126.窮地に立つ久美子(6)

「そ、そんな……」
畳み掛ける田代に、久美子は言葉を詰まらせる。そんな久美子の一瞬の弱気を見て取った田代は、久美子の弾力のある乳房をぐいと掴む。
「うっ!」
敏感な箇所に痛みが走り、久美子は思わずうめき声を上げる。一方、久美子の左足の指をしゃぶりあげていた森田は攻撃対象を右足に移し、足裏を舌先でくすぐり出す。
「い、嫌っ! き、気持ちの悪いことしないでっ!」
暴力団の親分によって両足を交互に舌でなぶられる久美子は、激しい嫌悪感に身体を震わせながら叫ぶ。
しかし、森田はかまわず久美子の両足を丁寧に嘗め上げると、その舌先を細く締まった足首からふくらはぎへと、ゆっくりと移動させていく。
「ううっ……」
久美子はぐっと眉をしかめ、そのおぞましい舌の感触に耐えている。一方、久美子の乳房をやわやわと揉み上げていた田代は、指先で野苺のような乳首を摘まむとぐいと引っ張る。
「あっ……」
久美子のその部分から鋭い痛みとともに、身体が痺れるような妖しい感覚が生じる。久美子の声色に嫌悪や苦痛以外のものを敏感に感じ取った田代は、勝ち誇ったような笑みを浮かべながらその乳首をぐい、ぐいとリズミカルに引っ張る。
「く、くうっ……」
一方で森田の攻撃は着実に久美子の外堀から外壁へと迫り、本丸を目指している。その舌先は久美子の両膝に達し、その臑の辺りはピクッ、ピクッと断続的に痙攣を始めている。
「思ったとおりこのお嬢さん、マゾっ気があるようだ。こうやって乳首をきつく引っ張ってやるたびに身体が面白いほど反応する」
「そうそう」
田代の言葉にマリと義子が同時に頷く。
「昨日ケツを叩いてやった時、マンコがきゅっ、きゅっと締まったからね。マゾっ気のある証拠だよ」
「確かにこのお嬢さんは京子以上の素材、いや、ひょっとして静子夫人に迫るスターにかもしれないな」
「まさか」
田代の言葉に義子が笑う。
「それはさすがに社長の買いかぶりやないの。久美子と静子夫人とは気品も色気も全然違うで」
「鬼源さん、あんたどう思う?」
田代はそんな会話をズベ公二人と交わしながら、鬼源に問いかける。
「義子の言うことも一理ありますが、少なくとも磨き方次第で光る玉だというのは間違いないようですね」
鬼源の答えに、川田も同意するように頷く。
「しかしまあ、女の値打ちはそのお道具の出来がどうかってことに左右されますからね。味見して見ないことにはなんとも言えませんや」
「そのためにはこのお嬢さんの処女を散らさなきゃならないが、今はそれが出来ないからな。せめてマゾっ気の有無だけでも確かめさせてもらおうか」
田代はそう言いながら久美子の乳首を再びくい、くいと引っ張る。
「どうだい、お嬢さん。こんな風にされると感じるだろう」
久美子は込み上げる淫情を堪えるように、ぐっと歯を食い縛っていたが、やがて「ば、馬鹿なことを言わないでっ」と言う。
「そんなことをされて感じるはずが、あ、あるわけないじゃないっ」
「隠さなくても良い、お嬢さん。一人で身体を慰める時も案外こうやって、痛いことをしてみたんじゃねえのかい?」
「そ、そんなこと……」
していないと言いかけて久美子は思わず口ごもる。
性に興味が生じて来たころから、久美子も毎月訪れる女の生理の度にしきりに疼く身体を静めるために、人並みに自慰行為に浸ることがあった。
ある夜、いつものように自室のベッドの上で自らの身体を慰めていた久美子は、込み上げる淫情に耐え兼ねて思わず指先で乳首を強くねじ上げたことがある。
