピシャリ!
男は命令を下すたびに妻のお尻をスパンキングします。液晶画面に妻の尻が大写しになります。男に言われたとおり両手で思い切り尻たぶを開いているため、妻の菫色の肛門が丸見えです。
「そのままじっとしているんだ」
男はデジタルカメラを妻の尻に向け、何度もシャッターを切ります。シャッター音のたびに妻の肛門はフルフルと息づいているようです。
男はようやくデジカメをおきましたが、妻は姿勢を変えることを許されず、肛門を晒したままです。
「そのままお願いすることがあっただろう」
男にまた尻を平手打ちされ、妻は「ハイ」と頷きます。
「……あなた、今晩はあなたとの新婚初夜ですから、紀美子の処女を捧げますわ」
私は紀美子の衝撃を受けました。処女を捧げる? 一体どういうことでしょう。
「でも……前の処女は紀美子はもう失ってしまいましたから、後ろの処女を捧げます。あなた、どうか紀美子のお尻のバージンを奪ってください」
(紀美子……)
私は信じられない妻の言葉に呆然と液晶画面を見つめていました。
昨日私に抱かれたとき、妻はお尻の穴を責められて明らかに快感を訴えていましたが、私がお尻の穴を犯すと言ったときにははっきりと拒絶しました。
しかし、妻は男に対して肛門の処女をこの旅行の間で捧げると誓っていたのです。前の穴は夫と共有するのは仕方がないが、お尻は男が独占するというのです。
私は妻の裏切りを知ってから、妻が男を愛しているのは間違いないと思っていましたが、ひょっとして私への愛との間で揺れているのではと淡い期待を持っていました。15年以上の夫婦の絆はそれほど簡単には崩れないと信じたかったのです。
しかしこれではっきりしました。妻は私よりも男を選んだのです。
私の心の中に悲しい諦めとともに、妻に対する復讐心が明確な形をとって生まれてきました。
「ケツの穴を俺に犯されたいのか」
またピシャリと尻を叩かれた妻は「ハイッ」と大きな声で答えます。
「マンコを犯されるだけじゃ物足りないというのか。ほんとに紀美子は淫乱だな」
「あなたがそういえと……」
再び男のスパンキングが妻の尻に飛びます。
「あっ、ハイ、マンコを犯されるだけじゃ物足りませんわ。ケ……ケツの穴も犯してくださいっ」
妻の叫ぶような声がスピーカーから響きました。
「紀美子がそんなに頼むのなら、後でたっぷり犯してやろう。しかし、その前に腹ごなしの散歩だ。服を着ろ」
妻はうなずいて、パンティを穿こうとします。
「馬鹿野郎。俺は服を着ろといったんだ。下着を着けろとはいってない」
「えっ……でも……」
「淫乱人妻……いや、今日と明日は俺の妻なのだから、人妻はおかしいな。淫乱妻の紀美子は散歩をするときに下着なんか要らないだろう」
「はい……淫乱妻の紀美子は、散歩のときは下着は要りません。ノーパン、ノーブラがふさわしいですわ」
妻が素肌の上から黒いミニスカートとパールホワイトのシャツブラウスを着たところでビデオの場面が変わり、妻がタオルで前を隠しながら、個室についている露天風呂に入っているシーンになります。
散歩のときはビデオは持ち出さず、デジカメだけを持って出かけたのでしょう。私は妻が散歩のときにどんなことをさせられたのが気になり、いったんビデオを止めます。例の「20041204」というサブフォルダをクリックし、すでにチェックしたファイルは飛ばしてスライドショーを開始させます。
スライドショーの時間はいったん、宿までの旅程に戻ります。展望台の上で2人仲良く腕を組んでいた後は、昼食に立ち寄った蕎麦屋での妻の様子が撮られています。
妻は写真が苦手でしたが、特に食べているところを撮られるのを嫌いました。しかし妻はここでは、男の前で美味しそうに蕎麦をすすっているところまで撮らせています。その姿になぜか私は、セックスしている姿よりも生々しいものを感じました。
昼食を終えた妻が蕎麦屋の前でポーズを取っている写真もあります。
古い民家風のそれなりに凝った建物ですが、特に記念写真を撮るような場所ではありません。蕎麦屋に出入する客たちが怪訝そうな表情で妻のほうを見ているのが分かります。私は嫌な予感を覚えました。
やはり思ったとおり、次の画像は妻がシャツブラウスの前を開き、黒いブラジャーを押し下げて乳房を露出させているものでした。さすがに周囲の人に気づかれるのを恐れているようで、妻は不安げな表情を見せています。
蕎麦屋での写真は終わり、次は旅館の前で妻が佇んでいる写真です。
旅館は歴史のありそうな立派な建物で、部屋の中の様子といい、宿代は相当かかるでしょう。大きな看板には「霽月(せいげつ)館」と書かれています。
「霽月館」という旅館の名は私も聞いたことがあります。土曜の夜などは1年前から予約しないと取れない、伊東でも有名な旅館です。
宿代は2人で10万円近いでしょう。教育費のかかるこども2人を抱えた私にはとても連れて行けない高級旅館です。
次の写真は旅館の中で仲居さんの姿も写っています。妻はチェックインしているところらしく、宿帳に名前を書いているようです。
(どうしてこんなところを写すのだろう……)
宿帳に名前を書いているところを写真に撮るなど、普通はしません。不審に思っていた私ですが、次の画像が現れるとその理由がわかりました。
妻は、男の名の横に自筆で黒々と「春日紀美子」と記した宿帳をカメラのほうに向けて、にっこりと微笑んでいます。私はもう東山紀美子ではない、もはや身も心も春日健一の妻だということを高らかに宣言しているようです。
耐えがたいほどの屈辱感と敗北感に打ちひしがれている私の目に、衝撃的な画像が飛び込んできました。
それは淫蜜をたたえてキラキラと光っている、妻の性器のクローズアップでした。クリトリスが屹立し、小陰唇が充血して膨らんでいるのがはっきりと分かります。
少しずつ角度を変えたその部分の画像が続いた後、妻が肉穴をまるで財布の口を開くように、指先でオープンしている画像が現れました。妻の肉襞は白っぽい樹液ですっかり濡れており、膣口から溢れそうなほどです。
食虫植物を思わせる妻の性器、貪欲さまで感じさせるそんなものがあの可愛かった妻の身体の一部だということが信じられません。しかもそれは男に視姦されてはしたなく蜜まで流しているのです。
次に現れたのは妻の肛門のクローズアップです。妻は尻たぶを両手で開くようにして肛門を露出させ、豊満な尻をカメラに向かって突き出すようにしています。
細かい襞で縁取られた妻の肛門は形も崩れておらず、まるで菊の花を思わせます。この形ならいまだ男の肉棒による凌辱は受けていないのかもしれません。
しかしその一方、男の視線を受けて恥ずかしげに窄まっているそれは淫らというよりなにか皮肉な滑稽ささえ感じさせます。排泄器官まであからさまに晒した妻の姿がたまらなく卑猥で、哀れでした。
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