82.酒の肴(4)

 絹代の羞恥の丘はいかにも楚々とした風情の繊細な秘毛に覆われ、美紀のその部分は艶やかな濡れ羽色で、むっとするような女らしさを醸し出している。
そして久美子の若草はしっかりと生い茂り、見るものに野性味さえ感じさせる。そんな三者三様の女の秘丘だが、いずれも羞恥と屈辱、そして切迫した尿意のせいかフルフルと小刻みに震えているところが滑稽なまでに哀れっぽい。
女の羞恥の部分も露わにした人文字型という言語に絶する屈辱的な姿を卑劣な男女の前に晒している三人の美女は、ともに唇を噛み締めながら見も凍るような汚辱に堪えている。銀子と朱美はそんな三人の前にこれ見よがしに、三つの洗面器を並べて行く。
自らの両肢の間、やや前方におかれた洗面器を目にした久美子は、はっとした表情になる。
「もうわかるでしょう? 三人そろってその洗面器に向かっておしっこをするのよ」
「な、何ですって?」
銀子の言葉に衝撃を受けた久美子は悲痛な表情を向ける。
「聞こえなかった? 男の子みたいに立ち小便してみなさい、って言ったのよ」
「そ、そんな馬鹿なこと、で、出来るわけないでしょう」
「出来なきゃ出来ないでしょうがないわね。このまま放っておくだけよ。いずれにしても千原流の奥様はもう我慢出来ないみたいだけど」
銀子はさも楽しげにそう言うと声を上げることも出来ずに震えている絹代に目を向ける。
「三人呼吸がそろわなければ連帯責任で罰を受けてもらうっていうのはどう」
順子がそう言うと、ズベ公たちはいっせいに「賛成!」と声をあげる。
「銀子さん、何がいいかしら」
「そうね、昨日みたいに土手焼きにしてやるのはどうかしら」
「それだけじゃあ面白くないわ。悦子みたいにケツの穴までこんがり焼いてあげるのはどう?」
銀子と朱美はそんな残酷な言葉をかけあって、キャッ、キャッと笑い合う。「土手焼き」という言葉に昨夜の恐怖を思い出した美紀が「嫌よ、嫌よ……」と弱々しく首を振る。
「面倒だわ。これ以上逆らうのなら三人ともその土手焼きっていうお仕置きにかけて上げて」
順子の声に銀子と朱美は「わかったわ」と頷き、ポケットからライターを取り出し、火を点ける。火力を最大にしてライターから高々と燃え上がった炎が美紀と絹代の股間に近づけられる。美紀は普段の気丈さもどこへ行ったのやら「い、嫌あっ!」と幼児のような悲鳴を上げて激しく身悶えする。
「や、やめてっ! やめなさいっ!」
久美子が必死の形相で二人を制止する。すかさず順子が「どうするの、やるの、やらないの? はっきりすなさい」と畳み掛ける。
「や、やるわ……」
切羽詰まった久美子はそう言って頷く。それを聞いた千代、葉子、和枝はいっせいに喚声をあげる。
「絹代さん、美紀さん、いいですわね。いっしょに恥をかいて下さい」
久美子は他の二人の覚悟を確かめるかのように頷きかける。絹代はもはやこれ以上こらえる余裕もなく、がくがくと首を上下に振る。美紀も頬を羞恥に染めたままこくりと頷く。
(今は死んだ気になってこの屈辱に耐えるしかない。必ず兄が助けに来てくれる)
久美子はそれだけを心の支えに汚辱に耐えている。
「そんな格好じゃあ洗面器から外れちゃうわよ。もっと腰を前に突き出すようにしなさい、絹代奥様」
順子がそう嘲るように言うと、絹代はこくりと頷いて震える恥丘を突き出す。そんな様子がおかしかったのか、千代たちの笑い声が再び高まる。
「村瀬宝石店の奥様も、そのご立派なオマンコをもっと突き出すのよ」
銀子が美紀の尻を青竹でパシッと叩くと、美紀はうっと苦しげに呻きながらも言われた通りの姿勢を取る。朱美も銀子を真似るように「何をもじもじしているんだよっ。お前も景気よく突き出さないかっ」と久美子の尻を打つと、久美子は堅く目を閉じ、言われるままに恥丘を突き出す。
「一、二、三でいっせいに始めるのよ、いいわね」
順子はそう言うと絹代の背後に立ち、銀子から受け取った青竹を振り上げる。同様に銀子は美紀の、朱美は久美子の背後で青竹を振り上げる。
「一、二、三、始めっ!」
三人の美女の尻が同時にパシッと痛快な音を立てた瞬間、絹代の股間から銀色の水流が迸る。少し遅れて美紀が激しい音を立てて放水を開始する。
「あっ、あっ!」
「嫌っ!」
絹代と美紀は脳髄が痺れるような汚辱に声を上げて泣く。二人の美夫人が競うように立位放尿の展開を開始すると、ホームバーに集った悪鬼たちは声を上げて笑い、野次を浴びせるのだった。
「ホホホッ! 何てことかしら。千原流稼動の家元夫人と村瀬宝石店の社長夫人が揃って立ち小便なんて」
「こんな楽しい見世物、いくらお金を積んだって見られるもんじゃないわ」
千代と順子、そして葉子と和枝が下品な笑い声を上げ、絹代と美紀をからかう。そんな嘲りの声を耳にした二人の美夫人は一層高く声を上げて泣くのだった。
「久美子はどうして始めないのよ。二人を笑いものにして平気なのっ」
両隣の絹代と美紀が汚辱の行為を展開する中、一人裸身を震わせている久美子の尻を朱美が苛立たしげに青竹で打つ。久美子は「うっ」と苦痛の呻き声を上げるがその部分の筋肉が麻痺してしまったかのように、どう頑張っても放尿できない。
(ああ、どうしてなの……出ない……出ないわ)
素っ裸で立ち小便という想像を絶する汚辱を強いられているせいか、その部分に十人以上の淫らな視線を浴びているせいか、久美子の腰部はまるで凍りついたように感覚を失っているのだ。
尿意はあるのだがギリギリのところで高まりを止めている。すでに絹代と美紀が汚辱の海に飛び込んでいる以上、自分一人がしない訳にはいかないのだが、どうしても身体が言うことを聞かない。
「早くするのよ。ぐずぐずしていると二人が終わっちゃうじゃないかっ」
朱美はパシッ、パシッと久美子の逞しいまでに張り出したヒップを叩き続ける。久美子はまるでその部分に命を懸けたように気張るのだが、焦れば焦るほど尿意はどこかへ消えて行くのだ。
「ああっ、駄目っ。出ない……出ないわっ」
我を忘れて羞恥の丘を突き出し、腰をうねらせている久美子がそんな風にうろたえたような涙声を上げ始めたので、野卑な男女はどっと笑いこける。
一方、ともに激しい放水を展開していた二人の美夫人だったが、その水流は次第に弱まり、最後にはしたたりとなって絹代のしなやかな内腿と、美紀のむっちりとした内腿を濡らしていく。
ようやく放尿を終えた絹代と美紀は羞恥に赤く染まった顔を項垂れさせ、シクシクとすすり泣いている。一方の久美子はついに悪魔たちの要求する行為を演じることが出来なかったことで悔し泣きをしている。
絹代と美紀の尿は、開かれた両肢の間やや前方に置かれた洗面器に多少は溜まっているが、大部分は的を外れて足元の床をびっしょりと濡らしている。そんな惨めな敗残の姿を晒している絹代と美紀に、悪鬼たちは嵩にかかって野次やからかいの声を浴びせている。

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