春太郎と夏次郎の二人がかりで責め立てられている美紀夫人は、次第に自分がどうなっているのか分からなくなってきている。頭の中に断続的に火花のようなものが跳び、快楽の波はその勢いを増し、わずかながら残っていた美紀夫人の理性を、遙か彼方へと押し流していくのだ。
夫人はもはや自分の肉体が血を分けた息子の視線に晒されていることすら忘れて、絶え間なく甘い吐息を吐き、春太郎が繰り出す責め具を受け入れた秘奥からは羞恥ずかしいせせらぎの音を立て続けるのだった。
「口を吸ってあげるわ、奥様」
春太郎がいったん責め具を夏次郎に預け、美紀夫人にそう声をかけると、夫人はもはやためらいも見せずに首を捻らせ、春太郎の唇に自らの唇を押しつける。
「うっ、うう……」
春太郎が送り込む唾液を、美紀夫人はすでに嫌悪を感じることも忘れ、喉を鳴らして飲み干していく。
「お春ばっかりずるいわ、こっちもお願い」
次に夏次郎にせがまれた夫人は、うっとりとした顔を向けてその濡れた絹のような舌先を吸わせるのだった。
「文夫さん、愛するお母様のあんな悩ましい姿を見た感想はいかが。はっきり聞かせて欲しいわ」
葉子と持ち場を交換した和枝は文夫の鉄のように硬化した肉棒をやわやわと揉み立てながら尋ねる。文夫が母親のそんな姿から目を背けようとすると、葉子が手にした責め具で文夫の菊門を深々と抉り、甲高い悲鳴を上げさせるのだ。
美紀夫人との糸を引き合うような粘っこい接吻を終えた夏次郎は、再び夫人の双臀に向かう。
「だいぶほぐれてきたから、そろそろ中巻きに替えましょうね」
夏次郎は夫人に呑み込ませた淫具を引き上げると、一回り大きい道具に持ち替え、ほころび始めた美紀夫人のその部分に押し当てる。
「い、嫌っ」
淫具のおぞましい感触を知覚した美紀夫人は、反射的にその逞しいばかりに張り出した双臀を揺さぶる。
「あらあら、奥様。どうしたの、大きなお尻をお振りになって」
夏次郎はケラケラ笑いながら夫人の尻をぴしゃりと平手打ちする。
「そうよ、お尻の穴を掘られるくらいでうろたえるなんて、ご大家の奥様らしくないわ。もっと堂々としなさい」
春太郎もまた夏次郎と調子を合わせ、そう言いながら肉付きの良い夫人の太腿をぴしゃぴしゃと叩くのだった。
「だ、だって、どうしてこんなことをしなければならないのですのっ。私にはこんなことをされる理由が分かりませんっ」
夫人はそう言うと、わっと声を上げて泣き出すのだった。
「あらあら、さっきまで今にもいきそうなよがり声を上げていたのに、いったいどうしちゃったのかしら」
「まるで赤ちゃんが急にぐずりだしたみたい。だいぶ気持ちが不安定になっているようね」
春太郎と夏次郎はそんなことを言い合いながら顔を見合わせる。
「奥様、ここの女奴隷たちにとって、お尻を鍛えるのは、お約束になっているのよ。誰も拒絶することは出来ないわ」
「そうそう」
春太郎の言葉に夏次郎が頷く。
「静子夫人や京子はもちろん、奥様の娘の小夜子さんだってお尻の穴を膨らませる調教を受けて、今ではそこを使って殿方とセックスできるようになっているのよ」
「ああ……小夜子っ……」
美紀夫人の号泣が一層高まる。
「なんて……なんて可哀相な目に……ああ、どうしたらいいのっ」
子供のように泣きじゃくる美紀夫人に、春太郎と夏次郎は処置なしといった風に首をすくめる。
「こんなに興奮しているんじゃ、調教にならないわね」
夏次郎がうんざりしたようにそういうと、春太郎も「息子の前で気をやらされそうになって、頭に来ちゃったのかしら」と首をひねる。
「何をしているの。どんどん責めなさいよ」
文夫の菊孔を責め立てている葉子が、苛々したような声を上げる。
「そう言われても……」
春太郎と夏次郎は顔を見合わせる。
「あんたたちもやっぱり男ね。美人にちょっと甘えられると鼻の下を伸ばしちゃって」
「そうそう、それでプロの調教師なんて胸を張っていえるの。とんだ看板倒れだわ」
葉子と和枝が煽るように言うと、春太郎と夏次郎は
「ちょっと、それはいくらなんでも言い過ぎじゃないかしら」
「そうよ、岩崎親分の良い人だからって、言って良いことと悪いことがあるわ」
と口を尖らせる。
「そう言うなら、一人前の調教師らしいところを見せなさいよ」
再び葉子に挑発された春太郎は「分かったわ」と頷く。
「お夏、あそこまで言われたら男として後には引けないわ」
「そのとおりよ、お春」
春太郎と夏次郎が互いに胸を反らすようにしながらそんなことを言い合うのを、町子は興味深げに眺めている。
「こんな調教棒はまだるっこしいわ」
春太郎は手にした責め具を投げ捨てる。
「こうなったら一気にやっつけるわよ。お夏、あなたは前から攻めなさい。あたしは後ろから攻めるわ。一戦したら持ち場を交代するわよ。いいわね」
「いいわ、京子の時と同じ要領ね」
夏次郎はニヤリと淫靡な笑みを浮かべながら美紀夫人を見つめると、身につけたシャツを脱ぎ出す。
いったい何をされるのか──二人のシスターボーイがそろって衣類を脱ぎ捨てていくのを視界の隅で見ながら、美紀夫人は恐怖のあまり、涙を流すことも忘れて、豊満な裸身をがたがた震わせる。
「それじゃ、いくわよ。奥様」
素っ裸になった春太郎が美紀夫人の背後に立ち、両肩に手をかける。
春太郎の股間の肉塊は、シスターボーイのそれとは思えないほど逞しくそそり立っている。夫人は強ばった顔を春太郎に向けながら「な、何をなさるつもりなの……」と唇を震わせる。
「大したことじゃないわ。お夏と二人がかりで奥様に女として最高の感激を味あわせてあげようというのよ」
春太郎はそう言うと、硬化した肉棒の先端を、美紀夫人の菊門に押し当てる。
「いっ、嫌っ」
美紀夫人は豊満な双臀を振って春太郎の矛先を逸らそうとするが、春太郎は馬鹿力を発揮して夫人の裸身をぐっと抱え込み、肉槍をぐっと突き出す。
「ああっ」
春太郎の肉槍によってその部分を貫かれた美紀夫人は、魂切るような声を上げる。
「ほらほら、逃げちゃ駄目よ。しっかりと腰を突き出しなさい」
春太郎の矛先を避けようとする美紀夫人の腰部をがっちりと抱え込みながら、春太郎は柄まで通れとばかり肉柱を突き出す。
「うっ、ううっ」
断末魔を思わせる夫人の悲鳴。ついに春太郎は美貌の人妻の隠微な肉穴を征服するのだった。
「さ、お夏の番よ」
春太郎に声をかけられた夏次郎は、素っ裸のまま夫人の前に仁王立ちになる。そして
「覚悟は良いかしら、奥様」
と冷酷そうな笑みを浮かべるのだった。
310 母と息子(5)

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