第50話 めんどり夫人(2)

沢木のからかいに黒田はぎょろりとした眼を向けてにらみつける。
小椋裕子という新たな生贄が奴隷に加わったのは良いが、脇坂や赤沢ほか責め手も一気に増えたため、しのぶに執着している黒田は最近あまり機嫌が良くない。
「しのぶ、黒田さんのリクエストよ、いいわね?」
香織に命じられたしのぶは「は、はい」と返事をすると立ち上がり、ステージの方に向かう。カウンターから出てきたかおりがしのぶの裸身を締め上げた縄を解きながら、しのぶの耳元に囁く。
「縄を解いてあげるから、今日は色っぽくオナニーしながら唄うのよ」
「そっ、そんなっ!」
しのぶは香識の命令に驚き、眼を見張る。
「い、嫌ですっ。そんなことっ」
「あら、嫌なら嫌でもいいのよ」
香織は冷たく言い放つ。
「明日から『かおり』の特別ショーの出演者があんたから香奈ちゃんに交代になるだけだから……」
「な、なんてことをっ」
しのぶの顔色がさっと青ざめる。
「あれくらいの女の子の裸を見たがる男は山のようにいるのよ。純粋の日本人、それも極めつけの美少女のロリータポルノなら、あなたの熟れすぎた裸よりもはるかにお金になるはずだわ」
「や、やめてっ、お願いです」
しのぶは香識にすがりつかんばかりの勢いで懇願する。
「香奈には、香奈には手を出さないでっ」
「それじゃあいいわね? 言うとおりにするのね」
「ああ……」
悲痛な表情で目を閉じるしのぶ。もはやどうしようもないのだ。言うとおりにしないとこの女は本当に香奈を地獄に落とすことだろう。
「わ、わかりました……」
やがてしのぶはこっくりと頷く。
「それじゃ、黒田さんにおねだりするのよ」
「ああ……」
香織は涙ぐむしのぶにピンクローターを手渡す。香織がリモコンを操作し、聞き慣れたイントロが始まるとしのぶは蹌踉とした足取りでステージに向かうのだった。

「かおり」での狂宴の一夜が終わり、客が全員引き上げた後、裕子は居残りを命じられた。香織が黒田や沢木とともに、しのぶに比べて調教が遅れている裕子に対して徹夜で特訓を施すことを宣言したのである。
これは最近女奴隷への責めを控えさせられている2人に対する香織の慰労策でもある。
「まず連続3回、浣腸を施してお腹の中を空っぽにする、宿便まですっかり排泄されるから、美容効果満点よ」
「それからしのぶと同様に、お尻で殿方を受け入れられるようになるよう肛門拡張の特訓、その合間に黒田さんに思い切り犯される――どう、聞いただけでドキドキするでしょう」
しのぶに続けて凄絶なオナニーショーを演じさせられて疲労困憊した裕子は、全裸のままフロアに正座させられ、香織から苛酷な調教スケジュールを聞かされている。
「いよいよこのご立派なヒップを思い切り浣腸責めにかけられるかと思うと、嬉しくてしょうがないよ」
沢木が満面に笑みをたたえながら、俯いている裕子を見下ろす。明日は――時計ではもう今日といって良いが――土曜日であるため、勤め人の沢木も思う存分裕子の調教に専念できるのだ。
「あ、そうそう……夜明け前にはいったん調教は中断、今朝と同じようにしのぶと一緒にジョギングよ。今日は途中からトップレスで走らせてあげるわ。スリル満点で、今からあそこが濡れてくるんじゃない?」
裕子は恐怖と屈辱、そして怒りで裸身をブルブル震わせていたが、香織の侮蔑に思わず反発する。
「そ、そんなことをして何が面白いのっ」
「あら、十分面白いわよ」
香織は裕子が必死で睨みつけているのを、さも楽しげに眺めている。
「あなたみたいなお上品な奥様が、少しずつマゾの露出狂に変化していく――こんな面白い見ものが他にあるかしら」
「わ、わたしはあなたたちみたいな変態じゃないわっ」
「嘘おっしゃい」
香織はせせら笑う。
「初めてのこの店での夜、クリトリスを引っ張られながら何度も絶頂に達したのは誰なの? 公園の中で素っ裸でオナニーをして気をやったのは誰? ついさっき片手にマイクを、片手にピンクローターを持ってあそこにあてたまま、カラオケを唄いながらいったのは誰なの」
「い、いわないでっ。お願い」
裕子は思わず耳を塞ぐ。
「あなたは淫乱で露出狂のマゾ、少なくともその素質は十分よ。しのぶ以上の変態女になることは請け合うわ」
「違う、違いますっ」
「あなたの淫乱の血を受けた貴美子と里佳子も、さぞかしマゾの素質十分の変態娘なんでしょうね。母娘一緒に調教できないのが残念だわ」
「娘を侮辱するのはやめてっ!」
裕子はそう叫ぶと、顔を覆ってむせび泣く。
「まあまあ、そんなに意地悪なことばかりいってもかわいそうや。それより奥さんは早く虐めてほしいのと違うか」
先程から香織と裕子のやり取りを楽しげに見守っていた黒田は、シクシク泣いている裕子の肩先に手を置いてわざとらしい猫なで声をかける。
「ただ浣腸されるだけでは奥さんもつまらんやろ。そこで面白いものを持ってきてやったんや」
黒田はポケットから布張りの小さな箱を取り出す。蓋を開けるとキラキラ光る金属製の輪が入っている。輪にはこれも金属製と思われる細い鎖が何本か取り付けられている。
裕子はそれを見て本能的に脅えを感じたのか、裸身をブルッと震わせる。
「何よ、これ? 指輪にしては随分小さいけど」
「人に頼んでフランスのボンデージショップから輸入してもろたんや。これは指にはめるもんやないで」
黒田はニヤリと笑うと正座している裕子の股間を指さす。
「奥さんのここの、敏感なところにはめるもんや」
「ひっ」
裕子はその用途を覚ったのか、恐怖のあまり顔を引きつらせる。
「浣腸の最中だけやない。これからは一日中、ジョギングの間もつけっ放しにしてもらう。ほら、ちょっと立ってみい」
「許してっ!」
2人の男に身体を抱えられ、無理やり立たされた裕子は思わずそんな哀願の声をあげ、香織たちの嘲笑を浴びる。
「おらおら、許してなんてゆうといて、しっかり湿らせとるやないけ。このド淫乱がっ」
沢木に羽交い締めにされてバタバタと抵抗をしている裕子の股間に手をやった黒田は、そこが早くもじっとりと潤っているのを知ってあざ笑う。

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