23.激しい調教(4)

 田代屋敷の庭、竹藪の中にある土蔵は鬼源の指示によって改造を施され、秘密ショーの会場となっている。その土蔵の舞台の上では遠山桂子、野島美津子、千原美沙江の三人が緊縛された裸身を立位で並べらていた。
桂子は21歳、美津子は18歳、そして美沙江は19歳である。31歳の折原珠江と26歳の遠山静子が年長組、23歳の京子と22歳の小夜子が中堅とすると桂子以下の3人はいわば森田組の美しい女奴隷の若手組といってよい。
「すっかり待たせてごめんね。奴隷が多くなりすぎて調教の手が足らないんだよ」
葉桜団の義子とマリが笑いながら土蔵に入ってくると、それまでじっと項垂れていた三人の美女たちは、はっと顔を上げる。
「しかし壮観や。森田組所属ポルノスターのフレッシュトリオが勢揃い、ってところやな」
手に大きな鞄を提げた義子が三人の裸身を比較するように眺めながら嘲笑する。
桂子の弾力のあるピチピチした若鮎のような裸身、美津子の未だ幼さが残る清純な裸身、美沙江の細い線で囲まれた優雅な裸身、いずれも若々しい魅力と新鮮な色気に満ちている。
流行の衣服を身に纏って街を歩けば、3人とも若い男の熱い視線と同世代の女の嫉妬の眼差しを集めるに違いない容姿の持ち主だが、今は彼女たちの美貌も、優美な裸身も、ただこの地獄のような田代屋敷の悪人、悪女たちを楽しませるだけにだけ存在するといって良い。
いや、そればかりではない。彼女たちをモデルにした卑猥な秘密写真や8ミリ映画は、森田組やその友好関係にある熊沢組他の暴力団の手によって、アンダーグラウンドの世界で大量にばらまかれているのだ。
遠山財閥の令嬢であった桂子、名門の夕霧女子高の生徒であった美津子、千原流華道の家元であった美沙江。いずれも輝かしい経歴を持った3人の美女はその肉体を蹂躪されただけでなく、社会的な地位も、そして未来への無限の可能性までも奪われてしまったのだ。
「桂子、あんたと文夫のからみの映画はえらい評判やそうや」
義子の言葉に桂子は思わず頬を薄赤く染め、恥ずかしげに眼を伏せる。
同時に美津子も悲しげに目を背ける。美津子は恋人であった村瀬文夫と組まされたコンビを強引に解消させられ、新たに桂子と文夫のコンビが誕生したのだ。
美津子の胸中には悲しみと同時に激しい嫉妬の感情がある。すべての希望が失われたこの田代屋敷の生活で、美津子のたった一つの安らぎが恋人の文夫とともに過ごす時間だったのである。
文夫と一緒ならどこまでもこの地獄を耐えていける。そんな美津子にとっての唯一の生きる張りさえが悪鬼たちによって奪われたのである。
「美津子と京子のレズの秘密写真も大変な売れ行きよ」
マリがガムをクチャクチャ噛みながら美津子の顎に手をかけ、追い打ちをかけるように言う。
「美津子も、文夫のことはいい加減に忘れてもらわないと困るわ。あんたの新しい恋人は京子なのよ」
マリの言葉に美津子は口惜しげに唇をかむ。
桂子に文夫を奪われた美津子だが、再び文夫をその手に取り戻すことを諦めていない。文夫こそ美津子にとって唯一の生きる希望なのだ。
しかし、血を分けた姉妹で変質的な関係に落とされた自分のことを、文夫と再会した時にどう言い訳をしたら良いのか。
「美沙江と珠江奥様のレズ写真もなかなか評判がええみたいや」
義子の声に今度は美沙江が羞恥に表情を歪める。千原流華道の後援会長であり、姉のように慕っていた美しい珠江と強制された屈辱と羞恥の行為、あの時の写真がすでに世の中にばらまかれている。もうこれで自分は二度と陽のあたる場所を歩くことは出来ないだろう。
「ところで、今回奴隷の間でちょっとした人事異動があったから、連絡しておくわ」
マリがポケットから一枚の紙を取り出す。
「えーと、なになに……まず、遠山桂子」
「名前を呼ばれたらハイと返事をせんかい!」
義子は青竹を手に取ると、桂子の丸い尻をパシッと叩く、
「は、ハイっ!」
桂子は反射的に姿勢を正す。
「村瀬文夫とのコンビは解消、今後は千原美沙江とレズビアンのコンビを組むものとする」
「え、えっ?」
桂子は驚いて目を見開く。同時に美津子の顔色もさっと変わる。
「何がえ、えっ、や。奴隷らしく『わかりましたっ』と返事をせんかっ!」
再び桂子の尻に青竹が炸裂する。桂子は「わかりましたっ!」と叫ぶように返事をする。
「次に、千原美沙江、折原珠江とのコンビは一時中断、遠山桂子とコンビを組むこととする」
引きつった表情を見せている美沙江を義子が「返事はっ!」と怒鳴りつける。美沙江は青ざめた顔のまま「わかりました……」と答える。
「それぞれ、男や女とからむのは随分慣れてきたけど、実演スターというのはそれだけじゃ駄目や」
義子が得意げに胸を反らせながらいった。
「そうそう、セックスくらい誰だってできるわ」
「静子夫人みたいにお道具を使って色んな芸が出来るようにならんと一人前とはいえん。特に美津子や美沙江はまだまだ修行が足らん」
義子の言葉にマリが思わず噴き出す。
「大変な修行もあったもんね」
義子は鞄の中から奇妙な器具を取り出すと、3人の美女に突きつけた。
「これは見たことがあるやろう。膣圧計といってあそこの緊める力を測定するもんや。これを3人で使って競争する。一番成績の悪いもんにはきついお仕置きや」
義子はマリとともにその奇妙な器具を桂子たちに順に取り付けて行く。
「あっ、あっ……」
森田組の奴隷の中で最も古株である桂子は、奴隷と弾力のある乳房をマリに揉まれると、すぐに鼻を鳴らしながら喘ぎ出す。
「こんな風に可愛く悶える様子を見てると、桂子が以前は葉桜団の団長やったなんて信じられんくらいや」
義子は皮肉っぽく笑うと、桂子の身体の中に膣圧計を装填していく。
「ああ……義子さん。そんな昔のことはもう言わないで。桂子はもう森田組の忠実な奴隷なのです」
「なかなかええ心掛けや」
器具を取り付けた義子は、桂子の太腿をパシンと叩くと、次に美津子に向かう。美津子は覚悟を決めたように目を閉じ、マリと義子の玩弄を受け始める。
桂子がいよいよ器具を取り付けようと美津子の内腿に手をかけると、美津子はむずがるように腰を振る。
「よ、義子さん……」
「なんや、おとなしく膣圧計を呑み込まんかいな」
「教えてください。文夫さんは、文夫さんは今どうしているんですか」
「ああ、文夫か」
義子は美津子の形の良い乳房を揉み上げているマリと目を合わせる。
「やっぱり恋人のことは気になるのね」
マリはさも楽しげにくすくす笑う。

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