21.激しい調教(2)

「――私たち姉弟に残されたたった一つの財産である、女と男の武器に磨きをかけ、これを生きがいにして実演スターの道を姉弟仲良く歩んでゆくつもりでございます。み、皆様どうかお力添えをお願いいたします」
「たったひとつやないやろ。ケツの穴も忘れたらあかんでっ」
義子が大声でからかうと、ズベ公たちからどっと哄笑がわき起こる。小夜子と文夫はあまりの屈辱と羞恥に、ともに頬を真っ赤に染め、裸身をブルブルと震わせる。
「そ、それでは姉と弟のおマンコとおチンチンの芸をお見せしますわ」
そう言うと小夜子は、両肢をさらに極端なまでに開く。
「文夫さん――姉さんの真似をして、男らしく堂々と足を開いて頂戴」
姉にそう促された文夫は堅く目を閉じ、少女のように長い睫毛を震わせながら、すべてを諦めたように両肢を開いていく。姉と弟の羞恥の部分があからさまに並べられる。
「姉弟そろってなかなか見事なおマンとおチンをしているやないか」
「これなら実演コンビとしてもお互い相手に不足はなしといったところね」
義子とマリが口々に野卑なからかいを浴びせるが、ひとり悦子は戸惑ったような表情を保ったまま黙り込んでいる。
「さ、小夜子のお道具は皆様にお誉め頂く『巾着』と呼ばれる名器、弟の文夫のものも年に似合わぬご覧の通りの見事な巨根でございます。こ、これから姉はおマンコで卵割り、弟はおチンポで分銅吊りを演じさせて頂きますわ――」
小夜子の卑猥な口上を合図に、美しい姉弟の珍芸が開始された。見事な双臀をうねらせて襞にくるんだ卵を割り砕こうとする小夜子。歯を食いしばりながら腰に力を入れて、その部分で分銅を吊り上げようとする文夫。美しい姉弟の酸鼻な競演に、調教室はむっとするような淫臭にわき返る。
「ふ、文夫さん、どうなの? ま、まだ吊り上げらないの? ね、姉さんはもうすぐよ」
「姉さんっ、だ、駄目だよっ。吊り上げられないっ」
亀頭にくくりつけられた錘をどうしても持ち上げることが出来ない文夫は、切羽詰まったような声を上げる。
「文夫さん、姉さんを見てっ。小夜子の裸を見るのよっ」
小夜子もまた理性をかなぐり捨てたように、そんな言葉を口にする。
「姉さんを美津子さんだと思っておチンチンを硬くするのよっ」
文夫の視界に姉の白い見事な裸体が淫らに舞い踊るのが映り、それが文夫の脳裏で恋人の美津子の新鮮な裸身と重なっていく。
「文夫さんっ、見てっ。よく見てっ」
「ああっ、姉さんっ」
美津子の裸身の幻はやがて薄れ、目の前に再び小夜子の生々しい裸が現れる。
しかし文夫にはもはやそれが血を分けた姉のものであるという意識はなかった。自分を誘惑する年上の、たまらなく魅力的な女性――それが文夫にとっての小夜子だった。
喘ぐような姉の声に煽られ、文夫の肉塊が硬さを増し、とりつけられた分銅が徐々に持ち上げられていく。見物のズベ公たちから喚声が沸き上がる。
「姉さん、あ、上がったよっ」
「ふ、文夫さんっ、良くやったわっ」
弟が自分の裸身を見ながら性感を高め、ついに肉棒で錘を吊り上げた――そんな事実に小夜子は感激さえ覚えるのだった。
「姉さんも、姉さんも割るわっ!」
ううっとうめき声を上げると柔らかい腹中から小さな音がして、小夜子は腹中に含んだ生卵を見事に割り砕く。小夜子の下腹部はヒクヒクと生き物のように蠢き、どろりとした卵黄が太腿を伝って流れ落ちるのだった。

