10.淫らな企み(2)

「しかし、お誂え向きとはこのことや。ちょうど良い加減につぶれてくれたもんや」
「まったく、あんまり無防備なんで拍子抜けしましたよ」
香織の運転する車の後部座席に、眠っているしのぶをはさむように黒田と沢木が座っている。しのぶは黒田の膝に頬を埋めるようにして、静かな寝息をたてているのだ。
その夜、いつものように黒田と沢木のボックスについたしのぶは、2人からすすめられるままにグラスを重ね、あっけなく酔い潰れてしまったのだ。
あまり酒に強くないしのぶでも、正体をなくすほどの量ではなかったのだが、これは沢木がしのぶにわからないようグラスに即効性の睡眠薬を盛ったせいでもあった。
「おお……」
「どうしたんですか、黒田さん。変な声を出さないでくださいよ」
「いや、しのぶ夫人のほっぺたがわいのあそこにあたってな、なんやもう勃ってきてしもた」
黒田の声に運転席の香織がクスクスと笑い出す。
「バイアグラを飲み過ぎたんじゃない」
「阿呆な、まだまだあんな薬に頼らんでもええ。しのぶ夫人なら余裕で3発、いや、4発は大丈夫や……おお!」
「またですか」
「いや、今度は鼻の先があたるんや。ああ、たまらんわ」
「もう、いい加減にしてくださいよ、あ、ママ、その先左です」
香織がハンドルを切ると、タイルの外壁の中層マンションが見えてきた。
「沢木はんもなかなか洒落たところに住んどるやないか。さすがは独身貴族やな」
「その言葉は死語ですよ、黒田さん。あ、そこが来客用の駐車スペースです」
香織がマンションの駐車場に車を滑り入れると、黒田と沢木が後部ドアを開けて降り立ち、しのぶを抱えるように降ろす。
「どっこいしょ」
「静かにしてくださいよ、誰かに見られるとやっかいだ」
「わいはどうも、かけ声がないと力が入らんたちでな」
黒田と沢木は両方からしのぶの肩を抱え、オートロックのドアを開けて中に入る。香織があたりを素早く見回して2人に続いた。
「気を失っている女というのは意外と重いもんやな」
黒田はエレベータの中でまだ眠りから醒めないしのぶを楽しそうに見ながら、空いた片方の手でしのぶの胸に触れる。
「おお、たまらんなぁ、この感触」
「駄目よ、黒田さん。目を覚ましたらどうするの」
「つきましたよ」
エレベータが最上階に着き、扉が開く。沢木は扉から首を突き出すようにすると、左右を見回し「OKです」と声をかける。
意識を失ったしのぶを抱えた2人の男は、極力音を忍ばせながら沢木の部屋に向かう。さすがの黒田も軽口をやめ、真剣な表情になる。幸い沢木の部屋はエレベーターからさほど遠くなく、誰にも見咎められることなく扉の前に到着した一行は、沢木が鍵を開けると素早く中に滑り込む。
「いったんベッドに寝かせましょう」
沢木と黒田はしのぶを寝室に運び込み、着衣のままベッドの上に乗せ上げる。ベッドの四隅には黒っぽい革製の枷具が鎖で固定されている。
「準備は万端やな」
まるでSMホテルにあるような異様なベッドを見た黒田が北叟笑む。
沢木が棚からデジタルカメラを取り出しチェックしていると、黒田がしのぶのスカートをたくしあげ、足を抱えてM字開脚のポーズを取らせる。
「もう、何をやっているんですか。黒田さん」
「へへ、しのぶ夫人パンチラの図や……裸よりもこういう写真の方が興奮する事もあるんやで」
「目を覚まさせないようにしてくださいよ、今起きられたらやっかいだ」
沢木は手早くデジタルカメラを点検すると、銀塩フィルム用の一眼レフも取り出してフィルムを装填する。
「デジカメだけじゃあかんのか」
「後々のことを考えると、普通のカメラも使っておく方がいいんですよ。デジタルじゃ簡単に細工がききますからね」
そんなやりとりをしている黒田と沢木の前に、香織が缶ビール3本とチーズを持って現れる。
「勝手に冷蔵庫を開けたわよ」
「どうぞ、どうぞ」
カメラのセッティングに熱心な沢木を後回しにして、香織は黒田に缶ビールを渡すと、プルトップを開けて缶の端を軽くぶつけ合う。
「前祝いね」
「ああ、しかし今回は長かった。いくら獲物が良いからとはいえ、途中で何度か我慢出来んようになったわ」
黒田が小声でぼやくと、缶ビールをぐいと飲む。
「緊張したせいか、喉が渇くわ」
「黒田さんでも緊張することがあるんですね」
沢木はパンティを丸出しにしたあられもない姿を曝しているしのぶの姿を数枚デジカメで収めると、ベッドに近寄り、しのぶの肩に手をかける。
「黒田さん、手伝ってください。身体をひっくり返すんです」
「よし来た」
黒田と沢木はしのぶの身体をうつ伏せにして、軽く膝を立てさせる。するとしのぶの豊満な臀部が浮き上がるように強調させることになる。
沢木はしのぶのスカートをめくると、ストッキングとパンティをまとめてひきおろす。しのぶの、ゆで卵を思わせる白い尻が丸出しになる。
「しのぶ夫人ケツ丸出しの図やな」
黒田が下品に歯を剥き出してそういうと、沢木もニヤリと笑ってそんなしのぶの痴態を再びデジカメに収めていく。うつ伏せの不自然な姿勢のまま染みひとつない滑らかな双臀に幾度もフラッシュを浴びているしのぶは、うう、と苦しそうな声を出す。
「少し眠りが浅くなって来たみたい。急ぎましょう」
香織の声に頷いた2人の男は、手際よくしのぶの上半身と下半身に分かれ、スーツの上下を脱がし出す。
沢木と黒田は人妻らしい品の良いベージュの下着も脱がせ、素っ裸になったしのぶを仰向けにすると、両手両足をアルファベットのX字型に広げさせて革製の枷具で固定する。
ようやくそこまでの作業を終えた沢木と黒田は、安堵のため息をつく。
「これでもうじたばたもがいても無駄や。しのぶ夫人は完全に蜘蛛の巣にかかった蝶というわけや」
黒田はニヤリと笑って缶ビールに口をつける。沢木も一仕事終えたとばかりに缶ビールを開ける。
「しかし見事なもんや。2人の中学生の子供がいるとは信じられん。どうみても20代後半の肉体や」
「これで37歳なんですから、確かに驚きですね」
黒田と沢木は改めてしのぶの裸身をしげしげと見つめる。しのぶの裸は2人とも、黒田が隠し録りしたビデオで見たことがあるが、実際に見るのは初めてである。
全体に人妻らしいふくよかな肉付きが見られるが、それがかえって魅力になっている。仰向けになった乳房は若々しい弾力を保っており、腰周りの肉の豊かさはむっとするような色気を発散している。
「たまらんなあ、この色っぽさは」
黒田が涎を垂らさんばかりの表情でうめき声を上げた。

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