すると驚いたことに、久美子の身体の中で行き場を失って澱んでいた快感の波が、その行為によって堰を切ったように溢れ出して来たのである。
官能の奔流に流されそうになった久美子は驚き、恐れてすぐに行為を中断した。しかしその時の鮮烈な記憶は久美子の中にしっかりと刻み込まれ、その後も忌まわしい自涜行為の際にしばしば蘇り、それはやがて絶対に人には言えない久美子の悪癖になったのだ。
昨夜、マリと義子に尻を叩かれながら秘奥を責められた時も、久美子の身体には同様の鋭い感覚が走ったのである。久美子は何か自分がひたすら隠して来た弱みがよりにもよって最も憎むべき敵によって暴かれてしまったのではないかという恐怖に囚われる。
「お嬢さんみたいな女のことを何ていうか知っているかい? マゾ女っていうんだよ」
「マゾ女……?」
久美子は訝しげな表情になる。
「マゾヒストの女のことで、この屋敷の女の中では、静子夫人がその典型さ。最近は京子や小夜子、それに珠江も静子夫人に影響されたのか、随分その傾向が出て来たがね」
田代は久美子の乳房をやわやわと揉み上げながら話し続ける。
「昨日千代夫人が静子夫人のことをそんな風に呼んでいた時、お嬢さんは訳が分からないって顔をしていたが」
田代は怪訝な表情をしている久美子にニヤニヤ笑いながら話し続ける。
「わからないかい、マゾ女ってのは苛められて悦ぶ女のことさ」
田代の言葉を聞いた久美子の顔は憤怒に赤くなる。
「ばっ、馬鹿にしないでっ! 私はそんな変態なんかじゃないっ!」
久美子がそう口にした途端、久美子の太腿の内側を嘗め初めていた森田はいきなりその攻撃の矛先を転じ、亀甲縛りによってくつろげられている久美子の秘奥にしゃぶりつく。
「い、嫌っ! な、何をするのっ! 馬鹿っ!」
城門の当たりで森田の攻撃を防いで来たはずが、突然奇襲によって本丸まで攻め込まれた格好の久美子は狼狽え、必死で腰部をくねらせる。
その時、森田の攻撃に呼吸を合わせるかのように、田代が久美子の両方の乳首を摘まみ、思い切りねじ上げる。
「ヒイっ!」
乳首がねじ切られるのではないかという激しい苦痛に久美子は絶叫する。しかし一方でそんな乱暴な行為が堅く閉じていた城門を崩し、久美子は一気に中年男二人の波状攻撃に晒されることになる。
「だ、駄目っ! 駄目よっ!」
久美子は激しく狼狽しながら成熟した裸身をベッドの上で悶えさせる。しかしながら鬼源によって堅く縛り上げられた身体ではそういった抗いもまったく意味をなさない。そればかりか巧妙な鬼源の縄技が、久美子が悶え暴れることによってさらにその効果を発揮し、久美子は身体の芯まで堅く縛り上げられたような錯覚さえ感じるのだ。
一方、田代と森田の二人掛かりの攻撃はその激しさを増す。田代によってぐいぐいと引き伸ばされ、ねじ上げられる乳首と、森田によって激しく吸い上げられる花芯と時折甘噛みされる花襞の感触が、全身を痺れさせる緊縛感と一体になって、久美子を被虐の快楽の極致へと追い上げて行く。
「あっ、ああっ、うっ、ううっ! くうっ!」
久美子は田代によって両乳首を限界まで引き伸ばされながら、同時に森田によって花芯を引き抜くほどの強さで吸われ、ついに快楽の極限を極める。早熟の甘い果汁は久美子の最奥からどっとばかりに噴き出し、ベッドを濡らして行く。
やがて久美子はぶるっと大きく裸身を震わせると、がくりと顔を横に臥せる。そんな久美子の華麗なまでの敗北の姿を川田と鬼源、そして義子とマリは頼もしげに見守っているのだった。

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