玉割りと分銅吊りという卑猥な珍芸を演じ終えた姉と弟は、鴨居に固定された縄に身体を預けるようにしながら、ハア、ハアと苦しそうな息を吐いている。
「いいところのお嬢ちゃんとお坊ちゃんが、傑作な芸が出来るようになったじゃない」
「マンコとチンポを振りたてて、姉弟向かい合って大熱戦や」
葉桜団のマリや義子が、小夜子と文夫を指差しながら嘲笑する。
「あらあら、こんなに堅くしちゃって……糸が食い込んでなかなか外れないじゃない」
銀子が文夫の肉棒に取り付けた分銅を外しながら、クスクスと笑い出す。
「こっちのお姉ちゃんも……濡れているのは生卵のせいばかりじゃないみたいよ」
朱美も、卵で汚れた小夜子の股間を懐紙で拭いながら、楽しげに笑う。
「次の芸は……わかっているわね」
朱美が小夜子の柔らかい頬をつつきながら促す。
「わかっておりますわ……」
小夜子は恥ずかしげに顔を伏せていたが、やがて思い切ったように顔を上げる。
「つ……次に、姉弟揃って、び、瓶吊り芸をお見せいたしますわ」
そういうと小夜子は再び顔を真っ赤に染め、俯かせる。
「瓶吊り芸って、どうやって演じるのかしら。義子、知ってる?」
「さあ……聞いたことないなあ。そのお嬢ちゃんとお坊ちゃんに教えてもろうやないか」
再びマリと義子がサクラになって、小夜子を野次る。小夜子は頬を真っ赤に染めてもじもじしていたが、マリと義子にせきたてられてその卑猥な芸の説明を始める。
「ふ、二人で歌をうたいながらビ、ビール瓶をぶら下げて、振り回すのです」
「そんなもの、ただ瓶を振り回しても面白くもおかしくもないじゃないの」
小夜子がズベ公たちに迫られ言い淀んでいると、文夫が姉を擁護するように口を開く。
「ビール瓶を、僕のオチンチンでぶらさげて、振り回しながら踊るんです。あ、姉の方は……」
文夫はそこで姉の裸身にちらと視線を走らせる。
「ク、クリトリスに瓶を繋いで、振り回します。ああ……」
そこまで言って、文夫は自分たちのあまりの惨めさが胸に込み上げてきたのか、くぐもった嗚咽の声を上げる。小夜子もそれにつられるようにシクシクとすすり泣きを始める。
「珍芸を演じている最中にめそめそ泣くんじゃないよっ」
朱美は声を荒げると、青竹を手にして文夫の形の良い尻をピシャリと打つ。
「姉の方も、実演スターの先輩らしく、しっかり弟を言い聞かせないかっ。自分まで泣いていちゃ駄目じゃないかっ」
朱美は次に小夜子の太腿をピシャリと青竹で打つ。
「うっ……」
鋭い痛みに小夜子は呻き声を上げたが、やがて顔を上げ、文夫に濡れた瞳を向ける。
「ふ、文夫さんっ。ごめんなさいっ。姉さんも、もうめそめそしないわっ。だから、文夫さんも泣かないでっ」
小夜子はそう言うと文夫に裸身を向け、両腿をぐいとばかりに大胆に割る。文夫は突然の姉の行為に驚き、脅えたように顔を背ける。
「文夫さん、ま、また姉さんの裸を見て、オチンチンを堅くするのよ。そうでないとビール瓶を吊り上げることが出来ないわ」
小夜子は実の弟を誘惑するかのように、わざと甘い声を上げながら裸身を妖しくくねらせる。
「お願い、朱美お姉さま……」
小夜子が潤んだ瞳を朱美に向けると、朱美はすっかり心得たように小夜子の後ろに回り、豊かな乳房をゆっくりと揉み始める。
「銀子お姉さまも……」
銀子も頷くと小夜子の隣に腰を沈め、手にもった羽箒で小夜子の内腿を撫で上げる。
「ああ……文夫さん。姉さん……また感じてきちゃった」

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