「何も自分の父親とつるませようという訳じゃないのよ。さっさと始めなさい」
史織に催促されて里佳子と香奈はよろよろと立ち上がる。
「それぞれ隣の男のチンポに、花嫁の誓いのキスをするのよ」
里佳子は香奈に(どうにもならないわ、諦めましょう)とでも言うように頷きかけると、ベールをそっとかき上げ、隣に立つ男――加藤達彦の充血した亀頭に接吻する。
(この男の人は……)
香奈はそんな里佳子の行為を不安そうに見ている。里佳子が愛撫を始めた男の身体に香奈は見覚えがあるのだ。
「何を愚図愚図しているの。香奈も始めなさい」
史織に再び促され、香奈もベールを片手でかきあげると隣の男のペニスに唇を当てる。
何かとんでもない、取り返しもつかないようなことをさせられているのではないか。そんな予感が香奈の胸の中に込み上げてくる。
(ひょっとして……加藤さんのご主人?)
裕子はあまりの恐怖に膝がガクガク震え出すのを抑えることができない。里佳子がその肉棒に口唇による奉仕を強制されている男――それは加藤しのぶの夫、加藤達彦ではないのか。
しのぶとは親友の間柄――もはやその関係は過去形になりつつあるが――であった裕子は達彦とも面識があるし、何度か会話を交わしたこともある。準大手の損害保険会社の課長という達彦は端正な容貌と、その社会的地位に相応した如才なさを身につけた一見好感の持てる男だった。
しかし裕子がしのぶとの会話の中で、二人の馴れ初めがしのぶが中学1年の時、大学に入ったばかりの達彦が家庭教師をしたことがきっかけであると聞いた時、軽い違和感を覚えたのだ。
その違和感はまた別の機会で、中学1年の香奈がいまだに父親の達彦と風呂に入っていると聞いた時にさらに大きくなった。
しのぶが香織たちの陥穽に落ち、ひいては彼女を救おうとした裕子がまさにミイラ取りがミイラになる羽目になったことのきっかけは、酔った達彦が香織の娘の史織に対して行った淫らな悪戯だという。裕子はしのぶからそれを聞いた時、それも香織の仕組んだ罠だと考えていたのだが――。
裕子は舞台の上で並んで立たされているしのぶをちらと眺める。しのぶの顔は恐ろしいほど青ざめ、その視線は道夫にぎこちない愛撫を注いでいる香奈と、里佳子から口唇による奉仕を受けている達彦と思われる男の間をせわしなく動いている。
(間違いないわ――あれは加藤さんのご主人)
それで香織が、舞台上に自分としのぶを立たせている理由が分かる。香織は自分としのぶに、それぞれの愛する娘が無残に処女を散らす場面を見せつけようとしているだけではない。互いの夫が自らの目の前で他の女によって寝取られる瞬間を体験させようとしているのだ。
それだけではない。いまだ中学生の少女を犯すこと――それは仮に合意があったとしても、紛れもない淫行条例違反行為である。香織は道夫と達彦にそんな恐ろしい罪を犯させることで、小椋家と加藤家を縛る鎖をさらに増やそうとしているのだ。
「そんな風に舌の先だけでおずおずと嘗めているだけじゃだめよ。もっと大きく口を開けて、思い切りくわえ込みなさい」
いまだ中学1年の史織がまるでやり手婆のような口をきき、里佳子と香奈の白く滑らかな背中に交互に鞭を当てる。二人の美少女はこくりと頷くと、互いにその決心を示し合うように視線を交わし、白いベールをさっとかき上げると、おちょぼ口を大きく開いて屹立した男根をくわえ込む。
「うっ、ううっ……」
充血しきった男根で口の中が一杯になった里佳子は、苦しげに声をあげる。一方、道夫と思われる男のものは、もう一人のそれと比べるとはるかに小さいが、それでも精一杯怒張を示しているペニスは、香奈の小さな口には十分すぎるほどの大きさである。香奈は「む、むぐっ」と呻き、思わずそれから口を離そうとする。
「ほらほら、香奈、口を離しちゃだめよ」
史織が鞭の先端で香奈の肩先を叩く。
「そのままゆっくり顔を前後させるのよ。口全体をオマンコみたいにしてね」
そんなこと言っても処女のあなたたちには分からないかもしれないけどね、と史織はケラケラ笑う。
「とにかくやるのよ。ほら、一、二、一、二。里佳子も一緒に動かせなさい。一、二、一、二」
史織の号令に合わせて里佳子と香奈が呼吸を合わせて顔を前後させる。2人の男のペニスが二人の美少女の暖かい口内でいっそう大きさを増す。
「一、二、一、二。だいぶ巧くなって来たじゃない」
二人の美少女の上顎の裏を、下の上を、そして喉の入り口を怒張した肉棒が蹂躙する。吐き気をこらえながらひたすら醜悪な行為を繰り返して来た里佳子と香奈の頭が朦朧とし始めた来た時、史織の「やめ」の声が飛ぶ。
「それくらいで十分よ」
史織はそう言うと手に持った鞭で二人の男の脇腹を打つ。二人はそれが合図であったかのように舞台の床の上に仰向けに横たわる。
史織は二人に施された猿轡を乱暴に剥ぎ取る。呼吸が楽になったのか、男たちはふうと息をつく。
「二人とも、相撲取りが四股を踏むような格好で、男の顔の上に座りなさい」
史織にとんでもないことを命じられた里佳子と香奈はさっと顔を青ざめさせる。
「そ、そんな……」
「出来ません」
二人の美少女が拒絶の言葉を口にするや否や、史織は鞭を振り上げ里佳子と香奈の滑らかな背中をしたたかに打つ。
「あっ」
舞台脇で愛する娘が処女を散らす酸鼻なショーを見せつけられている裕子としのぶの口から同時に小さな悲鳴が洩れる。
「い、痛いわっ!」
「許してっ!」
赤い条痕が二人の美少女の背中を覆っていく。おろおろした表情を見せている母親たちとは対象的に、目隠しと耳栓を施された二人の父親はそんな娘たちの悲運にも気づかないのか、ペニスを無様に勃起させたまま仰向けの姿勢を静かに保っている。
ようやく屈服した里佳子と香奈は、シクシクとすすり泣きながら史織に命じられるまま、それぞれ達彦と道夫の顔の上に腰を下ろす。
「そうそう、そのポーズはフェイス・シッティングというのよ。よく覚えておきなさい」
史織のそんな言葉が二人に浴びせられた時、里佳子と香奈の口から同時に「ああっ」という悲鳴が迸る。新鮮な女陰が眼前に近づいてくるのを感じた達彦と道夫とみられる男たちが同時に舌を延ばし、美少女のスリットをぺろりと嘗めたのだ。
「い、いやっ」
「そんなっ」
里佳子と香奈は腰部を捩らせ、男たちの舌の攻撃を必死で避けようとするが、二人の男は甘い樹液の匂いに酔いしれたかのごとく執拗に二人の美少女を追いかける。やがて二つの舌先が幼い陰裂に差し込まれ、里佳子と香奈は熱い舌肉で串刺しにされたような感覚に同時に絶叫する。二人の男は何かに憑かれたように里佳子と香奈を執拗に攻撃し続け、二人の美少女は次第に官能の渦の中に呑み込まれていく。
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