「人が集まって来たせいか、随分狭苦しくなって来たな。このままじゃ撮影がやりにくいかも知れん。これなら最初から大広間に連れ込んだ方が良かったな」
 田代が森田にそう言うが、森田は「大丈夫でしょう。これくらい観客がいた方がかえって盛り上がりますよ」と答えるのだ。
「観客が一気に増えたせいか、奥様たちがすっかり興奮しちゃっているわ。このまま浣腸責めにかけるよりも、少し落ち着かせるため一度気をやらせたらどうかしら」
「そりゃあいいや」
 千代の提案に川田や吉沢が同意する。
「そうだな。そうすれば三人のご婦人も、どうにでもして下さいって気分になるだろう」
 森田が頷くと部屋を埋めたやくざや葉桜団のズベ公たちがどっと喚声をあげる。
「絹代奥様はぜひ私たちに料理させてよ」
 千原家の女中だった友子と直江が手を上げる。
「久美子は私たちにやらせて。私たちを騙した償いをたっぷりさせてやるわ」
 義子とマリが負けじと進み出る。
「それじゃあ小夜子の母親の担当は私たちだね。小夜子は見事な巾着だったけど、そのお道具が母親譲りだったのかどうか、じっくりと調べてあげたいのよ」
 銀子と朱美がそろって冷酷な笑みを浮かべながら声を上げる。
「どうします? 社長」
 森田が田代の方を窺うと、田代は「面白いじゃないか」と満足げに笑う。
「それじゃあ三組で競争だ。一番先に気をやらせた組には私から賞金を出そう」
 田代がそう言うと、葉桜団のズベ公たちは「やった!」と喚声をあげる。
 久美子、美紀、そして絹代が横たえられているベッドには羽帚、コールドクリーム、張り型、そしてバイブレーターといった淫靡な器具が並べられて行く。悪魔たちが自分たちに何をしようとしているのかを悟った久美子は、森田の方に悲痛な表情を向ける。
「やめて、やめて下さい。お願いです」
 そんな風に懇願する久美子に、義子とマリが嘲笑を浴びせる。
「今さら哀れっぽい声を出しても遅いわ」
「柔道の名人らしく堂々と気をやるといいのよ」
 義子とマリはそんなことを言いながら、羽帚を取り上げ、久美子の身体のあちこちをくすぐり始める。
「あっ、ああっ……」
 敏感なうなじや脇腹をくすぐられる久美子は断続的な悲鳴をあげながらベッドの上で裸身を悶えさせる。
「あっ、こら、義子。抜け駆けはずるいよ」
「朱美姐さん。久美子は他の二人と違って処女やから、多少のハンデは付けさせてもらうで」
 義子は朱美の制止の声も聞かずに久美子を責め続ける。
「義子の言うことももっともだ。久美子には特にこの森田組特製のクリームを使うことを許可しようじゃないか」
 森田がそう笑いながら言うと、「せせらぎ」と書かれた瓶に入った怪しげなクリームを義子に手渡す。
「そういうことならこっちも負けてられないよ」
 銀子と朱美は頷き合うと羽帚を手に取り、美紀の身体をくすぐり出す。同時に友子と直江もかつての女主人である絹代の肌を嬲り始める。
「あ、ああっ!」
「く、くすぐったいっ!」
 美紀と絹代は泣き声とも笑い声ともつかぬ悲鳴を上げながら、ベッドの上でのたうちまわる。三人の美女が羽帚によるくすぐり責めで競い合うように声を上げ、艶やかな裸身をくねらせ始めたので、ホームバーの男女はいっせいに哄笑する。
「友子、直江、一番先に家元夫人に気をやらせたら、私からも賞金を出すわよ」
 三組の中では女責めの経験が最も浅い友子と直江を励ますように大塚順子が声をかける。それを聞いた友子と直江は奮起したように激しく絹代の身体を責め始める。
