15.姉弟無残(3)

(ああ……文夫さん)
同年代、あるいは年下の不良少女に「お坊ちゃん」と揶揄的に呼ばれ、陰湿ないたぶりを受けている弟を目の前にしながらどうすることも出来ない。小夜子は懊悩に身を揉むが、そんな小夜子を宥めるように銀子が小夜子の背後から柔らかい乳房をゆっくりと揉み上げ、うなじに口づけを施す。そんな銀子に調子を合わせるように、朱美が小夜子の秘唇から花蕾のあたりを指先で微妙にくすぐる。
「ああ――」
葉桜団の首領と副首領によって、そんな淫靡ないたぶりを受けている小夜子は、いつしか弟の目の前であることも忘れ、切なげな呻き声を上げ始める。
頃は良しと見た朱美が、指で小夜子の花唇を押し拡げて大きな金の鈴を含ませる。小夜子の秘奥はまるでそれを待ち兼ねたように、生き物のような収縮力を発揮しながら金の鈴を呑み込んで行く。
「そ、そこは辛いわっ」
朱美が次に指先を使って、小さな銀の鈴を双臀の奥の隠微な箇所に押し当てると、小夜子はブルブルッと豊かな双臀を慄わせる。しかし小夜子の菊蕾はそんな言葉とは裏腹に、徐々に口を拡げ、しっかりと鈴を呑み込んでいくのだ。
「さ、色っぽく腰を振って踊るのよ」
朱美が小夜子の耳元で囁くと、形の良い尻をパシッと叩く。
鈴縄によって急所を締め上げられた小夜子は、大小の鈴を女の最も敏感な二つの箇所に深々と呑み込んだまま催眠術にかかったように、緊縛されたまま、もどかしげに腰を振り始める。
「文夫の両手を自由にしておあげ」
銀子に指示された義子とマリは、後ろ手に縛り上げた文夫の縄をいったん解く。
「暴れるんやないで。ちょっとでも反抗したら首吊りの刑や」
義子は天井の滑車から垂れているロープで輪を作ると文夫の喉にかけ、縄の端を握る。
「さ、お坊ちゃんはお姉ちゃんの裸踊りを見ながらセンズリをかくのよっ!」
マリが文夫の形の良い双臀をパシリと平手打ちをする。両手を自由にされた文夫が、すべてを諦めたように、素っ裸の姉の痴態を眺めながらゆるやかにペニスをさすり始めるのだ。
「まるでサルのセンズリや」
文夫の惨めな姿を見ながら義子が嘲笑うように言うと、葉桜団の女たちはどっと笑いこける。鈴縄で急所を締め上げられたまま、弟の目の前で素っ裸で踊らされる姉。そんな姉を強制的に眺めさせられながら、自慰を強いられる弟──。裕福な家に生まれ、何不自由なく育った姉弟のあまりにも悲惨な転落の姿を、葉桜団の不良少女たちはさも痛快そうに眺めている。
銀子や朱美たち葉桜団のズベ公たちが育った環境は、小夜子と文夫の姉弟とは比較にならない貧しいものである。彼女たちの中には先の戦争で親を失ったものも多く、それは竹田や堀川といった森田組のチンピラたちも同様である。
それだけに自分たちにはとても手の届かない世界で生まれ育った小夜子や文夫を、奴隷として思うがままに虐げることが出来ることが、彼女たちには痛快でならないのだ。
「こんな面白い見世物を私たちだけで楽しむのはもったいないわ。マリ、悦子と友子、それに直江も呼んでおいでよ」
「了解」
銀子に指示されたマリが調教室を飛び出す。やがてマリが悦子、そして美沙江のお付き女中をしていた友子と直江を連れてやってくる。
友子と直江は森田組と大塚順子による美沙江と珠江の誘拐以来、葉桜団に加入した形になっている。悦子は古くからの葉桜団のメンバーだが、最近静子夫人に対して同情的な態度を取ることが多く、銀子や朱美から目を付けられている。
友子と直江は部屋に調教室に入ってくるなり、「ひゃー」と頓狂な声を上げる。悦子は無残な姉弟の姿を目にして、一瞬眉をひそめるがすぐに平静を保つ。
「見物人は多い方がいいと思ってね」
銀子が笑うと、友子は小夜子と文夫を交互に見ながら「ごの別嬪さんとハンサムはいったい誰でっか?」と問いかける。
「四ツ谷にある村瀬ってでかい宝石店の令嬢、小夜子と弟の文夫だよ。小夜子は静子の日本舞踊の弟子、文夫はやはりこの田代屋敷に捕らわれている美津子って娘の恋人さ」
「へえっ、ここにはいったい何人奴隷がいるんでっか」
直江が驚いて質問すると、朱美が「静子、珠江、美沙江、そしてこの二人以外に美津子の姉で女探偵をしていた京子、それに遠山家の令嬢、桂子の二人だよ」
「すると合計7人――さすがは葉桜団、やることがでかいや」
友子が感心したような声を出すと、銀子が満足そうに「これだけの上等な奴隷をそろえているのは、この稼業でも森田組くらいのもんさ。葉桜団は森田組の別動隊みたいなもんだ。奴隷達をうまく仕込んで稼がせれば、いくらでも贅沢な暮らしが出来るって訳さ」と答える。
「あんたたちも珠江と美沙江の誘拐を手伝って、大塚先生から謝礼をもらったんだろうけれど、それは一時のものだよ。奴隷をうまく調教すればショーの出演や、秘密映画や写真でいくらでも金を稼ぐ金の卵になるんだ」
「なるほど」
友子と直江は小夜子と文夫の美しい裸身に見とれながら、朱美の言葉に感心したように頷いている。
「悦子もそれは わかっているだろう?」
銀子に声をかけられ悦子は「は、はい」と答える。
「以前の野良猫のような生活に戻りたくなけりゃ、馬鹿なことは考えるんじゃないよ」
「わ、わかってるよ。銀子姐さん」
「それならいいんだよ」
銀子は念を押すようにそう言うと、改めて小夜子と文夫を見る。互いに悲痛に歪んだ表情を逸らすようにしながら汚辱の行為を演じている姉弟に、銀子の叱咤が飛ぶ。
「そんなべそをかきながらの演技は気に入らないね。お互いに声を掛け合って、楽しそうにマスをかき合わないかっ」
銀子は竹の鞭を取って、小夜子と文夫の尻を一発づつ引っぱたく。ピシッ、ピシッという痛快な音が調教室に鳴り響く。
「マリ、義子、二人に演技指導をしてやりな」
「よし来た」
マリが小夜子の、義子が文夫の後ろに回ると美しい姉弟の耳元で何事か囁く。
小夜子はうなじを逸らすように「あ……そんなこと、言えませんわ」と喘ぐように言うが、マリに「言うことを聞かないと文夫とつるませるよっ」と決めつけられ、ついに屈服する。
「ふ、文夫さん……」
切羽詰まった小夜子が涙で濡れた瞳を文夫に向ける。
「姉さんの――姉さんの素っ裸を良く見てっ」
小夜子は荒い息を吐き、優美な裸身を妖しくくねらせながら口を開く。
「い、いかが? 姉さんの身体。おっぱいも、お、おマンコも魅力的でしょ。美津子さんや、桂子さんと比べてどちらが素敵? ねえ、おっしゃって」
小夜子はわざと甘えるような声で文夫に語りかける。敬愛と思慕の対象であった美しい姉の、考えられない淫らな演技に文夫の情感は高まる。文夫はそんな姉の艶技に引き込まれるように、陰茎を摩る手の動きを速める。
「そう、その調子や。お坊ちゃん。お姉ちゃんのマンコを見ながらしっかりチンチンを硬くするんや」
文夫はそんな義子の声に煽られるように自涜の動きをいっそう強めて行く。頭が痺れるような感覚に浸っている文夫の耳元に、義子がさらに卑猥な台詞を吹き込むと、文夫は操られたように口を開く。

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