「あっ、ああっ」
「ううっ……」
 美紀夫人と文夫は、全裸の姿で向かい合わせにされたまま、責め上げられている。
 春太郎は芋茎紐を巻きつけた筒具で夫人の秘奥を、夏次郎は小巻きと呼ばれる裏門専用の淫具で菊門を責め立てる。
 一方、和枝もまた春太郎から渡された小巻きで文夫の菊門を、葉子は肉棒を、そして町子が玉袋を粘っこく責め立てている。
「ああっ、あはあっ……」
 前門から込み上げる激しい官能と、後門から湧き上がる妖しいまでの快感が一体となって、夫人を快楽の頂上へと確実に押し上げていく。
(だ、駄目っ。息子の前で恥を晒すなんて)
 夫人は歯をぐっと食い縛りながら快感に耐える。なんとか文夫の前で快楽に敗れる姿だけは見せたくない──そう必死で願う美紀夫人だったが、成熟した夫人の肉体はシスターボーイ二人の、女の壺を心得た巧みな責めによりどろどろに溶かされ、羞辱の高みへと押し上げられていくのだ。
 文夫の方も同様であった。三人の女による巧妙ないたぶり、そして嫌でも目に入ってくる美紀夫人の妖しい身悶えと快楽の喘ぎ声が、文夫の官能を否応なく高めていき、限界まで硬直した肉棒はドクドクと脈を打ち、崩壊寸前にまで追い込まれていたのである。
「すっかり気分を出しているじゃない、奥様」
「息子の前でこんなに垂れ流すなんて、恥ずかしいとは思わないの」
 春太郎と夏次郎はそんないたぶりの言葉を投げつけながら、夫人を前後から責め立てる。夫人の蜜壺は生き物のように収縮して春太郎が突き立てる張り型を包み込み、菊門もまた断続的な緊縮をを示して夏次郎の送り出す小巻きを食い締める。
「あ、ああっ、もうっ……」
 もうこれ以上我慢できないという限界まで追い込まれた美紀夫人は、まさに絶息しそうな声を上げる。その瞬間、春太郎と夏次郎は互いに目配せを交わすと、矛先をさっと同時に引く。
「あ……」
 快楽の頂上寸前で投げ出された美紀夫人は、思わずそんな声を上げる。
「何よ、奥様。最後までいけずに不満なの」
 春太郎が意地悪く問いかけると、夫人は「い、いえ」と首をふる。
「……そんなことはありません」
「嘘おっしゃい」
 春太郎はニヤニヤ笑いながら問い詰める。
「顔に書いているわよ。最後までいきたかったって」
 美紀夫人ははっとして思わず顔を背ける。そんな夫人の反応を見た二人のシスターボーイは、ゲラゲラ声を上げて笑い合うのだった。
 文夫を責め立てていた和枝たち女三人も、春太郎たちと歩調を合わせるように責めの手を休め、屹立したままの文夫の肉棒を指先で弾いたり、睾丸をつついたりして笑い合っている。
「今にも気をやりそうな、良いお顔をしているじゃない、奥様。いつもベッドの中でご主人に、そんなお顔を見せているの」
 春太郎からそんなことを問われた美紀夫人は、嫌々をするように首を振る。
「もったいぶらないで聞かせなさいよ。夫婦でやることはやっているのと聞いているのよ」
「子供の前でそんなこと……言わせないでください」
「何を格好付けているのよ」
 春太郎はいきなり美紀夫人の頬をパシッと平手打ちする。
「あっ」
 美紀夫人は痛みと言うより、驚いた表情を春太郎に向ける。
「この屋敷の奴隷たちは親子だとか姉妹だとかいった、人間らしい感情とはとっとと決別してもらわなくちゃならないのよ。あんたたちはここじゃ、動物以下の存在よ。子供の前だからどうしたなんて言い訳は許さないわ」
 そう決めつけられた美紀夫人はがくりとうなだれる。
「さ、いいなさい。ご主人との夫婦生活はどんな感じなの」
「最近は……ほとんどありません」
 夫人が蚊が鳴くような声でそう答えると、春太郎はわざとらしく「あら、そうなの」と驚いたような声を出す。
「こんなに魅力的な奥様なのにおかしな話ね」
「ひょっとしてインポなのかしら。だったらお可哀相だわ」
 春太郎と夏次郎はそんなことを言い合う。
「主人ももう、若くありませんから」
 美紀夫人がまるで弁解するようにそんなことを言ったので、二人のシスターボーイはぷっと噴き出す。
「それじゃ、若い頃はお盛んだったってことね」
「そうじゃなきゃ、二人も子供は作れないわよ」
 春太郎と夏次郎がそう言って笑い合うと、美紀夫人は赤らめた顔を伏せるのだ。
「それにしても若くないって、ご主人はおいくつなの?」
「今年で五〇です」
「五〇ならまだまだ現役じゃない。ねえ、お夏」
 春太郎がそう夏次郎に問いかけると、夏次郎は「そうね、確か時造親分がそれくらいじゃないかしら」と答える。
「ご主人、浮気しているんじゃないの」
「そ、そんなこと」
 美紀夫人は激しく首を振る。
「必死に否定しちゃって、よほどご主人のことを愛しているのね。可愛いわ。奥様」
「そうね、でも、そんなに夫婦仲が良いところを見せつけられちゃ、こっちもつい、意地悪したくなっちゃうわ」
「お夏ったら、悪い性格ね。でもそれは私も同感よ」
 春太郎と夏次郎はそんなことを言い合いながら持ち場を交代すると、夏次郎が夫人の前門を、春太郎が後門を責め始める。
「ご主人に愛されているつもりになるのよ」
 夏次郎は手にした張形を浅く操作しながら夫人に命じる。
「え……」
「何度も同じことを言わせるんじゃないわよ。ご主人に愛されているつもりになって、こんな風に言うのよ。あなた、素敵よ。愛しているわってね」
「そ、そんなこと……息子の前で……」
 ためらう夫人に夏次郎は「何を今更格好付けているのよ。息子の前でさんざんよがり泣きをしておいて」と言って、夫人の太股をパシッと叩く。
「素直に言うことを聞くのよ。さもないと次のショーで、文夫と絡ませるわよ」
 春太郎が夫人の狭隘な菊蕾をこじあけるようにしながら、そんな脅しの言葉を吐く。
「難しく考えることはないのよ。息子に性教育をしてあげるつもりになればいいでしょう。夫婦生活の素晴らしさを、文夫さんにしっかり教えて上げなさい」
 春太郎がそう言うと、
「さ、言うの、言わないの。どっち」
「い、言いますわ……ですから、そんな恐ろしいことは……」
 美紀夫人は覚悟を決めると、口を開く。
「あ、あなた……素敵よ。愛しているわ」
「声が小さいわよ。もっとはっきり言いなさい」
 春太郎が叱咤すると、夫人は声を高める。
「あなた、素敵よ、愛しているわっ」