「ああっ、と、友子さん、直江さんっ。ば、馬鹿なことはしないでっ。もう、もうくすぐるのはやめてっ!」
 絹代は甲高い悲鳴を上げながらベッドの上で優美な裸身をのたうたせる。反対側のベッドでは美紀が「ひゃ、ひゃあっ!」と奇声を上げている。
 そして真ん中のベッドでは「い、嫌っ。苦しい、苦しいわっ!」と久美子が呼吸困難になりそうな苦痛にのたうちまわっているのだ。
 ホームバーのやくざやチンピラたちはそんな三人の美女の苦悶の姿を眺めながら、誰が一番先に気をやるか賭けを始めている。
「俺は何といっても美紀夫人だな。あの敏感な小夜子の母親だ。娘譲りで感受性も豊かに決まっているぜ」
「母親譲りってのは聞いたことがあるが、母親の方が娘譲りってのは聞いたことはないぜ。俺は久美子に賭ける。いくら処女だろうが、あの薬を使われちゃあイチコロだぜ」
「それじゃあ俺は絹代だ。あの手の細身の女は感じやすいって相場が決まってるんだ」
「たいして女に縁もない癖に何を利いた風な口を叩きやがる」
 やくざたちはそんな風にわいわい騒ぎながら、バーのカウンターに並べられた三人の名が記された白い紙の上に金を積んでいく。呆れたことに和枝や葉子、そして千代までがそんなふざけた賭けに参加し、熱くなっているのだ。
 マリが久美子の上半身に回り、その豊かな乳房をゆっくりと揉み上げている。一方、義子は久美子の大きく開かれた股を覗き込むようにしながら、マリと呼吸を合わせて攻撃を開始しようとしているのだ。
「お、お願いです。恥をかかせるのならせめて私だけにして。美紀さんと絹代さんは許してあげて下さい」
 久美子は隣のベッドの美紀を責め立てている銀子に哀願するが、銀子はすげなく「そうはいかないわよ。奴隷は連帯責任だっていったでしょう」と首を振る。
「処女膜を傷付けるわけにはいかんから、こっちの穴を重点的に責めてやるよ」
 義子は淫靡な笑みを浮かべると「せせらぎ」と名付けられたクリームを指先にたっぷり取り、久美子の菊花に塗り付ける。
「あっ! い、嫌っ!」
 思いもよらない場所を攻撃された久美子は狼狽え、甲高い悲鳴を上げる。
「あら、久美子ったら、お尻の穴が感じるのね。お堅い女子大生だと思っていたけど、案外隅に置けないじゃない」
 マリはそんなことを言いながら久美子の乳房を揉み、うなじや肩先にチュッ、チュッと口吻を注ぎ込んでいるのだ。
 けだものっ、という声を上げて抵抗しようとした久美子だったが、二人の不良少女は普段からこういった同性愛的行為によほど慣れているのか、久美子の身体のあちこちを丹念に探っては急所を確実に見つけだし、そこを執拗に責め立ててくるのだ。
 義子は久美子の菊花の襞の数を確かめるような丹念さで、媚薬入りのクリームを塗り込んで行く。それにつれて久美子は、最初感じた激しい嫌悪感は次第に薄れその部分から下半身がじんと痺れるような感覚に陥っていく。久美子のその部分が徐々に糯のような粘っこさを示していくのを認めた義子は、人差し指を久美子の菊蕾に突き立て、ぐいと押し入れていく。
「あ、ああっ! な、何をっ」
 体内に悪魔の薬を塗り込むように肛門に挿入されてる義子の指は次第に深く久美子の直腸を抉る。
 義子にアヌスを責められながら腰部を震わせている久美子の耳の後ろあたりに、マリは巧みな接吻を注ぎ込む。
(あ、ああっ、そ、そこは!)
 久美子の身体は電流に触れたようにブルッと震える。マリは「久美子の性感帯、また一つ発見」とにやりと笑い、その部分を集中的に責め立てる。