100.久美子辛子責め(2)

「い、嫌よ……そんなこと……」
久美子は次々に告げられる恐ろしい責めの内容に、蒼白になった顔を力なく振るばかりである。
「糸を通し終わったら姫輪責めだ。さっき味わった豆吊り責めにもう一度かけた上で、引き伸ばしたクリトリスの根元にこの輪をはめ込んで、締め上げてやる」
川田は金属製の小さな輪を取り上げて、久美子に見せ付ける。
「これを嵌められたら、そこんところは四六時中充血しっぱなしで、男が欲しくてしょうがなくなるんだ。そうすりゃあ自分から早く処女を散らしたいって気持ちになってくる」
「実にきつい責めだが、俺たちもこんな別嬪さんをお嬢さんがあることを約束してくれたらいつでもやめてやる」
川田のその言葉に久美子は訝しげな表情になる。
「今回は俺たちが勝ちを得たが、小夜子の誘拐の時は奴のせいで危うくサツに捕まるところだった。山崎がいる限り枕を高くして眠ることが出来ないのが本音だ」
そう言うと川田は久美子に顔を寄せる。
「お嬢さんにやって欲しいのは簡単なことだ。山崎をここにおびき出すことに協力するんだ」
「何ですって……」
あまりのことに久美子は目を丸くする。
「森田組は平和主義者の集まりだからな。何も命までとるつもりはねえ。この屋敷でずっと飼い殺しにするだけのことだ。何、奴が希望するなら京子と組ませて実演ショーや秘密映画に出演させてやってもかまわない。京子も恋人と一緒にいられる方がうれしいだろうからな」
「ば、馬鹿な」
久美子は憤怒に顔を赤くする。
「そんなこと、出来るわけないでしょう」
「出来ないならいつまでも拷問を受けてもらうまでのことだ。こっちは責め手には不自由しないから、昼夜交代で責め上げてやるぜ」
吉沢はそう言うとさも楽しげに笑う。
「それじゃあ、早速最初の辛子責めだ。覚悟はいいな」
先ほどからの成り行きに明らかに戸惑いの表情を見せていた堀川が「ほ、本当にそんなことをするですかい?」と尋ねる。
「今さら何でそんなことを聞くんだ。おかしな奴だな」
「し、しかし……」
口ごもる堀川を見ながら竹田がからかうような声を上げる。
「こいつ、久美子みたいな女がタイプらしいんですよ」
「あ、兄貴、何もそんなことを……」
堀川の顔が急に赤くなる。
「なんだ、それでさっきから妙な顔をしていやがったのか」
吉沢がそう言って笑い出す。
「それならちょうどいいじゃねえか。このお嬢さんが早く降参すれば、お前たちに回ってくるのも早くなるってもんだ」
「そうだな、いっそこのお嬢さんの責めは二人がやってみるか」
川田はにやりと笑うと、竹田と堀川の方を向く。
「お前たち、まずは辛子を塗り込み易くするために、このお嬢さんの毛を全部剃るんだ」
「へ? 毛をですか」
「一々きょとんとした顔をするんじぇねえ。手間がかかる野郎だな」
吉沢が堀川の背中をどんと叩く。
「毛剃りなら任せておいて下さい、吉沢の兄貴」
竹田が嬉々とした表情で答える。
「そういえば津村さんに聞いたが、竹田は感化院に入る前に床屋に勤めていたことがあるそうだな。小夜子の毛をハート形に剃ったり、なかなか器用な真似が出来るそうじぇねえか」
川田の言葉に、竹田がニヤニヤ笑いながら頷く。
「今日はそこまでの技を披露する暇がないので気の毒だが、剃った毛は後で使い道があるから丁寧にやってくれ」
「わかりやした」
竹田が威勢よく返事をすると、「堀川、仕度をするぜ」と仲間の背中を叩く。
「か、川田さん――」
竹田と堀川が部屋に備え付けられたガスコンロに薬缶をかけ、湯を沸かし始めたのを横目で見ながら、久美子が震える声で川田に問いかける。
「なんだい、お嬢さん」
「ほ、本気でそんなことをするつもりなの」
「冗談でこんなことが出来るものか。ここの女たちはまず毛を剃られるってのが常道だ。赤ん坊みたいな姿になって身も心も生まれ変わり、女奴隷として再出発することを誓う、って訳だ」
「そんな――」
川田の残酷な言葉に久美子は気が遠くなる。
「それと、剃り取った毛と、このお嬢さんの剃り上げた後の写真を、山崎の野郎に送ってやるつもりだ。さっきお嬢さんが流し出した臭いものと一緒にな」
「な、何ですって」
川田の言葉に久美子の顔色がさっと青ざめる。
「それが嫌ならさっき言った通り、山崎をおびき出すことに協力するんだ」
「い、嫌よ。そんなこと、で、出来るはずがないでしょう」
久美子は気丈に首を振るが、その顔は恐怖に青ざめ、柔道に鍛えられた均整の取れた裸身は小刻みに震え始めている。
「意地を張っても最終的には俺たちの思う通りになるんだぜ。無駄な抵抗は止した方がいいんじぇねえか?」
吉沢が淫靡な視線を玖美子の裸身に注ぎながら念を押すが、久美子は無言のまま首を振る。
「ならしょうがねえ。予定通りの責めにかけるだけだ。竹田、堀川、準備はいいか」
「へえ、もう用意は万端ですぜ」
沸かした湯を洗面器の中に入れ、シャボンを溶いていた竹田がおどけた調子で答える。
「それじゃあ始めな」
川田の声を合図に、竹田が久美子の羞恥の丘の上に無造作に熱いタオルを置く。
「あっ、あっ、熱いっ」
「我慢しな」
竹田は次に堀川に刷毛を渡す。ためらっている堀川を剃刀を手にした竹田が急かせる。
「堀川、何を愚図愚図しているんだ。早くその女の毛にシャボンを塗らねえか」
「わ、わかった」
堀川はタオルを取り除くと、シャボンをたっぷり含んだ刷毛でこんもりと盛り上がった久美子の繊毛をさっと撫でる。久美子は堅く目を閉じて長い睫毛を震わせながら、剃毛という汚辱の責めに必死で耐えている。
「ケツの穴の回りの無駄毛も剃ってやるんだから、そっちにもたっぷりと塗るんだ」
堀川は頷くと再び刷毛にシャボンを含ませ、久美子の菊蕾の周辺をくすぐるようにする。その瞬間久美子は「ああっ」と小さな悲鳴を上げ、腰部は電流に触れたようにブルッと震える。
堀川はそんな久美子の様子に鮮烈な色気を感じたのか、ごくりと唾を飲み、目を血走らせなが久美子の股間に刷毛を這わせていく。
「よし、そんなところでいいぜ」
竹田は堀川が久美子に刷毛を撫でつけるの様子を眺めながら剃刀の刃を研いでいたが、準備は良しとばかりに堀川を押しのけるようにして久美子の前に座る。
「へへへ……お嬢さん。覚悟はいいかい」
剃刀の刃がキラリときらめくのをじっと見つめていた久美子は、竹田に向かって哀願する。
「お、お願い。そんなことをするのならいっそその剃刀で私を殺して――こ、こんな辱めを受けてまで生きていられないわ」
いつ果てるとも知れない汚辱の責めに耐え兼ねた久美子が衝動的に死を願うのを、さも楽しげに眺めていた川田がニヤリと口を歪める。
「死ぬのは勝手だが、その場合お嬢さんや山崎を信じて囮になった美紀夫人や絹代夫人はいったいどうなるのかな?」
川田のその言葉を聞いた久美子は、はっとした表情になる。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました