第132話 砂の城(6)

「小椋貴美子……け、ケツバット……お願いします」
「何回だ?」
「5、5回では……」
「そんなものでは少なすぎるだろう」
飯島は笑いながら答えると貴美子の顔に顔を近づける。
「うん? お前」
飯島は残忍そうな目をすっと細める。
「さっきからどうも妙に顔が赤いと思っていたが、二日酔いか?」
「い、いえ……」
貴美子はあわてて顔をそらせる。
「昨日の『かおり』では飲んでいなかったはずだから、あれから酒を飲んだのか?」
貴美子はぐっと黙り込む。
「おい、貴美子。お前、未成年だったよな」
「は、はい……」
「それなのに酒を飲んで良いのか?」
飯島はぐいと貴美子の胸倉をつかむ。
「野球部のマネージャーが未成年の癖に酒を飲んだなんて事が知れたら、一体どうなると思っているんだ。チームは対外試合出場停止になりかねないぞ」
「す、すみません……」
その自分に無理やりワインを飲ませたのはA工業高校の教師、長岡敦子と酒田順子なのである。しかし、それを貴美子は口にする訳にはいかなかった。
「ケツバットは何回にする?」
「じゅ、10回……」
「20回だ」
「そんな……お尻が壊れてしまいます」
「こんな立派なケツが簡単に壊れるものか」
飯島は貴美子の裸の尻をそろりと撫で上げる。
「まあ、今日一日の勤務があるから、今は10回にしておいてやろう。どうだ、嬉しいだろう」
「う、嬉しいです……」
貴美子は口惜しさをぐっと堪えながら答える。
「今日は確か、午後の勤務はお前の母親と一緒だったな」
「は、はい……」
「残りの10回は母親と一緒に受けてもらう」
「ああ……」
貴美子は絶望に目を閉じる。
「よし、それじゃあ始めるぞ」
飯島が合図をするように貴美子の尻をピシャリと平手打ちすると、貴美子は「は、はいっ!」と叫ぶように答える。
やがて尻肉を木製バットで叩く異様な音と貴美子の悲鳴が早朝のA工業高校野球部部室に響き渡る。ちょうど10回繰り返された後、「け、ケツバット、有り難うございましたっ!」という若い女の涙混じりの絶叫が続いた。

東中の体育教師でサッカー部顧問の村松栄は、小塚美樹と同様の趣味をもつ性倒錯者である。違いは美樹が少女をその性的興味の対象としているのに対して、ホモセクシュアルの村松は少年を対象としていることである。
教師の中にはこのように少年、少女に対して偏執的な興味を抱くものが極めて多いのが現状である。いや、むしろ彼らは自らの性的欲求を満たすために教師という職を選んでいるというのが正しい。美樹や村松はその典型である。
村松は以前から女と見まがう美少年の加藤健一に邪悪な興味を抱いていた。健一が小椋里佳子とともに美樹の罠にはまって性奴隷の境遇に落ちたことを、同僚の国語教師である桑田から聞かされた村松は、自らの欲求を押さえることが出来なくなった。
矢も盾もたまらなくなった村松は東中で里佳子や健一たちの奴隷を管理している美樹に対して懇願する。
「村松先生がホモだということは薄々感じていたわ。健一は私が見ても奇麗だし、抱きたいと思うのも無理はないわね」
「頼むよ、小塚先生。なんとかしてくれないか」
「そうねえ……」
美樹はわざとらしく考え込む。
「いいわよ、だけど東中の中では私の言うことを聞いてくれるわね?」
「ああ、もちろんだ」
村松は喜色を露わにして頷く。
(あとで誠一に謝っとかないと……)
これで桑田と村松がこちらの手に落ちた。あと数名、核となる教師を押さえれば、東中は私にとって天国同然になる。R学園での二の轍は踏まないわ――美樹は口元を引き締める。
音楽の中島、あれは私と同じ、美少女好みのレズだわ。歴史の羽田と物理の成田の二人は明らかにロリコン。そして教頭の小早川、あいつは自他共に認める小椋裕子の大ファン。今夜の処女喪失ショーには誰を呼ぼうかしら。桑田と村松は決まり。あとは羽田と成田かな。中島と小早川には時間をかけた方が良いかしら――。

「あっ、ああっ」
昼休みに美樹から体育用具室に呼び出された健一は、ズボンとパンツを脱がされた下半身素っ裸の姿で背後から村松に抱きかかえられ、若い肉茎を揉み上げられていた。
「ふふっ、どうだ……もうこんなにチンチンを堅くして……可愛いやつだ」
「い、嫌……村松先生、や、やめてください」
「そんなことをいいながら、ホモの愛され方をすっかり心得ているじゃないか」
村松は片手で健一のペニスを揉み立てながら、もう一方の手でコリコリした肛門をまさぐる。
「あ、あっ! そ、そこはっ」
「ほう、またチンチンが堅くなったぞ。加藤。ここが随分感じるようだな」
村松はそんな風に健一を言葉で嬲りながら、長年の夢が叶った感激を噛み締めている。
「おい、加藤。お前、こっちはまだ処女なのか?」
「え、ええっ?」
「ケツの穴でチンポを受け入れた経験があるのか、と聞いているんだ」
村松はそう言うと、健一の肛門をさらに荒々しく揉み上げ、露わな姿の美少年に悲鳴を上げさせる。
「あ、あっ、い、痛いっ……」
「優しくしてほしければ答えるんだ。処女なのか、処女じゃないのかっ」
「しょ、処女ではありませんっ!」
健一が苦しさのあまりそんなことを口走ったので村松は思わず吹き出すが、すぐに熱い嫉妬が込み上げ、折り曲げた指先を健一の肛門に差し入れる。
「あ、あっ、せ、先生っ、そんなっ、駄目っ」
母親譲りの美少年の狼狽する様子が可憐な少女のようで、村松の胸はぐっと熱くなる。
「誰に処女を捧げたんだ、言ってみろ」
「あ、は、はいっ。え、荏原誠一さんというカメラマンの方ですっ」
「荏原? 誰だ、そいつは」
「こ、小塚先生の友人ですっ」
「そうか……」

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